22 / 213
ほろ酔いサイダー
22
しおりを挟む
一瞬そんな気を起こし、一体何を考えているのだと元に戻す。久々に会ったときから、宏介には振り回されている気がする。もしかしたら俺の勝手な想像かもしれないが。
ただの友達、と頭の中で繰り返していると、ようやく俺の注文したものが出てきた。皿とジョッキの並べられたトレーを受け取り、ぶつからないように人混みを歩いていく。
遠くから宏介が手を振っている姿が見え、目印にしながら歩いていく。
「おかえり」
テーブルにトレーを置くなり、宏介にそう言われた。
「た、ただいま……?」
「あはは」
きちんと返したつもりだったのに、笑われてしまった。どうすればよかったのか。
俺はドカリと座り、そそくさとジョッキを手にして宏介の目の前に差し出す。
「おら、持てよ」
ようやく笑いが治まり、しっかりとした手でジョッキを掲げる。
「持ったよ」
「おう。んじゃ、乾杯」
ただの友達、と頭の中で繰り返していると、ようやく俺の注文したものが出てきた。皿とジョッキの並べられたトレーを受け取り、ぶつからないように人混みを歩いていく。
遠くから宏介が手を振っている姿が見え、目印にしながら歩いていく。
「おかえり」
テーブルにトレーを置くなり、宏介にそう言われた。
「た、ただいま……?」
「あはは」
きちんと返したつもりだったのに、笑われてしまった。どうすればよかったのか。
俺はドカリと座り、そそくさとジョッキを手にして宏介の目の前に差し出す。
「おら、持てよ」
ようやく笑いが治まり、しっかりとした手でジョッキを掲げる。
「持ったよ」
「おう。んじゃ、乾杯」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
花の妖精さん
まつのこ
BL
『素敵な夢ですね──』
毎日規則的に生きるトーマの一日は、不思議な雰囲気を纏う隣人のヨシュアとの挨拶から始まる。
今日も当たり前のように挨拶をしてから仕事に出かけると、いつもと違うことに度々出くわした。
何事かと考えていると、花屋で働くヨシュアとばったり会う。
意外だと話していると、彼から一緒に出かけたいと誘われた──
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる