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ほろ酔いサイダー

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 あはは、と笑ってみせると、宏介は苦笑しながら俺の言葉に反応した。こんなやり取りは、学生時代に毎日のように行っていた。久々に会ってやってみると、なんだか懐かしさが込み上げてくる。 

「翔也、君はよく女の子とデートしてだいたい評判よかった気がするけど?」 

「あぁ。あれは、先輩や後輩に片っ端からおすすめの場所聞いてストックしてた」 

「なのに、お前の中には食べたものの美味さのストックはなかったと」 

「なんだよ航、文句あっか!?」 

 自分でも何でも食べている自覚はある。恐らく、人間にとって毒になるもの以外なら食べられる自信はある。 

 一方の宏介と航は、高いものの味を知っていた。特に酒に関しては二人とも好みがとても似ており、しょっちゅう出掛けている仲であった。俺も話を聞いているうちに興味が湧き、一緒に行こうとしたが予定が合わずに断念した。 

 結局卒業するまでの間、研究室の公式飲み会以外は全く一緒に食事することがなく現在に至る。 

 そういえばこの二人、結構色々な趣味が似ていたな。 

「まあまあ、二人とも落ち着いて」 

「俺は翔也と違って落ち着いてるから」 

「んだとっ」 
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