6 / 17
熱は消えない
2
しおりを挟む
苦手なはずなのに、俺はこの男と付き合っている。恐らくこの関係は誰にも理解が追いつかない気がするけれど、俺はきちんと恋愛感情を抱いている。
普段はちゃらんぽらんとも言える一輝であるが、物事に真剣に取り組む姿は惚れぼれとする。俺が恋に落ちたのはそんな姿だった。
「あーもー、限界だ!」
人通りの少ない道を歩きながら突然叫んだ一輝は、買ったばかりの棒アイスを取り出して食べ始めた。
「んまー」
「まったく……。研究室でゆっくり食べるんじゃなかったのか?」
「無理、アイスが溶ける気がする」
「そうか……?」
そう言って俺は、とぼけたふりをして一輝の棒アイスに顔を寄せる。そしてすぐに一口かじる。
「ちょっ、俺の!」
ジャリジャリとする氷菓は、さわやかな風が身体を通り抜けそうなほどに冷たかった。
「うん、美味いな」
「減ったじゃねーか。どうしてくれるんだよ」
「どうしようね。とりあえず研究室戻る」
普段はちゃらんぽらんとも言える一輝であるが、物事に真剣に取り組む姿は惚れぼれとする。俺が恋に落ちたのはそんな姿だった。
「あーもー、限界だ!」
人通りの少ない道を歩きながら突然叫んだ一輝は、買ったばかりの棒アイスを取り出して食べ始めた。
「んまー」
「まったく……。研究室でゆっくり食べるんじゃなかったのか?」
「無理、アイスが溶ける気がする」
「そうか……?」
そう言って俺は、とぼけたふりをして一輝の棒アイスに顔を寄せる。そしてすぐに一口かじる。
「ちょっ、俺の!」
ジャリジャリとする氷菓は、さわやかな風が身体を通り抜けそうなほどに冷たかった。
「うん、美味いな」
「減ったじゃねーか。どうしてくれるんだよ」
「どうしようね。とりあえず研究室戻る」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説



怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。


【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる