短いBLの短編が集まったもの

まつのこ

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熱は消えない

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 苦手なはずなのに、俺はこの男と付き合っている。恐らくこの関係は誰にも理解が追いつかない気がするけれど、俺はきちんと恋愛感情を抱いている。

 普段はちゃらんぽらんとも言える一輝であるが、物事に真剣に取り組む姿は惚れぼれとする。俺が恋に落ちたのはそんな姿だった。

「あーもー、限界だ!」

 人通りの少ない道を歩きながら突然叫んだ一輝は、買ったばかりの棒アイスを取り出して食べ始めた。

「んまー」

「まったく……。研究室でゆっくり食べるんじゃなかったのか?」

「無理、アイスが溶ける気がする」

「そうか……?」

 そう言って俺は、とぼけたふりをして一輝の棒アイスに顔を寄せる。そしてすぐに一口かじる。

「ちょっ、俺の!」

 ジャリジャリとする氷菓は、さわやかな風が身体を通り抜けそうなほどに冷たかった。

「うん、美味いな」

「減ったじゃねーか。どうしてくれるんだよ」

「どうしようね。とりあえず研究室戻る」
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