4 / 5
1
1-4
しおりを挟む
そんな中、奏がエアコンのよく当たる席に座ったところで髪を緩く束ねた女子がずかずかとやって来た。
「ちょっと麻生、あんたなんでそんなに濡れてるの!?」
「ん? 暑かったから水被った」
「水被ったって……。はぁ、呆れる」
「別に吉川には関係ないだろ」
「あんたが視界に入って見苦しい」
「俺は見苦しくない」
吉川がずっと奏が濡れていることに関して意見を言うが、奏には全く伝わっていないようだ。それでも必死に続けていることに、一年の後輩たちは驚いているが、三年の先輩たちと二年の同級生は呆れているようだ。そんな中、龍司だけは奏の横で笑いを堪えていた。
いつものように賑やかな状態が続いていると、教室の前のドアから誰かが入ってきた。Tシャツに半ズボン姿の眼鏡を掛けた男の手には、水滴の付いた袋がある。
その姿を見た部員は自ら挨拶していた。それに挨拶を返した彼は教卓の前に立ち、持っていた袋をそこへ置く。
「もー、こんな暑いのにさとちゃんとかなちゃんはまた喧嘩してんの?」
「角田さん! 麻生のやつ暑いからって水被って見苦しいんですよ!? 信じられない」
「まあまあ。さとちゃんがそんなに怒ってるとみんな暑いからちょっと落ち着こ? それに、今日は俺の奢りでアイス買ってきたよ。今日はアイス食べながら話し合いしよ」
「ちょっと麻生、あんたなんでそんなに濡れてるの!?」
「ん? 暑かったから水被った」
「水被ったって……。はぁ、呆れる」
「別に吉川には関係ないだろ」
「あんたが視界に入って見苦しい」
「俺は見苦しくない」
吉川がずっと奏が濡れていることに関して意見を言うが、奏には全く伝わっていないようだ。それでも必死に続けていることに、一年の後輩たちは驚いているが、三年の先輩たちと二年の同級生は呆れているようだ。そんな中、龍司だけは奏の横で笑いを堪えていた。
いつものように賑やかな状態が続いていると、教室の前のドアから誰かが入ってきた。Tシャツに半ズボン姿の眼鏡を掛けた男の手には、水滴の付いた袋がある。
その姿を見た部員は自ら挨拶していた。それに挨拶を返した彼は教卓の前に立ち、持っていた袋をそこへ置く。
「もー、こんな暑いのにさとちゃんとかなちゃんはまた喧嘩してんの?」
「角田さん! 麻生のやつ暑いからって水被って見苦しいんですよ!? 信じられない」
「まあまあ。さとちゃんがそんなに怒ってるとみんな暑いからちょっと落ち着こ? それに、今日は俺の奢りでアイス買ってきたよ。今日はアイス食べながら話し合いしよ」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

年上の恋人は優しい上司
木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。
仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。
基本は受け視点(一人称)です。
一日一花BL企画 参加作品も含まれています。
表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!!
完結済みにいたしました。
6月13日、同人誌を発売しました。
お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら
夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。
テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。
Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。
執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる