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三年ぶりの再会
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「ミシェル!」
呼ばれた方に振り向くとそこにはジュール殿下がいて、美しいほどの笑顔を見せていた。
三年振りに見たジュール殿下は身長も伸びて声変わりもしていて、別人のように思えた。無視することは出来ないし、私の隣にはウェズリー様も居るから、心配はない。
「お久しぶりでございます」
スカートの裾を摘んで挨拶をした。
「ミシェル今までどこに居たんだ? 心配していたんだ。急にいなくなるから」
「ご心配をおかけしたのなら申し訳ございませんでした。叔母から南の国はいい所だと聞かされていましたので、叔母の家でお世話になっていました。先日帰ってきたばかりでご挨拶が遅れてしまいました」
何か言われたら私のせいにして良いのよ。と叔母様が言ってくださったので、お言葉に甘えた。
「せめていなくなる前に伝えてほしかった。居場所も隠すなんて! どれだけミシェルに会いたかったか……ミシェルは私に会えなくて寂しいと思わなかったのか?」
どう返せばいいのか分からない。ウェズリー様を見ると、笑顔で私を見て頷いた。
「そりゃ、寂しかったよね」
ウェズリー様が答えたので、何を言い出すのかと思ったら……
「十二歳の女の子が一人で国を離れるのは勇気が行ったと思うよ」
うんうんと、頷くウェズリー様
「出る必要は無かったんではないか? 親しくしていたのに一言も挨拶もなく出て行くなんて非常識だ! 心配するだろう? 伯爵に何度聞いても居場所は教えてくれなかった」
「幼馴染だけど、異性だからね。親しくしていても婚約者でもなんでもないのだから、言う必要性が感じられない」
うんうんと、頷くウェズリー様
「ウェズリー殿に聞いてはいない。ミシェル答えよ!」
「お別れの挨拶は致しました。元より殿下に婚約者が出来るまで、遊び相手として王宮に出入りが許されていた身ですもの。遅くなりましたが、東の国の第三王女殿下とのご婚約を心よりお祝い申し上げます」
「そう言うことを聞きたいのではない! ウェズリー殿と親しいようだが、なぜウェズリー殿がミシェルといるんだ!」
「それは、」
と言うと、ウェズリー様に止められた。私から説明するからとこそっと言われたので、頷く。
「私とミシェルは婚約したんだよ。つい先日の話だったからまだ公にはなってないんだ。
陛下から私が留学すると言う話は聞いていただろう? 王宮に住むように勧められたんだけど、アルディ伯爵家の邸の近くに家を借りたんだ。これでミシェルの近くにいられるからね」
手をギュッと繋がれた。
「ミシェルが婚約っ! ウェズリー殿と?」
「そ! 結婚式は三年後、うちの国で挙げるから良かったら呼ぶけど?」
まるで挑発するような口ぶりのウェズリー様に、ジュール殿下は信じられないと言うような顔をして私たちを見ていた。
「ミシェルの家は単なる伯爵家だぞっ! 身分が違うだろうっ!」
「それはこの国のルール? でしょう。うちはうちのルールがあって全く問題ない。父上も母上もその他だーれも反対しなかったよ」
「は? 南の国は王族と単なる伯爵家の娘が婚姻を結べるのか?」
「単なるって……失礼だな。それにミシェルの叔母上の家は侯爵家だし、親戚になるのだから寧ろ喜ばしいと言われたけどね」
「侯爵家……。ミシェルの家が侯爵家だったら問題がなかったのに、なんて事ない伯爵家の娘だったから婚約出来なかった!」
……初めから分かっていたことではないですか。
お父様が殿下の遊び相手を辞退したいと何度も言ってくださいましたし、深入りはしてはいけないと、私も殿下も王妃様に何度も釘を刺されていました。
殿下はそれでも遊びに来るようにと誘ってくださいましたね……
「三年前に終わった話ではありませんか。わたくしはあの時と同じで、変わらず臣下として殿下の幸せを祈っておりますわ」
「ミシェル……?」
「話は以上? それなら行こうか、予約の時間に遅れてしまう」
「はい。それでは殿下ごきげんよう。お先に失礼致します」
もう一度スカートの裾を摘んで挨拶をした。
******
馬車に乗り揺られていたら
「せっかくいい所だったのに邪魔が入った! ミシェルから告白されたと言うのに!」
ぶつぶつと文句を言うウェズリー様
「ウェズリー様が居てくれて良かったです。殿下に会ったら動揺するかと思っていたんですけど、不思議ですわ」
「それはミシェルが三年間頑張ったからに決まってるでしょ!」
「ウェズリー様に餌付けされたから、南の国が居心地が良かったんですわね」
「それなら餌付けは大成功だ。でも今からドレスの採寸だから食べ過ぎは注意だね」
「帰りに食事に行くのに?」
「そうだな……それなら明日から控えてもらうよ」
「はい」
******
「ジュール様、お待たせしました」
「…………」
「ジュール様?」
「あ! 悪い、帰ろうかプリシア」
「えぇ……」
ミシェルとウェズリーを乗せた馬車を無表情で見つめた。
呼ばれた方に振り向くとそこにはジュール殿下がいて、美しいほどの笑顔を見せていた。
三年振りに見たジュール殿下は身長も伸びて声変わりもしていて、別人のように思えた。無視することは出来ないし、私の隣にはウェズリー様も居るから、心配はない。
「お久しぶりでございます」
スカートの裾を摘んで挨拶をした。
「ミシェル今までどこに居たんだ? 心配していたんだ。急にいなくなるから」
「ご心配をおかけしたのなら申し訳ございませんでした。叔母から南の国はいい所だと聞かされていましたので、叔母の家でお世話になっていました。先日帰ってきたばかりでご挨拶が遅れてしまいました」
何か言われたら私のせいにして良いのよ。と叔母様が言ってくださったので、お言葉に甘えた。
「せめていなくなる前に伝えてほしかった。居場所も隠すなんて! どれだけミシェルに会いたかったか……ミシェルは私に会えなくて寂しいと思わなかったのか?」
どう返せばいいのか分からない。ウェズリー様を見ると、笑顔で私を見て頷いた。
「そりゃ、寂しかったよね」
ウェズリー様が答えたので、何を言い出すのかと思ったら……
「十二歳の女の子が一人で国を離れるのは勇気が行ったと思うよ」
うんうんと、頷くウェズリー様
「出る必要は無かったんではないか? 親しくしていたのに一言も挨拶もなく出て行くなんて非常識だ! 心配するだろう? 伯爵に何度聞いても居場所は教えてくれなかった」
「幼馴染だけど、異性だからね。親しくしていても婚約者でもなんでもないのだから、言う必要性が感じられない」
うんうんと、頷くウェズリー様
「ウェズリー殿に聞いてはいない。ミシェル答えよ!」
「お別れの挨拶は致しました。元より殿下に婚約者が出来るまで、遊び相手として王宮に出入りが許されていた身ですもの。遅くなりましたが、東の国の第三王女殿下とのご婚約を心よりお祝い申し上げます」
「そう言うことを聞きたいのではない! ウェズリー殿と親しいようだが、なぜウェズリー殿がミシェルといるんだ!」
「それは、」
と言うと、ウェズリー様に止められた。私から説明するからとこそっと言われたので、頷く。
「私とミシェルは婚約したんだよ。つい先日の話だったからまだ公にはなってないんだ。
陛下から私が留学すると言う話は聞いていただろう? 王宮に住むように勧められたんだけど、アルディ伯爵家の邸の近くに家を借りたんだ。これでミシェルの近くにいられるからね」
手をギュッと繋がれた。
「ミシェルが婚約っ! ウェズリー殿と?」
「そ! 結婚式は三年後、うちの国で挙げるから良かったら呼ぶけど?」
まるで挑発するような口ぶりのウェズリー様に、ジュール殿下は信じられないと言うような顔をして私たちを見ていた。
「ミシェルの家は単なる伯爵家だぞっ! 身分が違うだろうっ!」
「それはこの国のルール? でしょう。うちはうちのルールがあって全く問題ない。父上も母上もその他だーれも反対しなかったよ」
「は? 南の国は王族と単なる伯爵家の娘が婚姻を結べるのか?」
「単なるって……失礼だな。それにミシェルの叔母上の家は侯爵家だし、親戚になるのだから寧ろ喜ばしいと言われたけどね」
「侯爵家……。ミシェルの家が侯爵家だったら問題がなかったのに、なんて事ない伯爵家の娘だったから婚約出来なかった!」
……初めから分かっていたことではないですか。
お父様が殿下の遊び相手を辞退したいと何度も言ってくださいましたし、深入りはしてはいけないと、私も殿下も王妃様に何度も釘を刺されていました。
殿下はそれでも遊びに来るようにと誘ってくださいましたね……
「三年前に終わった話ではありませんか。わたくしはあの時と同じで、変わらず臣下として殿下の幸せを祈っておりますわ」
「ミシェル……?」
「話は以上? それなら行こうか、予約の時間に遅れてしまう」
「はい。それでは殿下ごきげんよう。お先に失礼致します」
もう一度スカートの裾を摘んで挨拶をした。
******
馬車に乗り揺られていたら
「せっかくいい所だったのに邪魔が入った! ミシェルから告白されたと言うのに!」
ぶつぶつと文句を言うウェズリー様
「ウェズリー様が居てくれて良かったです。殿下に会ったら動揺するかと思っていたんですけど、不思議ですわ」
「それはミシェルが三年間頑張ったからに決まってるでしょ!」
「ウェズリー様に餌付けされたから、南の国が居心地が良かったんですわね」
「それなら餌付けは大成功だ。でも今からドレスの採寸だから食べ過ぎは注意だね」
「帰りに食事に行くのに?」
「そうだな……それなら明日から控えてもらうよ」
「はい」
******
「ジュール様、お待たせしました」
「…………」
「ジュール様?」
「あ! 悪い、帰ろうかプリシア」
「えぇ……」
ミシェルとウェズリーを乗せた馬車を無表情で見つめた。
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