真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの

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婚約者ルイス

夫婦となった二人

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「リージア、とても綺麗よ!」
「お義姉様、キレイ~!」
母とルシアに思う存分褒められた
あんなに甘えん坊の我儘娘だったルシアがとても成長した。姉として嬉しく思う
「ありがとう、次はルシアの番ね!」

この素晴らしいウェディングドレスの生地は王妃様から贈られた物だ。
まさかフェリクスとの結婚式に使う予定だったのではあるまい…と脳裏をかすったが
そんな失礼な事を王妃様がするわけがなく…新しく取り寄せてくださった貴重な生地だった。各国から生地を取り寄せているママから言わせても、素晴らしいとの事だった

「まぁ、リージアとても似合っているわ」
王妃様が式の前にわざわざ声をかけに来てくださった。
お礼をしようと頭を下げようとした
「いいの、そのままで!あなたは私の娘のようなものなんだから、幸せになるのよ」
そう言って手を握ってくださった
「ありがとうございます」
目尻に涙が浮かぶが、なんとか笑って答えた

父の腕を取り緊張しながら扉の前に立つ
扉が開かれると赤い絨毯が引かれた長い通路を父と歩く。
通路の終わりに正装したルイスが立つ…
正装の軍服といった感じだが、ルイスのシルバーの髪に映えてめっちゃくちゃカッコいい…
にこりと笑い、とても嬉しそうな顔をするので、その顔にドキドキと心臓がうるさい…
「やっと結婚出来る…」
耳元でルイスに囁かれて急激に恥ずかしくなる
両陛下、王太子殿下、大勢の貴族に見られながらもつつがなく式を終えることが出来た
疲れているが披露宴も行われて、途中で二人抜けることになる…
わぁ…すごく恥ずかしい

タウンハウスでルイスと初めて過ごす夜だった。家具も揃えられ新婚さんと言った部屋に仕上がっている、この部屋で二人きりで三日ほど過ごして、照れながらもパパとママと会った
「次は、領地で結婚式よ!」
パパとママは張り切っている!
「早く孫の顔が見たい」

そう言われ恥ずかしくて穴があったら入りたいとルイスの背中に隠れてしまった。
ルイスは怒ってくれると思っていたら
「そうですね、僕も楽しみです、頑張ろうねリージア!」
さらっと言うので
「しらないっ!」
恥ずかしさのあまり顔を背けてしまった

領地ではこじんまりとした式だと言っていたのに、王都よりも人数が多くそれ以上のお祭り騒ぎだった…何という量のお酒が振る舞われたのだろうか…
まぁ一生に一度の事だ、楽しもう!お酒の入ったグラスを手にしたらルイスに没収された
そんなルイスはアベルとずっと飲んでいた。
二人の間には私には入れない絆があるんだろうな…と思って羨ましく思った。
何故か兄は私がいない時でもマルロー家にお邪魔しているようで、アベルやパパ、ラウールと仲良しになっていて今日も参列していた

「シスコンだからね、仕方がない」
ルイスは余裕の笑みで兄を迎える

その後はやく孫の顔が見たいと言うパパとママの期待通り、シルバーヘアーのルイスにそっくりの男の子が産まれた。
待望の孫にパパとママは浮かれていた。
翌年女の子も出産する事になるのだが、ママが嬉しすぎて、洋服を大量に作ったり、邸がファンシーになったりとマルロー家は今日も賑やかだ!

【終わり】
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