真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの

文字の大きさ
上 下
53 / 55
婚約者ルイス

襲撃の終わり

しおりを挟む
夜が来てママとカイン、リージアとラウールで晩餐だ。
「皆さん戦っているのになんだか申し訳ないですね」
リージアが言うとママが
「大丈夫、多分今夜中に決着がつくから、朝には終わるかもしれないわね」
どう言う事だろうと思うがラウールまで
「静かすぎますからね、朝までかからないと思いますよ」
と言った、それはどう言うことかとカインが聞くと、外部には漏らせないが身内だからと…その代わり口止めはされていたようだ
「夜襲ですか…」
「そうです、こんなこともあろうかと、つねに罠は張り巡らされていて夜だと一網打尽です、怪我人が増えるだけで死には至らないとの事ですが、兄に怒られそうなんでこれ以上は言えません!」
ラウールも怒ったルイスが恐ろしいようだ
晩餐を取りみんなでお茶を飲む。ルイスの淹れてくれるお茶が飲みたいな…と思った

「ルイス大丈夫かな…」
部屋に戻り夜着に着替えベッドへ入る、眠れるかな…
流石にルイスが心配で中々寝付けなかった

朝が来て朝食を部屋で取り身支度を整えているとママに呼ばれたのでサロンへ行くと、兄もいたしパパもいた

「おはようリージアちゃん」
朝から爽やかだった
「おはようございます、ご無事で良かったです」
ほっとしたがルイスがいない
「ルイスはいま敵の大将と話し合っているよ、もうすぐアベルと帰ってくるから安心して良いよ」
ニヤリと笑われた

「この調子ならパパはルイスが結婚したら引退しちゃおっかな」
お茶目なパパにママが言うと
「そうね、それも良いわね思っていたより早くて嬉しいわ~ラウールが来年、騎士学校に進学するから一緒にタウンハウスで住むのも良いわね」
ラウールは学園ではなく兄が通っていた騎士学校へ通うようだ

「相手からルイスは鬼神と呼ばれていたよ、青の聖剣と鬼神だよ、中々ナイスな組み合わせだね」
パパが嬉しそうにママに報告をしていたが兄は苦笑いしていた

帰ってきた男達に労いの声をかけるため訓練場に行くと言うのでリージアもカインも行く事にした
「えっ!こんなにたくさんいるの?」
ザッと百人程の男たち中には女性もいる

「皆のものーご苦労であった、ゆっくり休むように」
「お疲れ様~交代してね~」
はいリージアちゃんも労ってあげて
ママに急に言われるので
「皆しゃ、皆さんおつかれさまでしたぁ~」
噛んだ…

「おぉ…可愛い」
ざわつくので顔が赤くなり兄に慰められた
「今回出動したものにはボーナス出すからなー怪我人はいないな?」

「いませーん」
みんなが笑顔だったのでどうやらこちら側の被害は少ないようだ

ルイスが戻ってくるまではパパの話を兄と聞いた。兄は興味津々で聞いていた
夕方頃にルイスが戻ってきた
「おかえりなさい、お疲れ様でした」
パタパタとルイスに近寄る

「…ただいま」
「無事で良かったです」
ルイスの顔を見てほっとした
「あ!機嫌悪そう?先にお風呂に入りますか?ご飯?」
「いや、違うんだ」
顔を赤くして顔を背けた

「え!なに?」
「疲れて帰ってきたらリージアが居るのって嬉しいもんだね、早く終わらせてきて良かった、汚れているから先に風呂に入るよ、晩餐は一緒に取ろう」
「はい」

その後今回の襲撃事件についての後始末の話や敵側の報告などをパパにしていた
兄は終始勉強になる、来て良かったと言っていた。
「リージアに危険な事が及ぶのはイヤだが、マルロー家に嫁ぐ方が国は安全だな…」
とルイスに言う

「今回はリージアが来てるのに突然襲撃され、僕たちの時間を邪魔されたからムカついて早く終わらせた…夜襲の成功も大きい」
「さすが…鬼神と呼ばれるだけありますね」

「…それは、誰のこと?」
「あら?ルイスでしょ、ねぇパパ」
「うむ、我がマルローに青き聖剣と鬼神ありと言われるようになるのは近い将来だな、ルイスは大将で軍師だからなぁ…リージアちゃんと結婚したら家督を譲りたいと思いまーす」
「嫌ですよ!しばらくは新婚気分を味わいたいのでお断りします」
「それもそうか…それならもう少し頑張るかねママ」
「そうね」
襲撃があっても笑いの絶えないマルロー家に兄は苦笑いをするのだった



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない

ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。 ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。 ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。 ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!

ユウ
恋愛
侯爵令嬢のアリスティアは婚約者に真実の愛を見つけたと告白され婚約を解消を求められる。 恋する相手は平民であり、正反対の可憐な美少女だった。 アリスティアには拒否権など無く、了承するのだが。 側近を婚約者に命じ、あげくの果てにはその少女を侯爵家の養女にするとまで言われてしまい、大切な家族まで侮辱され耐え切れずに修道院に入る事を決意したのだが…。 「ならば俺と永遠の愛を誓ってくれ」 意外な人物に結婚を申し込まれてしまう。 一方真実の愛を見つけた婚約者のティエゴだったが、思い込みの激しさからとんでもない誤解をしてしまうのだった。

婚約者様は大変お素敵でございます

ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。 あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。 それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた── 設定はゆるゆるご都合主義です。

貴方を愛する事はありません、絶対に

ひよこ1号
恋愛
男爵令嬢のクララは、伯爵令息との婚約を邪魔されて、ある醜聞塗れの侯爵の愛人にされてしまう。耐え忍ぶ日々に、救いの天使が現れた。※視点はクララ、ダニエル、シェリーで切り替わりますので、苦手な方はご注意を。※短編「愛する事はないと言ってくれ」https://www.alphapolis.co.jp/novel/556320410/970881015/episode/8394041の続編ですが、単体でもお読み頂けると思います。※相変わらずダニエルは屑ですのでご注意下さい

離れ離れの婚約者は、もう彼の元には戻らない

月山 歩
恋愛
婚約中のセシーリアは隣国より侵略され、婚約者と共に逃げるが、婚約者を逃すため、深い森の中で、離れ離れになる。一人になってしまったセシーリアは命の危機に直面して、自分の力で生きたいと強く思う。それを助けるのは、彼女を諦めきれない幼馴染の若き王で。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる

葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。 アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。 アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。 市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。 ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。 しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。 もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが… そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。 “側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ” 死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。 向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。 深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは… ※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。 他サイトでも同時投稿しています。 どうぞよろしくお願いしますm(__)m

婚約者をないがしろにする人はいりません

にいるず
恋愛
 公爵令嬢ナリス・レリフォルは、侯爵子息であるカリロン・サクストンと婚約している。カリロンは社交界でも有名な美男子だ。それに引き換えナリスは平凡でとりえは高い身分だけ。カリロンは、社交界で浮名を流しまくっていたものの今では、唯一の女性を見つけたらしい。子爵令嬢のライザ・フュームだ。  ナリスは今日の王家主催のパーティーで決意した。婚約破棄することを。侯爵家でもないがしろにされ婚約者からも冷たい仕打ちしか受けない。もう我慢できない。今でもカリロンとライザは誰はばかることなくいっしょにいる。そのせいで自分は周りに格好の話題を提供して、今日の陰の主役になってしまったというのに。  そう思っていると、昔からの幼馴染であるこの国の次期国王となるジョイナス王子が、ナリスのもとにやってきた。どうやらダンスを一緒に踊ってくれるようだ。この好奇の視線から助けてくれるらしい。彼には隣国に婚約者がいる。昔は彼と婚約するものだと思っていたのに。

処理中です...