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父の誕生日会
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久々に気合を入れてドレスアップした。
フェリクスから贈られてくる、特に好きではないドレスよりも気持ちが上がった。
宝石のようだと言われる紫の瞳は、冷たい印象を持たれてしまい可愛い色からは遠ざかってきたが、気分を上げるためにピンクのドレスを仕立てた。
髪をアップにまとめリボンを付けた。
伸びてきた前髪は切り揃えられ、少し短く切りすぎたせいか幼い印象になった
「意外と似合うじゃない」
ピンク色も短い前髪もイメチェンだ!
兄が部屋に迎えにきたのでエスコートされ応接室に向かった。
まず応接室に向かった理由はルシアに会うため
「お兄様、お姉様お久しぶりでございます」
淑女の礼をするルシア
「ルシア…なんて立派になって」
正直驚いた!兄も同じらしく驚いてはいたが
「ルシア、元気だったか?」
自然に声をかけていた
「はい。お兄様とお姉様にはたくさんご迷惑をおかけしてしまったことをお詫びいたします」
言葉遣いも素晴らしい、たった数ヶ月のことなのに…ヤバい泣きそうだ
「私ようやく目が覚めました、この家から出てお兄様やお姉様と離れて色々と反省しました。お姉様のように素晴らしいレディになりたいと思い、今更ですが…特訓中です」
緊張をした面持ちのルシア
「そうか、安心したよ、ごめんなルシアの腕を絞めてしまったこと…痛かったろ?」
あの日の家族会議の出来事だ。兄がルシアを羽交い締めにし腕を絞めていた…
思い出すとゾッとした…
「いいえ、私が悪かったのですもの。お姉様に暴力を振るってしまいました。当然の仕打ちです」
人が変わったようなルシアだが、話を変えたかった。フェリクスの名前でも出されたら気分が悪くなる
「ねぇ、ルシア紹介したい人がいるんでしょう?ねぇ会わせてちょうだい」
にこりとルシアに微笑むリージア
「はい、お姉様」
紹介された男性は伯爵家の次男だった。
お父様がルシアに紹介したのだと言う。なんだかんだと、世話を焼いているらしいが、安心した。イケメンというタイプではないが、誠実そうで優しいタイプかと思いきや
「私の悪い所を叱ってくれて、良いところは褒めてくれるんです」
嬉しそうに話をしてくれた。
もうこの子は前のように甘ったれた感じではなくなったようで、それも姉としては少し寂しいような気持ちになるが、心から祝福したいと思った。
「お姉様も早く良い人を捕まえないと、良い男が居なくなって、嫁の貰い手がなくなりますよ?」
ぽそっと言うと笑った。あぁやっぱりルシアは変わらないな…と思ってリージアも笑った
父の誕生日会は盛大に行われた。
普段は付き合いのない家の人も招待されていた。父と母と兄と挨拶に周りくたくたになり、庭に出た
「はー疲れた…それにしてもお月さまが綺麗だなぁ」
久しぶりに月を見た気がした。あの日から気分が優れなくて月を見る余裕もなかったようだ
「元気かなぁ…」
ベンチに座り足をぶらぶらとしていたらヒールの靴が飛んでしまった…
「きゃあ、なんて事」
キョロキョロと周りを見渡し人がいないことを確認してドレスの裾を上げ、靴を取ろうと立ち上がった。
「レディがすることかねぇ…」
聴き慣れた声が聞こえた気がするが、ここはうちの邸だ、空耳だろうと思ったが念のために振り返った
「ルイス、さん?」
フェリクスから贈られてくる、特に好きではないドレスよりも気持ちが上がった。
宝石のようだと言われる紫の瞳は、冷たい印象を持たれてしまい可愛い色からは遠ざかってきたが、気分を上げるためにピンクのドレスを仕立てた。
髪をアップにまとめリボンを付けた。
伸びてきた前髪は切り揃えられ、少し短く切りすぎたせいか幼い印象になった
「意外と似合うじゃない」
ピンク色も短い前髪もイメチェンだ!
兄が部屋に迎えにきたのでエスコートされ応接室に向かった。
まず応接室に向かった理由はルシアに会うため
「お兄様、お姉様お久しぶりでございます」
淑女の礼をするルシア
「ルシア…なんて立派になって」
正直驚いた!兄も同じらしく驚いてはいたが
「ルシア、元気だったか?」
自然に声をかけていた
「はい。お兄様とお姉様にはたくさんご迷惑をおかけしてしまったことをお詫びいたします」
言葉遣いも素晴らしい、たった数ヶ月のことなのに…ヤバい泣きそうだ
「私ようやく目が覚めました、この家から出てお兄様やお姉様と離れて色々と反省しました。お姉様のように素晴らしいレディになりたいと思い、今更ですが…特訓中です」
緊張をした面持ちのルシア
「そうか、安心したよ、ごめんなルシアの腕を絞めてしまったこと…痛かったろ?」
あの日の家族会議の出来事だ。兄がルシアを羽交い締めにし腕を絞めていた…
思い出すとゾッとした…
「いいえ、私が悪かったのですもの。お姉様に暴力を振るってしまいました。当然の仕打ちです」
人が変わったようなルシアだが、話を変えたかった。フェリクスの名前でも出されたら気分が悪くなる
「ねぇ、ルシア紹介したい人がいるんでしょう?ねぇ会わせてちょうだい」
にこりとルシアに微笑むリージア
「はい、お姉様」
紹介された男性は伯爵家の次男だった。
お父様がルシアに紹介したのだと言う。なんだかんだと、世話を焼いているらしいが、安心した。イケメンというタイプではないが、誠実そうで優しいタイプかと思いきや
「私の悪い所を叱ってくれて、良いところは褒めてくれるんです」
嬉しそうに話をしてくれた。
もうこの子は前のように甘ったれた感じではなくなったようで、それも姉としては少し寂しいような気持ちになるが、心から祝福したいと思った。
「お姉様も早く良い人を捕まえないと、良い男が居なくなって、嫁の貰い手がなくなりますよ?」
ぽそっと言うと笑った。あぁやっぱりルシアは変わらないな…と思ってリージアも笑った
父の誕生日会は盛大に行われた。
普段は付き合いのない家の人も招待されていた。父と母と兄と挨拶に周りくたくたになり、庭に出た
「はー疲れた…それにしてもお月さまが綺麗だなぁ」
久しぶりに月を見た気がした。あの日から気分が優れなくて月を見る余裕もなかったようだ
「元気かなぁ…」
ベンチに座り足をぶらぶらとしていたらヒールの靴が飛んでしまった…
「きゃあ、なんて事」
キョロキョロと周りを見渡し人がいないことを確認してドレスの裾を上げ、靴を取ろうと立ち上がった。
「レディがすることかねぇ…」
聴き慣れた声が聞こえた気がするが、ここはうちの邸だ、空耳だろうと思ったが念のために振り返った
「ルイス、さん?」
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