真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの

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フェリクス

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私の婚約者はリージアという。
ピンクゴールドの絹の様な髪に、まるで紫水晶の様な美しい瞳、白い肌にスゥッと通った鼻孔、それに合わせたかの様な形の良いピンクの唇持つ美しい令嬢だ。

伯爵家の令嬢であるリージアは家で厳しく躾けられていて、小さい頃から泣き言も言わず、私の婚約者として王宮でも教育を受けていた
リージアには兄がいてとても仲が良い兄弟であることは社交界でも有名だ。
この兄弟が一緒にいると歩く芸術とまで言われる程の美しさだ。
ピンクゴールドの髪の毛、紫色の瞳は兄弟の母親から受け継がれたものだ
美しく優しい夫人は社交界でも人気がある
伯爵はとてもやり手で、領地は現伯爵が継いでから改革が進められ、農地は潤い、温泉が沸く土地で保養施設なども建てられ、観光地としても潤っている

初めてリージアと会ったときになんて綺麗な子なんだろうと思った。
子供ながらに憧れを抱いた、紫の瞳はまるで宝石の様で私と目が合うたびに、にこりと笑うが見透かされている様な気持ちになった。私が年下だからだろうか…
だからリージアに虚勢を張る様に言った

「美しいとは思うけど、ただそれだけ、君に恋心は一切ない」

そんな事があってもリージアとは長い付き合いだ。もう忘れているだろう

リージアは長い付き合いだが素っ気ない、ヤキモチを妬かせようと好きな子が出来たと言ってみる。
「良かったですね」
今度こそ好きな子が出来た
「応援しますよー」
○○子爵の○○が可愛くて
「頑張ってくださいね」

…全てリージアとは反対の令嬢だ、可愛い小動物系というやつだ
しかし相変わらずつれないリージア、こうなったら…
「今度こそ、真実の愛かもしれん」

「はぁ、今度こそ婚約を解消してください。婚約者がいるのに愛を告げるのは相手様に失礼でしょう?」
などと言ってきたが、まぁ冗談だろう、私を軽く脅しているだけだ

はぁっと大きなため息を吐くリージアだが、こんな態度を許しているのだ、そのような態度は私の前だけでだろう?優しい私はその態度も許そうではないか

「そうか…それなら彼女とうまく行くようにリージアも手伝ってくれ、そしたら破棄でも解消でも、」
「解消です!お間違えのないように、解消ですよ!大事なので二回言いますからねっ」

いつもの軽快な冗談炸裂だなリージアと笑いを堪える

「分かった。ところで彼女をまず茶会に誘いたい、どうすれば喜んでもらえるか、考えてくれ」

「ところで彼女とはどちらの令嬢ですか?」

「あれ?言ってなかったっけ?ルシアだよ、よく知ってるだろ?」

どうだ!流石に妹の名前を出されたらリージアでも堪えるだろう!

「…ルシアでしたか…それはそれは、なんと言っていいやら」

「姉妹だからルシアの事をよく分かっているだろう?頼むよ」

「えぇ、お任せくださいな」

さぁ!盛大にヤキモチを妬くと良い、はっはっはっ




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