真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの

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ついに、捨てる時がきた!?

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ついにやつフェリクスを捨てるときが来たわっ!!

リージアは朝からご機嫌で王宮へ行こうと足取りが軽くなり、るんるんとスキップしそうな勢いだが…スキップ自体をした事がないので、出来るのかは不明だけど

「あら、ルシアじゃない?」
とびきりの笑顔でルシアに声をかける

「お姉様、ご相談があるんですけどぉ…」
もじもじした様子でリージアを見る
「もちろんよ、私で良ければ聞くわよ」
面倒な時は適当に流すところだが、今日は機嫌が良いのだ!
サロンに連れて行かれると母がお茶をしていた
「あら二人揃ってどうしたの?」
笑顔で二人を迎える母

「あのね、気になる方に色々とお世話になったのでお返しをしたくて…何を返せば喜んでもらえるかなぁ、って思って。ほらお姉様はそう言うの得意でしょ?」
薄ら笑いでリージアを見る

…あぁこの子は私が相手を知らないと思っているのだろう。
バカにするような、憐れみのような目付きだ

「どんな方なの?」
母がルシアに聞く
「素敵な方です、ルシアを喜ばせるために色々と、考えてくださるんですっ」

考えているのは…私だよっ!
落ち着け、落ち着くのよ、リージア、解消までカウントダウンよ!
よし呼吸だ、ふぅー
母がルシアに相手の方について質問をしている様だが、ルシアようまく交わすのだ!

「年齢は?おいくつくらい?」
「えへ、十六歳ですっ」
「そう、嫡男なの?」
「いいえ、違いますっ」
「あらそれは良かったわ、いつ紹介してくれるの?」
「もう少しだけ待ってください。婚約解消が先だそうです」
「お相手がいるの?だめよ!相手の方や家に迷惑がかかるでしょう!」
焦る母に飄々と答えるルシア
「お相手の方は譲ってくださると思いますよぉ?」
にこりとリージアを見るルシア

「お母様、それはまた今度で、何でしたっけ?プレゼントよね」
リージアが話の腰を折るような形になる
「はいっ!」

やつの好み…はなんだ?
やつが拘っているもの…あぁ!
「ネクタイとかはどう?男性はいつも付けておられますし何本あっても良いでしょう?」
ポンと手を叩くリージア

「そうします!でもぉ、ルシアは街へお買い物に行けませんし…お姉様何本か見繕ってくださいませんか?」

やつのプレゼントを見繕う…正直言って嫌だが、ここは目を瞑ることにする

「分かったわ、それならいつものお店で何本か見てくるわ。それで邸に届けさせるように伝えておきますから、後は自分で選びなさいね」
「はーいっ!」
ルシアの相談とやらが終わった


「私は王宮に顔を出して、それから街へ行ってきますから夕方には帰りますね、それでは失礼します」
母とルシアに頭を下げてサロンを出た



「フェリクス殿下ご機嫌よう」
笑顔で挨拶をするリージア

「やぁ、リージア、先日はありがとう感謝するよ。まぁ、座ってくれ」
執務室にてお茶をする事になった
「それで婚約解消の書類は揃いましたか?」
声色高く笑顔でフェリクスに聞く

「それがさ、ルシアがどうしてもピクニックがしたいと言って、どうにかして楽しませたいんだ、リージアなら簡単だろ?妹だもんな…」
「…最後ですよ?これ成功したら本気で解消してもらうから!円満解消にして差し上げますから」
フェリクスを恨めしそうに睨む

「もちろん、最後さ!これが終わったら破棄でも解消でー」
「解消だって言ってるでしょ!いい加減覚えなさいよっ、本当に最後だから!」
フェリクスに指を差して扉に向かい“ばんっ”と扉を閉めた
フェリクスの侍従が頭を抱える姿が見えた


もうこれで最後にしてやる!解消してくれないなら両陛下に直談判だ!
足早に豪華絢爛な廊下を歩き出す
その後街へと向かった

「ルイスさん、美味しくて可愛くって映えるサンドイッチ作れますか…?ピクニックですって…」

元気がなさそうにカウンターに頬杖をつく
令嬢の仕草ではないが、ショックを受けているので許して欲しい

「ざっくりだな…どうした?」
苦笑いをするルイス

「うぅぅ…最後のミッションなんです…もう嫌なんです」
泣き言を言うリージアの頭にポンと優しく手を乗せる

「まず落ち着こう、はい」
ティーポットに花が咲くお茶を出してくれた
「凄い!お花が咲いてる、いい香りー」
紫の瞳がキラキラと輝く
「ほらひとつ決まった、映えるでしょ」
と言ってルイスが笑った

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