真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの

文字の大きさ
上 下
13 / 55

お忍びデートをこそ見する

しおりを挟む
「あくまでも大衆演劇ですよ、お嬢様」
ルイスとの待ち合わせ場所にて開口一番に言われた
「人気があるんでしょう?楽しみですね」
帽子を被り、町娘のような地味な服を着るリージア

「お嬢様メガネも掛けて…その瞳目立つから」
手に持っていたメガネを掛けさせるルイス
「あっ、来た!」
ルイスの背中からフェリクスとルシアをこそ見する
「ねぇ、あれ…護衛とかいるの?」
ルイスも伊達メガネをかけ目を細めるようにフェリクスとルシアを見る

「んー?いた、ほらあの男の人侍従よ、護衛の人と一緒にいるわ」
と言うと遠くの方にいるフェリクスの侍従と目が合った、そしてギョッとした顔をしてリージアを見る

「またばれちゃった…」
フェリクスの侍従はとても目が良いようだ
それにしてもどうやってチケットを入手したのだろう?
「あの人たち、僕たちより変装下手じゃない…?明らかに貴族じゃないか、しかも高位貴族…」
 

その後演劇が始まり1時間半程で終わりとなった
さすが人気の役者アベルだ!プレゼントや花束をたくさん貰っていた
「きゃーアベル様ぁ」
甲高い声で握手をしてもらってはしゃぐルシアを見てどっと疲れた…
フェリクスは面白くない顔をしているが、ルシアは満足そうで、腕を組んで帰って行った


「楽屋行く?」
指を指される方向に歩き出す。ルイスの名前を言うと楽屋へ通された
「アベルさんとっても素敵でした!」
リージアが感想を述べると嬉しそうに

「本当に来てくれたんだ、嬉しいよリージアちゃん」
少し話をしていたら、第二部があるとのことで邪魔をしてはいけないと思い帰ることになった。
「ルイスさん今日は付き合ってくださってありがとうございました」
お礼を言うリージア
「意外と楽しかったよ…スリルがあって」
何のことやら首を傾げるも
「またお店に行っても良いですか?」
「あぁ、もちろんですよ」
白いシャツにベストに細身のパンツを履くルイス
「うーんルイスさんってとっても、スタイルが良くてお顔も素敵ですよねぇ、やっぱりどこかでお会いした事が…」
「…お嬢様もう夕刻ですけどお時間大丈夫ですか?お家の方が心配していませんか?」
話をまたかわされた!

「もうそんな時間?帰らなきゃ」
馬車が待っている近くまで送ってもらった



「おかえりなさいリージア、最近帰りが遅いわね、どこへ行っていたの?」
母に聞かれ
「街に美味しいカフェがあって、最近お気に入りなんです」
間違ってはいないだろう
「この前買ってきたお菓子のお店?」
兄と散策に行った日に買ったお菓子だ
「はい、そうです、また買ってきますね」

「そう、王宮へは行ってないのね…」
不思議そうな顔をする母
「はい、今日は行っていません」
「じゃぁなぜルシアは王宮に行っているのかしら?」
またもや不思議そうな顔をする母
「さぁ?なぜでしょうか」
お忍びで演劇です!なんて言えないし、フェリクスと一緒とも言えない

「何か困ったことがあったら、お母様にも相談してね、力になりたいの」
内心は驚いて声をあげそうだが、なんとか堪える。母に力になりたいなど言われたことがない
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない

ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。 ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。 ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。 ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!

ユウ
恋愛
侯爵令嬢のアリスティアは婚約者に真実の愛を見つけたと告白され婚約を解消を求められる。 恋する相手は平民であり、正反対の可憐な美少女だった。 アリスティアには拒否権など無く、了承するのだが。 側近を婚約者に命じ、あげくの果てにはその少女を侯爵家の養女にするとまで言われてしまい、大切な家族まで侮辱され耐え切れずに修道院に入る事を決意したのだが…。 「ならば俺と永遠の愛を誓ってくれ」 意外な人物に結婚を申し込まれてしまう。 一方真実の愛を見つけた婚約者のティエゴだったが、思い込みの激しさからとんでもない誤解をしてしまうのだった。

婚約者様は大変お素敵でございます

ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。 あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。 それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた── 設定はゆるゆるご都合主義です。

貴方を愛する事はありません、絶対に

ひよこ1号
恋愛
男爵令嬢のクララは、伯爵令息との婚約を邪魔されて、ある醜聞塗れの侯爵の愛人にされてしまう。耐え忍ぶ日々に、救いの天使が現れた。※視点はクララ、ダニエル、シェリーで切り替わりますので、苦手な方はご注意を。※短編「愛する事はないと言ってくれ」https://www.alphapolis.co.jp/novel/556320410/970881015/episode/8394041の続編ですが、単体でもお読み頂けると思います。※相変わらずダニエルは屑ですのでご注意下さい

離れ離れの婚約者は、もう彼の元には戻らない

月山 歩
恋愛
婚約中のセシーリアは隣国より侵略され、婚約者と共に逃げるが、婚約者を逃すため、深い森の中で、離れ離れになる。一人になってしまったセシーリアは命の危機に直面して、自分の力で生きたいと強く思う。それを助けるのは、彼女を諦めきれない幼馴染の若き王で。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる

葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。 アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。 アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。 市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。 ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。 しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。 もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが… そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。 “側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ” 死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。 向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。 深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは… ※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。 他サイトでも同時投稿しています。 どうぞよろしくお願いしますm(__)m

婚約者をないがしろにする人はいりません

にいるず
恋愛
 公爵令嬢ナリス・レリフォルは、侯爵子息であるカリロン・サクストンと婚約している。カリロンは社交界でも有名な美男子だ。それに引き換えナリスは平凡でとりえは高い身分だけ。カリロンは、社交界で浮名を流しまくっていたものの今では、唯一の女性を見つけたらしい。子爵令嬢のライザ・フュームだ。  ナリスは今日の王家主催のパーティーで決意した。婚約破棄することを。侯爵家でもないがしろにされ婚約者からも冷たい仕打ちしか受けない。もう我慢できない。今でもカリロンとライザは誰はばかることなくいっしょにいる。そのせいで自分は周りに格好の話題を提供して、今日の陰の主役になってしまったというのに。  そう思っていると、昔からの幼馴染であるこの国の次期国王となるジョイナス王子が、ナリスのもとにやってきた。どうやらダンスを一緒に踊ってくれるようだ。この好奇の視線から助けてくれるらしい。彼には隣国に婚約者がいる。昔は彼と婚約するものだと思っていたのに。

処理中です...