10 / 55
入手困難
しおりを挟む
急いで王宮を出る。
夕方近い…邸に帰らなくてはならないのだがどうしても用事を済ませたかった
「ルイスさーん!」
パティシエルイスの店に来た
「リージアお嬢様?どうしました?」
パティシエの服を脱ぎシャツとスラックスというラフな格好をしていた
髪も帽子を取っていてナチュラルヘアーという感じ。イケメンは何を着ても似合うが…
明らかに良い素材を使っていると分かる生地だ
「ねぇルイスさん、どこかでお会いしたことありませんか?」
見覚えが…あるような、ないような?
「…気のせいでしょう、それより何か御用があって来たのでしょう?」
話をかわされたような気がする
「今日はありがとうございました。とても助かりました。あとゲストの方も大変喜んでいました」
頭を下げるリージア
「そうですか、それは恐悦至極に存じます。まさか王宮でスイーツを出すことになるとは夢にも思いませんでした…ゲテモノ扱いされるかと思ってましたし」
安心したように笑うルイス
「今までで見たことのないスイーツでした。見た目は驚きましたがとっても美味しいですし、何より作っていて楽しいんですもの」
目を細めて笑顔で答えるリージア
「お嬢様…もしかしてわざわざこの事を言いにこちらへ?」
申し訳なさそうな顔をする
「えぇ!お世話になったし大事な事でしょう?」
キョトンとするリージア
「貴族のお嬢様がわざわざ街に来て、自らお礼を言いにくるなんて変わってますね」
くすくすと笑い出すルイス
「変わってて悪うございました、でもまだ用事はあるんです!」
拗ねるような口ぶりのリージア
「どうされたんですか?」
首を傾げるルイス
「演劇のチケットを取りたくて…でも人気があって入手困難だと聞いて、どうやったら入手出来るかしら…」
ふぅっと頬に手を当てるリージア
「今、上演している人気の俳優が出ているものですか?」
腕を組み考えるような仕草のルイス
「えぇ、それです」
「なんとか…なるかも?」
ポツリと呟くルイスの声をすかさず拾う
「えっ!!」
ぱぁっーと自然と明るい顔になる
「そうだな、明日の昼頃に店に来てもらえますか?」
「それは構いませんけど…」
「それではお待ちしていますね」
ルイスの店を出た、早く帰らないと怪しまれてしまう!
「おかえり、リージア」
母がちょうどエントランスにいた
「お母様ただいま戻りました、珍しいですねこのような場所に居られるなんて」
出迎えられた記憶が無かったので少し驚いた
「貴女の帰りが遅いからでしょう、心配したのよ!今日のお茶会の様子を聞きたくて」
あぁ…ルシアの様子を聞きたかったのか、納得した
「ルシアが王妃様に気になる人がいると言ってましたよ。王妃様がお父様に言っておくとの事でした。ルシアはもう少しマナーを学んだ方が良いようですけど、粗相は…まぁ、ありませんでしたよ、ご心配なく。それでは失礼します」
疲れたので部屋に戻ろうとする
「リージアは?貴女はお茶会のお手伝いを頑張ったのでしょう?」
珍しい事があるものだ…私を気にかけるなんて
「えぇ、反省点もありましたがやれる事はやりました」
少し素っ気なく答えるリージア
「ちゃんと話を聞かせて欲しいのよ、貴女の口から」
寂しそうな顔をする母に戸惑う
「そうですね本日は、」
「ただいま帰りました!あれ?お母様とお姉様お揃いですか?お母様今日ねーー」
帰ってくるなり母の腕を組んでルシアがサロンへ行こうとする
「リージアもどう?」
母が後ろを振り返り誘ってくる
「お母様とお話ししたいのです」
ルシアが母に甘えるので首を左右に振り
「私は疲れたので部屋に戻ります」
と言うと母は「そう」と寂しそうな顔をした
夕方近い…邸に帰らなくてはならないのだがどうしても用事を済ませたかった
「ルイスさーん!」
パティシエルイスの店に来た
「リージアお嬢様?どうしました?」
パティシエの服を脱ぎシャツとスラックスというラフな格好をしていた
髪も帽子を取っていてナチュラルヘアーという感じ。イケメンは何を着ても似合うが…
明らかに良い素材を使っていると分かる生地だ
「ねぇルイスさん、どこかでお会いしたことありませんか?」
見覚えが…あるような、ないような?
「…気のせいでしょう、それより何か御用があって来たのでしょう?」
話をかわされたような気がする
「今日はありがとうございました。とても助かりました。あとゲストの方も大変喜んでいました」
頭を下げるリージア
「そうですか、それは恐悦至極に存じます。まさか王宮でスイーツを出すことになるとは夢にも思いませんでした…ゲテモノ扱いされるかと思ってましたし」
安心したように笑うルイス
「今までで見たことのないスイーツでした。見た目は驚きましたがとっても美味しいですし、何より作っていて楽しいんですもの」
目を細めて笑顔で答えるリージア
「お嬢様…もしかしてわざわざこの事を言いにこちらへ?」
申し訳なさそうな顔をする
「えぇ!お世話になったし大事な事でしょう?」
キョトンとするリージア
「貴族のお嬢様がわざわざ街に来て、自らお礼を言いにくるなんて変わってますね」
くすくすと笑い出すルイス
「変わってて悪うございました、でもまだ用事はあるんです!」
拗ねるような口ぶりのリージア
「どうされたんですか?」
首を傾げるルイス
「演劇のチケットを取りたくて…でも人気があって入手困難だと聞いて、どうやったら入手出来るかしら…」
ふぅっと頬に手を当てるリージア
「今、上演している人気の俳優が出ているものですか?」
腕を組み考えるような仕草のルイス
「えぇ、それです」
「なんとか…なるかも?」
ポツリと呟くルイスの声をすかさず拾う
「えっ!!」
ぱぁっーと自然と明るい顔になる
「そうだな、明日の昼頃に店に来てもらえますか?」
「それは構いませんけど…」
「それではお待ちしていますね」
ルイスの店を出た、早く帰らないと怪しまれてしまう!
「おかえり、リージア」
母がちょうどエントランスにいた
「お母様ただいま戻りました、珍しいですねこのような場所に居られるなんて」
出迎えられた記憶が無かったので少し驚いた
「貴女の帰りが遅いからでしょう、心配したのよ!今日のお茶会の様子を聞きたくて」
あぁ…ルシアの様子を聞きたかったのか、納得した
「ルシアが王妃様に気になる人がいると言ってましたよ。王妃様がお父様に言っておくとの事でした。ルシアはもう少しマナーを学んだ方が良いようですけど、粗相は…まぁ、ありませんでしたよ、ご心配なく。それでは失礼します」
疲れたので部屋に戻ろうとする
「リージアは?貴女はお茶会のお手伝いを頑張ったのでしょう?」
珍しい事があるものだ…私を気にかけるなんて
「えぇ、反省点もありましたがやれる事はやりました」
少し素っ気なく答えるリージア
「ちゃんと話を聞かせて欲しいのよ、貴女の口から」
寂しそうな顔をする母に戸惑う
「そうですね本日は、」
「ただいま帰りました!あれ?お母様とお姉様お揃いですか?お母様今日ねーー」
帰ってくるなり母の腕を組んでルシアがサロンへ行こうとする
「リージアもどう?」
母が後ろを振り返り誘ってくる
「お母様とお話ししたいのです」
ルシアが母に甘えるので首を左右に振り
「私は疲れたので部屋に戻ります」
と言うと母は「そう」と寂しそうな顔をした
13
お気に入りに追加
2,259
あなたにおすすめの小説

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】

彼と婚約破棄しろと言われましても困ります。なぜなら、彼は婚約者ではありませんから
水上
恋愛
「私は彼のことを心から愛しているの! 彼と婚約破棄して!」
「……はい?」
子爵令嬢である私、カトリー・ロンズデールは困惑していた。
だって、私と彼は婚約なんてしていないのだから。
「エリオット様と別れろって言っているの!」
彼女は下品に怒鳴りながら、ポケットから出したものを私に投げてきた。
そのせいで、私は怪我をしてしまった。
いきなり彼と別れろと言われても、それは無理な相談である。
だって、彼は──。
そして勘違いした彼女は、自身を破滅へと導く、とんでもない騒動を起こすのだった……。
※この作品は、旧作を加筆、修正して再掲載したものです。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

旦那様は離縁をお望みでしょうか
村上かおり
恋愛
ルーベンス子爵家の三女、バーバラはアルトワイス伯爵家の次男であるリカルドと22歳の時に結婚した。
けれど最初の顔合わせの時から、リカルドは不機嫌丸出しで、王都に来てもバーバラを家に一人残して帰ってくる事もなかった。
バーバラは行き遅れと言われていた自分との政略結婚が気に入らないだろうと思いつつも、いずれはリカルドともいい関係を築けるのではないかと待ち続けていたが。

離れ離れの婚約者は、もう彼の元には戻らない
月山 歩
恋愛
婚約中のセシーリアは隣国より侵略され、婚約者と共に逃げるが、婚約者を逃すため、深い森の中で、離れ離れになる。一人になってしまったセシーリアは命の危機に直面して、自分の力で生きたいと強く思う。それを助けるのは、彼女を諦めきれない幼馴染の若き王で。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢のアリスティアは婚約者に真実の愛を見つけたと告白され婚約を解消を求められる。
恋する相手は平民であり、正反対の可憐な美少女だった。
アリスティアには拒否権など無く、了承するのだが。
側近を婚約者に命じ、あげくの果てにはその少女を侯爵家の養女にするとまで言われてしまい、大切な家族まで侮辱され耐え切れずに修道院に入る事を決意したのだが…。
「ならば俺と永遠の愛を誓ってくれ」
意外な人物に結婚を申し込まれてしまう。
一方真実の愛を見つけた婚約者のティエゴだったが、思い込みの激しさからとんでもない誤解をしてしまうのだった。

【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
21時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる