4 / 55
砂糖を与えておけば良し
しおりを挟む
結局好きなものは甘いもの、嫌いなものは苦いものと言うざっくりした答えが返ってきた
「砂糖を与えておけば良いのではないか?甘いだろう、素材の味だ」
「…お兄様ったら」
「それで、茶会はいつだ?」
カインとリージアの作戦会議が始まった
「来週末ですって」
茶会で出すお菓子を真剣に考えるリージア
ざっくり甘いものと言って、普通に出してもそれまでだが、さすがフェリクス!と言うものを出さねば意味がないだろう。
甘いものは家でも食べているのだから!
「お兄様、街へ出ましょう」
すくっと立ち上がるリージア
「着替えてまいります」
「あ、あぁ、分かった」
突然のことに驚くカインだが、何かあっての事だろうとリージアに従う。
せっかくの休みだったが妹の為だ、大人しく地味な服装に着替えることにした
王都の街は賑わっている。人の行き来が激しい為、人攫いの話もよくあると聞く
リージアは美しい娘で地味な服を着ようが三つ編みにしようが、隠しようがない。
一緒にいるカインも整った顔立ちをしている、地味な服を着ようが細マッチョな体つきは何を着ても似合うので、こちらも明らかに只者ではない雰囲気、明らかに貴族の散策だ。お忍びとよく言われるがバレバレである。
「最近この辺りに隣国の流行りのスイーツが食べられるお店が出来たはずなのよ…あ!あった」
グリーンを基調とした洗練された女性好みの店構えだ
「えぇ?中に入るのか…」
甘いものがあまり得意ではないカインが匂いだけでお腹が一杯という感じで顔を顰めている
「買って帰りましょう」
いつも世話になっているメイド達へのお土産を購入した
「お茶会はその菓子にするのか?」
目を瞑り首をううんと左右に振るリージア
「なんか違うのよ…これは洗練された女性が好みそうでしょう?あの子の趣味とは違う」
言いたい放題だが、甘くてインパクトのあるお菓子が必要なのだ
メイン通りを品定めする様に歩くリージア
「あれはっ!!」
目を見開き立ち止まる
「なんだ?」
足早に店に駆け寄るリージア
「おい待て、危ないだろう」
人をかけ分けるようにリージアを追いかけるカイン
「お兄様!これよこれ!」
カラフルな色をしたミルクレープやカラフルすぎる飲み物が店頭に並ぶ
「え!本気か?」
思考が止まるカイン
うんうんと頷くリージア
「すいませーん、ちょっとお伺いしたいのですけどー」
リージアが声をかける
「はい、御用ですか?」
パティシエ服を着たすらっとしたイケメンが出てきた
「このケーキは持ち帰り出来ますか?」
持ち帰りが出来るのならこれで決まりだ!この店のものを出しておけばインパクトがあるだろう、変わったものが好きなのだ
「申し訳ございません…崩れやすいので店内の飲食のみで持ち帰りはお断りしております」
頭を下げられた
そうなると答えは一つ
「お願いします!作り方を教えてください、そのかわり他言は致しませんので」
頭を下げるリージア
困惑するイケメンパティシエ
「えぇっと、困りましたね…」
「お願いします、どうしてもお茶会で出したいのです、ある人を驚かせたくて…」
お茶会…貴族です!と言っているものだが、素直に説明する
「はぁ…分かりました、僕がこの店の店主です。他言はしないと言うお約束と、どこかで貴女が僕のケーキを出すたびにお金を支払ってもらいます、契約という形にしてくださるのであれば、お教えしますけど?」
腕を組んでリージアを見る
「えぇ、それでお願いします!契約書を早速作りましょう、お兄様監修お願いしますね、こちらの方の不利にならないように契約書を作って差し上げて下さい」
「砂糖を与えておけば良いのではないか?甘いだろう、素材の味だ」
「…お兄様ったら」
「それで、茶会はいつだ?」
カインとリージアの作戦会議が始まった
「来週末ですって」
茶会で出すお菓子を真剣に考えるリージア
ざっくり甘いものと言って、普通に出してもそれまでだが、さすがフェリクス!と言うものを出さねば意味がないだろう。
甘いものは家でも食べているのだから!
「お兄様、街へ出ましょう」
すくっと立ち上がるリージア
「着替えてまいります」
「あ、あぁ、分かった」
突然のことに驚くカインだが、何かあっての事だろうとリージアに従う。
せっかくの休みだったが妹の為だ、大人しく地味な服装に着替えることにした
王都の街は賑わっている。人の行き来が激しい為、人攫いの話もよくあると聞く
リージアは美しい娘で地味な服を着ようが三つ編みにしようが、隠しようがない。
一緒にいるカインも整った顔立ちをしている、地味な服を着ようが細マッチョな体つきは何を着ても似合うので、こちらも明らかに只者ではない雰囲気、明らかに貴族の散策だ。お忍びとよく言われるがバレバレである。
「最近この辺りに隣国の流行りのスイーツが食べられるお店が出来たはずなのよ…あ!あった」
グリーンを基調とした洗練された女性好みの店構えだ
「えぇ?中に入るのか…」
甘いものがあまり得意ではないカインが匂いだけでお腹が一杯という感じで顔を顰めている
「買って帰りましょう」
いつも世話になっているメイド達へのお土産を購入した
「お茶会はその菓子にするのか?」
目を瞑り首をううんと左右に振るリージア
「なんか違うのよ…これは洗練された女性が好みそうでしょう?あの子の趣味とは違う」
言いたい放題だが、甘くてインパクトのあるお菓子が必要なのだ
メイン通りを品定めする様に歩くリージア
「あれはっ!!」
目を見開き立ち止まる
「なんだ?」
足早に店に駆け寄るリージア
「おい待て、危ないだろう」
人をかけ分けるようにリージアを追いかけるカイン
「お兄様!これよこれ!」
カラフルな色をしたミルクレープやカラフルすぎる飲み物が店頭に並ぶ
「え!本気か?」
思考が止まるカイン
うんうんと頷くリージア
「すいませーん、ちょっとお伺いしたいのですけどー」
リージアが声をかける
「はい、御用ですか?」
パティシエ服を着たすらっとしたイケメンが出てきた
「このケーキは持ち帰り出来ますか?」
持ち帰りが出来るのならこれで決まりだ!この店のものを出しておけばインパクトがあるだろう、変わったものが好きなのだ
「申し訳ございません…崩れやすいので店内の飲食のみで持ち帰りはお断りしております」
頭を下げられた
そうなると答えは一つ
「お願いします!作り方を教えてください、そのかわり他言は致しませんので」
頭を下げるリージア
困惑するイケメンパティシエ
「えぇっと、困りましたね…」
「お願いします、どうしてもお茶会で出したいのです、ある人を驚かせたくて…」
お茶会…貴族です!と言っているものだが、素直に説明する
「はぁ…分かりました、僕がこの店の店主です。他言はしないと言うお約束と、どこかで貴女が僕のケーキを出すたびにお金を支払ってもらいます、契約という形にしてくださるのであれば、お教えしますけど?」
腕を組んでリージアを見る
「えぇ、それでお願いします!契約書を早速作りましょう、お兄様監修お願いしますね、こちらの方の不利にならないように契約書を作って差し上げて下さい」
15
お気に入りに追加
2,259
あなたにおすすめの小説

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢のアリスティアは婚約者に真実の愛を見つけたと告白され婚約を解消を求められる。
恋する相手は平民であり、正反対の可憐な美少女だった。
アリスティアには拒否権など無く、了承するのだが。
側近を婚約者に命じ、あげくの果てにはその少女を侯爵家の養女にするとまで言われてしまい、大切な家族まで侮辱され耐え切れずに修道院に入る事を決意したのだが…。
「ならば俺と永遠の愛を誓ってくれ」
意外な人物に結婚を申し込まれてしまう。
一方真実の愛を見つけた婚約者のティエゴだったが、思い込みの激しさからとんでもない誤解をしてしまうのだった。

婚約者様は大変お素敵でございます
ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。
あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。
それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた──
設定はゆるゆるご都合主義です。

貴方を愛する事はありません、絶対に
ひよこ1号
恋愛
男爵令嬢のクララは、伯爵令息との婚約を邪魔されて、ある醜聞塗れの侯爵の愛人にされてしまう。耐え忍ぶ日々に、救いの天使が現れた。※視点はクララ、ダニエル、シェリーで切り替わりますので、苦手な方はご注意を。※短編「愛する事はないと言ってくれ」https://www.alphapolis.co.jp/novel/556320410/970881015/episode/8394041の続編ですが、単体でもお読み頂けると思います。※相変わらずダニエルは屑ですのでご注意下さい

離れ離れの婚約者は、もう彼の元には戻らない
月山 歩
恋愛
婚約中のセシーリアは隣国より侵略され、婚約者と共に逃げるが、婚約者を逃すため、深い森の中で、離れ離れになる。一人になってしまったセシーリアは命の危機に直面して、自分の力で生きたいと強く思う。それを助けるのは、彼女を諦めきれない幼馴染の若き王で。

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。
ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。
しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。
もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが…
そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。
“側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ”
死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。
向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。
深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは…
※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。
他サイトでも同時投稿しています。
どうぞよろしくお願いしますm(__)m
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)

婚約者をないがしろにする人はいりません
にいるず
恋愛
公爵令嬢ナリス・レリフォルは、侯爵子息であるカリロン・サクストンと婚約している。カリロンは社交界でも有名な美男子だ。それに引き換えナリスは平凡でとりえは高い身分だけ。カリロンは、社交界で浮名を流しまくっていたものの今では、唯一の女性を見つけたらしい。子爵令嬢のライザ・フュームだ。
ナリスは今日の王家主催のパーティーで決意した。婚約破棄することを。侯爵家でもないがしろにされ婚約者からも冷たい仕打ちしか受けない。もう我慢できない。今でもカリロンとライザは誰はばかることなくいっしょにいる。そのせいで自分は周りに格好の話題を提供して、今日の陰の主役になってしまったというのに。
そう思っていると、昔からの幼馴染であるこの国の次期国王となるジョイナス王子が、ナリスのもとにやってきた。どうやらダンスを一緒に踊ってくれるようだ。この好奇の視線から助けてくれるらしい。彼には隣国に婚約者がいる。昔は彼と婚約するものだと思っていたのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる