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あの子の好み
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ルシアとは義理の姉妹だ。
血のつながりはない。ルシアの両親は父の親戚の子で母も昔からの知り合いだという。
ルシアの家族は雷の酷い日に落雷によって命を落とした。
ルシアはその時高熱を出していて、両親が医者を呼びに行った際の不幸な事故だったと言う。
そんなルシアを不憫に思い父が引き取ったとの事だ。
ルシアは子犬のような可愛さで両親の懐に入って行った。
妹なんだから可愛がってあげなさい!と両親に言われ、大体のことは目を瞑り腹が立つことも多々あったが、まぁ可愛い義妹だ
私には二つ上に兄がいる。名前はカインと言う。兄はルシアを表面上可愛がる。
両親はルシアを可愛がり、兄と私は家庭教師に任せられた。そんな事もあり兄は両親に興味がないとの事だ。私と兄の仲は良好だし、何かあっても親に頼る前に兄に相談する。
兄も私も面倒くさいので、欲しがるものはルシアに渡してきた。
馬鹿なフェリクスもこの際くれてやろうと思う。兄に相談へと向かった
「お兄様、少しよろしいですか?」
ひょこっと扉から顔を出すと、本を読んでいた
「リージアかどうした?入っておいで」
読んでいた本をパタンと閉じて、メイドにお茶を頼んでくれた
兄が座っているソファの端に腰掛けた
「あのね、フェリクス殿下が、また恋をしちゃったんですって」
やれやれと言った感じで話し出すリージア
カインはお茶を飲もうとカップの持ち手に手をかけた時だった
ペキンと言う音がした…何の音かとカインを見ると
カップの持ち手が取れているではないか!
「今なんて言った?」
ムキムキではないが細マッチョと言う体つきの兄。剣術は師範にお墨付きを貰っている
「ですからフェリクス殿下が運命の…違う、えっと何だっけ…そう!真実の愛を見つけたそうです」
カインの目が冷たいものに変わる
「またか…相手は誰だ?一体リージアのどこに不満があるって言うんだ、あいつの頭の中は恋愛で脳内が埋め尽くされているのか?ミソの代わりに綿飴でも入っているんだな、それしか考えられん。それでまたリージアの元に帰ってくるのだろう、もう許せんな」
つらつらと持論を語り出すカイン
怒りで手がわなわなと震えている
私には優しい兄だが騎士団長補佐と言う、最年少で付いたポストは伊達ではなく、一睨みされると竦んでしまうような怖さはある
普段とのギャップが堪らないと令嬢に人気だそうだ
私と兄は、母に似てピンクゴールドの髪の毛に紫色の瞳を持っている。
その瞳は歩く芸術品とまで称される程、貴族の間では知らないものはいない
それもあり私は第二王子と婚約をする事になったのだが、惚れやすいくせに身近な私の事は恋をすると言う対象ではないと言った!
惚れやすく冷めやすい、私が嫌いなタイプだ!
そして私は覚えている!あれは三回目のお茶会の時だった…
「美しいとは思うけど、ただそれだけ、君に恋心は一切ない」
血のつながりはない。ルシアの両親は父の親戚の子で母も昔からの知り合いだという。
ルシアの家族は雷の酷い日に落雷によって命を落とした。
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そんなルシアを不憫に思い父が引き取ったとの事だ。
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兄も私も面倒くさいので、欲しがるものはルシアに渡してきた。
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「お兄様、少しよろしいですか?」
ひょこっと扉から顔を出すと、本を読んでいた
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やれやれと言った感じで話し出すリージア
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ムキムキではないが細マッチョと言う体つきの兄。剣術は師範にお墨付きを貰っている
「ですからフェリクス殿下が運命の…違う、えっと何だっけ…そう!真実の愛を見つけたそうです」
カインの目が冷たいものに変わる
「またか…相手は誰だ?一体リージアのどこに不満があるって言うんだ、あいつの頭の中は恋愛で脳内が埋め尽くされているのか?ミソの代わりに綿飴でも入っているんだな、それしか考えられん。それでまたリージアの元に帰ってくるのだろう、もう許せんな」
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その瞳は歩く芸術品とまで称される程、貴族の間では知らないものはいない
それもあり私は第二王子と婚約をする事になったのだが、惚れやすいくせに身近な私の事は恋をすると言う対象ではないと言った!
惚れやすく冷めやすい、私が嫌いなタイプだ!
そして私は覚えている!あれは三回目のお茶会の時だった…
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