2 / 55
あの子の好み
しおりを挟む
ルシアとは義理の姉妹だ。
血のつながりはない。ルシアの両親は父の親戚の子で母も昔からの知り合いだという。
ルシアの家族は雷の酷い日に落雷によって命を落とした。
ルシアはその時高熱を出していて、両親が医者を呼びに行った際の不幸な事故だったと言う。
そんなルシアを不憫に思い父が引き取ったとの事だ。
ルシアは子犬のような可愛さで両親の懐に入って行った。
妹なんだから可愛がってあげなさい!と両親に言われ、大体のことは目を瞑り腹が立つことも多々あったが、まぁ可愛い義妹だ
私には二つ上に兄がいる。名前はカインと言う。兄はルシアを表面上可愛がる。
両親はルシアを可愛がり、兄と私は家庭教師に任せられた。そんな事もあり兄は両親に興味がないとの事だ。私と兄の仲は良好だし、何かあっても親に頼る前に兄に相談する。
兄も私も面倒くさいので、欲しがるものはルシアに渡してきた。
馬鹿なフェリクスもこの際くれてやろうと思う。兄に相談へと向かった
「お兄様、少しよろしいですか?」
ひょこっと扉から顔を出すと、本を読んでいた
「リージアかどうした?入っておいで」
読んでいた本をパタンと閉じて、メイドにお茶を頼んでくれた
兄が座っているソファの端に腰掛けた
「あのね、フェリクス殿下が、また恋をしちゃったんですって」
やれやれと言った感じで話し出すリージア
カインはお茶を飲もうとカップの持ち手に手をかけた時だった
ペキンと言う音がした…何の音かとカインを見ると
カップの持ち手が取れているではないか!
「今なんて言った?」
ムキムキではないが細マッチョと言う体つきの兄。剣術は師範にお墨付きを貰っている
「ですからフェリクス殿下が運命の…違う、えっと何だっけ…そう!真実の愛を見つけたそうです」
カインの目が冷たいものに変わる
「またか…相手は誰だ?一体リージアのどこに不満があるって言うんだ、あいつの頭の中は恋愛で脳内が埋め尽くされているのか?ミソの代わりに綿飴でも入っているんだな、それしか考えられん。それでまたリージアの元に帰ってくるのだろう、もう許せんな」
つらつらと持論を語り出すカイン
怒りで手がわなわなと震えている
私には優しい兄だが騎士団長補佐と言う、最年少で付いたポストは伊達ではなく、一睨みされると竦んでしまうような怖さはある
普段とのギャップが堪らないと令嬢に人気だそうだ
私と兄は、母に似てピンクゴールドの髪の毛に紫色の瞳を持っている。
その瞳は歩く芸術品とまで称される程、貴族の間では知らないものはいない
それもあり私は第二王子と婚約をする事になったのだが、惚れやすいくせに身近な私の事は恋をすると言う対象ではないと言った!
惚れやすく冷めやすい、私が嫌いなタイプだ!
そして私は覚えている!あれは三回目のお茶会の時だった…
「美しいとは思うけど、ただそれだけ、君に恋心は一切ない」
血のつながりはない。ルシアの両親は父の親戚の子で母も昔からの知り合いだという。
ルシアの家族は雷の酷い日に落雷によって命を落とした。
ルシアはその時高熱を出していて、両親が医者を呼びに行った際の不幸な事故だったと言う。
そんなルシアを不憫に思い父が引き取ったとの事だ。
ルシアは子犬のような可愛さで両親の懐に入って行った。
妹なんだから可愛がってあげなさい!と両親に言われ、大体のことは目を瞑り腹が立つことも多々あったが、まぁ可愛い義妹だ
私には二つ上に兄がいる。名前はカインと言う。兄はルシアを表面上可愛がる。
両親はルシアを可愛がり、兄と私は家庭教師に任せられた。そんな事もあり兄は両親に興味がないとの事だ。私と兄の仲は良好だし、何かあっても親に頼る前に兄に相談する。
兄も私も面倒くさいので、欲しがるものはルシアに渡してきた。
馬鹿なフェリクスもこの際くれてやろうと思う。兄に相談へと向かった
「お兄様、少しよろしいですか?」
ひょこっと扉から顔を出すと、本を読んでいた
「リージアかどうした?入っておいで」
読んでいた本をパタンと閉じて、メイドにお茶を頼んでくれた
兄が座っているソファの端に腰掛けた
「あのね、フェリクス殿下が、また恋をしちゃったんですって」
やれやれと言った感じで話し出すリージア
カインはお茶を飲もうとカップの持ち手に手をかけた時だった
ペキンと言う音がした…何の音かとカインを見ると
カップの持ち手が取れているではないか!
「今なんて言った?」
ムキムキではないが細マッチョと言う体つきの兄。剣術は師範にお墨付きを貰っている
「ですからフェリクス殿下が運命の…違う、えっと何だっけ…そう!真実の愛を見つけたそうです」
カインの目が冷たいものに変わる
「またか…相手は誰だ?一体リージアのどこに不満があるって言うんだ、あいつの頭の中は恋愛で脳内が埋め尽くされているのか?ミソの代わりに綿飴でも入っているんだな、それしか考えられん。それでまたリージアの元に帰ってくるのだろう、もう許せんな」
つらつらと持論を語り出すカイン
怒りで手がわなわなと震えている
私には優しい兄だが騎士団長補佐と言う、最年少で付いたポストは伊達ではなく、一睨みされると竦んでしまうような怖さはある
普段とのギャップが堪らないと令嬢に人気だそうだ
私と兄は、母に似てピンクゴールドの髪の毛に紫色の瞳を持っている。
その瞳は歩く芸術品とまで称される程、貴族の間では知らないものはいない
それもあり私は第二王子と婚約をする事になったのだが、惚れやすいくせに身近な私の事は恋をすると言う対象ではないと言った!
惚れやすく冷めやすい、私が嫌いなタイプだ!
そして私は覚えている!あれは三回目のお茶会の時だった…
「美しいとは思うけど、ただそれだけ、君に恋心は一切ない」
15
お気に入りに追加
2,259
あなたにおすすめの小説

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢のアリスティアは婚約者に真実の愛を見つけたと告白され婚約を解消を求められる。
恋する相手は平民であり、正反対の可憐な美少女だった。
アリスティアには拒否権など無く、了承するのだが。
側近を婚約者に命じ、あげくの果てにはその少女を侯爵家の養女にするとまで言われてしまい、大切な家族まで侮辱され耐え切れずに修道院に入る事を決意したのだが…。
「ならば俺と永遠の愛を誓ってくれ」
意外な人物に結婚を申し込まれてしまう。
一方真実の愛を見つけた婚約者のティエゴだったが、思い込みの激しさからとんでもない誤解をしてしまうのだった。

婚約者様は大変お素敵でございます
ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。
あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。
それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた──
設定はゆるゆるご都合主義です。

貴方を愛する事はありません、絶対に
ひよこ1号
恋愛
男爵令嬢のクララは、伯爵令息との婚約を邪魔されて、ある醜聞塗れの侯爵の愛人にされてしまう。耐え忍ぶ日々に、救いの天使が現れた。※視点はクララ、ダニエル、シェリーで切り替わりますので、苦手な方はご注意を。※短編「愛する事はないと言ってくれ」https://www.alphapolis.co.jp/novel/556320410/970881015/episode/8394041の続編ですが、単体でもお読み頂けると思います。※相変わらずダニエルは屑ですのでご注意下さい

離れ離れの婚約者は、もう彼の元には戻らない
月山 歩
恋愛
婚約中のセシーリアは隣国より侵略され、婚約者と共に逃げるが、婚約者を逃すため、深い森の中で、離れ離れになる。一人になってしまったセシーリアは命の危機に直面して、自分の力で生きたいと強く思う。それを助けるのは、彼女を諦めきれない幼馴染の若き王で。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。
ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。
しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。
もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが…
そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。
“側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ”
死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。
向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。
深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは…
※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。
他サイトでも同時投稿しています。
どうぞよろしくお願いしますm(__)m

婚約者をないがしろにする人はいりません
にいるず
恋愛
公爵令嬢ナリス・レリフォルは、侯爵子息であるカリロン・サクストンと婚約している。カリロンは社交界でも有名な美男子だ。それに引き換えナリスは平凡でとりえは高い身分だけ。カリロンは、社交界で浮名を流しまくっていたものの今では、唯一の女性を見つけたらしい。子爵令嬢のライザ・フュームだ。
ナリスは今日の王家主催のパーティーで決意した。婚約破棄することを。侯爵家でもないがしろにされ婚約者からも冷たい仕打ちしか受けない。もう我慢できない。今でもカリロンとライザは誰はばかることなくいっしょにいる。そのせいで自分は周りに格好の話題を提供して、今日の陰の主役になってしまったというのに。
そう思っていると、昔からの幼馴染であるこの国の次期国王となるジョイナス王子が、ナリスのもとにやってきた。どうやらダンスを一緒に踊ってくれるようだ。この好奇の視線から助けてくれるらしい。彼には隣国に婚約者がいる。昔は彼と婚約するものだと思っていたのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる