真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの

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好きな人ができたんだ

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「リージアすまない、好きな人ができたんだ」
私の婚約者のフェリクス第二王子が告げてきた


私の名前はロブレス伯爵家の長女でリージアと申します
婚約者のフェリクス殿下とは十年ほどの付き合いで、この男は惚れっぽいのだ…

「またですか…今度こそうまく行くと良いですね」
呆れたように返事をする
「今度こそ、真実の愛かもしれん」
自信たっぷりとリージアを見てくる
呆れ果てる事数年…慣れとは怖い

「はぁ、今度こそ婚約を解消してください。婚約者がいるのに愛を告げるのは相手様に失礼でしょう?」
相手より私に失礼なのだが…まぁそこは置いておこう
「そう言うものなのか?」
驚く仕草を見せるフェリクス

「そりゃぁそうでしょう?もし私がそちらの立場でしたら浮気相手かな?と思いますよ」
はぁっと大きなため息を吐く
ため息くらい許してもらいたい、フェリクスも慣れているだろう

「そうか…それなら彼女とうまく行くようにリージアも手伝ってくれ、そしたら破棄でも解消でも、」
「解消です!お間違えのないように、解消ですよ!大事なので二回言いますからねっ」

「分かった。ところで彼女をまず茶会に誘いたい、どうすれば喜んでもらえるか、考えてくれ」
本当に分かっているのか、こいつフェリクスは…
心でモヤモヤとした黒い気持ちが湧き上がってくる、めんどくさ

「ところで彼女とはどちらの令嬢ですか?」
そういえば名前を聞いていない
誰だかわからない以上アドバイスのしようがないではないか!

「あれ?言ってなかったっけ?ルシアだよ、よく知ってるだろ?」
「はぁっ?」

それ、私の義妹じゃないか!馬鹿なのか?こいつフェリクスいや馬鹿だ!
「どうした?何かあったか?ルシアから最近悩み事があると相談を受けていたんだが、悩み事を解決してあげたら大変喜んでくれてな、感謝すると言って潤んだ瞳が可愛かったんだよ、分かるか?」

「…ルシアでしたか…それはそれは、なんと言っていいやら」
まぁ良いや。ルシアにこいつフェリクスをくれてやろう、もうどうでも良くなってきた。私の望みはただ一つ、こいつらがくっつく事だ。いや!くっつけてやろう

「姉妹だからルシアの事をよく分かっているだろう?頼むよ」
顔の前でパンっと手を合わせるフェリクス

「えぇ、お任せくださいな」
ルシア好みのお茶会をプロデュースする事にした


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