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リリアナ
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リリアナは侯爵邸にて軟禁状態にいる。
フェリシアは無事だったが、打ちどころが悪かったら殺人犯になるところだった。
フェリシアは王子の婚約者で、軟禁状態と言う生ぬるい状態では済まされないはずだが、クリスタル伯爵家からは、娘は無事だったのだから大事にして欲しくない。と言う恩赦の言葉があった。
侯爵家は伯爵家に莫大な慰謝料を払う事にしたが受け取りを拒否されたのだった。
伯爵家が侯爵家の意向を退けるなどあってはならない事だが、伯爵家の意思は強く受け取ることはなかった…。
リリアナは自室で椅子に座り動けないでいた
あの時フェリシアが階段から落ちる様子がいつまでもいつまでもスローモーションで頭から離れない…目を瞑ると倒れているフェリシアのアッシュブロンドの長い髪を思い出す
「いやぁぁぁぁ…」
声にならない悲鳴をあげるリリアナ
食事も喉に通らなく、やつれていく一方だった。
謝っても許される事ではない。
こんな事をしでかした自分が嫌いだ。
エミリオと結婚する事ももう無理だ…家に迷惑も掛かるので、家を出て修道院へ行きこの身を捧げたいと思っていた
エミリオの事が好きだった。
小さな頃に王宮でエミリオを見た時から憧れて片想いだった。エミリオは歳を重ねるごとに自堕落な雰囲気を醸しているが、本当は優しくて、とてもかしこい人である事をリリアナは知っていた。
ある日父親と王宮に登城して迷子になった時にエミリオに会った。
「おいで、連れて行ってあげるよ」
そう言って手を繋いで父親の元へ連れて行ってくれた。
途中に寄った中庭で泣いているリリアナに「はい」と言って花を一輪くれた
とても嬉しくて押し花にしてずっと宝物にしている。色褪せたその花はアネモネで花言葉は【恋の苦しみ】
子供だったエミリオが目に入った花をくれただけだったが、花言葉を知って余計に苦しくなった事を思い出す。
ある日エミリオは焼却炉にノートを捨てていた。焼ける前に見えたページは隣国の言葉で書いてある問題集、それに全て答えていた。
外交の仕事をしたいと言っていたと父に聞いた。留学もしたかったのに時期が悪くて行けなかったそうだ。
やる気がなさそうに見えるエミリオだが、孤児院や教会に毎月寄付をしているのも知っていた。
エミリオが絶対に人に見せない姿を知っている自分は特別だと思い込んでいた。
私のものでもなんでもないのに、エミリオの近くに寄って来る令嬢より自分は特別なんだと勘違いしていた。
…この気持ちを諦めなければ…
エミリオがフェリシアに惚れていたことは知っていたのに…
あの時に父にエミリオと婚約したいと望まなければこんな事にはならなかったのだろうか、エミリオの恋の邪魔をしたから自業自得なんだろう
色んな事を考えた挙句、儚くなってしまいたいと思うのは逃げなのだろう…きっとだれも悲しまない
厄介者が居なくなってせいせいするのかもしれない…
涙が頬を伝う
悔やんでも悔やみきれない…
フェリシアは無事だったが、打ちどころが悪かったら殺人犯になるところだった。
フェリシアは王子の婚約者で、軟禁状態と言う生ぬるい状態では済まされないはずだが、クリスタル伯爵家からは、娘は無事だったのだから大事にして欲しくない。と言う恩赦の言葉があった。
侯爵家は伯爵家に莫大な慰謝料を払う事にしたが受け取りを拒否されたのだった。
伯爵家が侯爵家の意向を退けるなどあってはならない事だが、伯爵家の意思は強く受け取ることはなかった…。
リリアナは自室で椅子に座り動けないでいた
あの時フェリシアが階段から落ちる様子がいつまでもいつまでもスローモーションで頭から離れない…目を瞑ると倒れているフェリシアのアッシュブロンドの長い髪を思い出す
「いやぁぁぁぁ…」
声にならない悲鳴をあげるリリアナ
食事も喉に通らなく、やつれていく一方だった。
謝っても許される事ではない。
こんな事をしでかした自分が嫌いだ。
エミリオと結婚する事ももう無理だ…家に迷惑も掛かるので、家を出て修道院へ行きこの身を捧げたいと思っていた
エミリオの事が好きだった。
小さな頃に王宮でエミリオを見た時から憧れて片想いだった。エミリオは歳を重ねるごとに自堕落な雰囲気を醸しているが、本当は優しくて、とてもかしこい人である事をリリアナは知っていた。
ある日父親と王宮に登城して迷子になった時にエミリオに会った。
「おいで、連れて行ってあげるよ」
そう言って手を繋いで父親の元へ連れて行ってくれた。
途中に寄った中庭で泣いているリリアナに「はい」と言って花を一輪くれた
とても嬉しくて押し花にしてずっと宝物にしている。色褪せたその花はアネモネで花言葉は【恋の苦しみ】
子供だったエミリオが目に入った花をくれただけだったが、花言葉を知って余計に苦しくなった事を思い出す。
ある日エミリオは焼却炉にノートを捨てていた。焼ける前に見えたページは隣国の言葉で書いてある問題集、それに全て答えていた。
外交の仕事をしたいと言っていたと父に聞いた。留学もしたかったのに時期が悪くて行けなかったそうだ。
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エミリオが絶対に人に見せない姿を知っている自分は特別だと思い込んでいた。
私のものでもなんでもないのに、エミリオの近くに寄って来る令嬢より自分は特別なんだと勘違いしていた。
…この気持ちを諦めなければ…
エミリオがフェリシアに惚れていたことは知っていたのに…
あの時に父にエミリオと婚約したいと望まなければこんな事にはならなかったのだろうか、エミリオの恋の邪魔をしたから自業自得なんだろう
色んな事を考えた挙句、儚くなってしまいたいと思うのは逃げなのだろう…きっとだれも悲しまない
厄介者が居なくなってせいせいするのかもしれない…
涙が頬を伝う
悔やんでも悔やみきれない…
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