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夜会当日
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「とても似合っているよ、フェリシア、目が眩みそうだ」
そっと手を取りキスを落としてくるエクトル
「素敵なドレスをプレゼントしていただいてありがとうございます、宝石類もこんなに…」
ドレスが届いた際に髪飾りや首飾りブレスレット、イヤリングに指輪までフル装備で揃え贈られた
「初めて一緒に参加する夜会だから、全部揃えたくなった、フェリシアのお披露目でもあるし…」
もう後には引けない、王家主催の夜会でエクトルのパートナーとして参加するのだから
急に緊張して息が浅くなる
「どうした?」
「急に緊張して怖くなって…」
深呼吸をして息を整える
夜会に不慣れであることもそうだが、家族から離れていることにも不安を感じる
姉や兄の存在というのはこんなに心の支えになっていたのか…今更になって感じる
今まではぬくぬくと甘えていた
「私と一緒に居ても怖い?」
手を繋ぎ優しく微笑んでくれる
姉に向けられるはずだった優しさを受けるのが辛く感じる時がある、自分を通して姉を感じているのでは無いだろうか…と
「いいえ、心強いです」
ゆっくりと微笑むがなんとなく泣きそうになった
エクトルがそっと右の頬に手を触れて来た
温かくて大きな手にドキッとする、心臓の動きが激しく倒れそうだ、恥ずかしくて下を向く
「何かアリシアの事以外で心配事ある?」
フェリシアの目線に合わせて屈んで目を見てくる
「言ってくれなきゃ分からない」
「ここに私が立っているのが申し訳なくて、皆さんを騙しているみたいで、怖くなりました。でもお姉様の為にもエクトル様の為にもちゃんと婚約者として努めます」
背筋を伸ばしエクトルを見る
「もうアリシアの事は言わないでくれ、私の婚約者はフェリシアだ、それ以上言うと怒る」
パッと顔をそらされたその後
「ごめん、言ってくれと言ったのは私なのに…私はフェリシアの事が、」
話の途中だが会場入りする事になる
「後でちゃんと話す、言葉が足りなかった、誤解がある様だ、行こう」
国内貴族たちにエクトルの婚約者はフェリシアであると披露される。本日の主役だ
二人でダンスを二曲披露し、貴族たちと談笑する事数時間…流石に疲れて来た
「ちょっと離れようか?」
休憩する為に用意された別室があるので、移動する事になった
「エクトル殿下、失礼致します。王妃様がお呼びです、確認だけとのことですぐ終わるとの事です」
王妃の侍従に呼び止められた
「フェリシア様と休憩にいかれた話を致しましたら、すぐに済むのでフェリシア様には休んでくださる様にとのお言葉がありました」
エクトルと目が合う
「そうか、分かった。すぐ戻ってくるよ、私が戻ってくるまでフェリシアの侍女も部屋で待機させて」
「はい、お待ちしています」
エクトルは急ぎ会場に戻って行った
休憩室の長椅子に腰を掛け
「疲れた」
フェリシアの侍女しかいないのでヒールを脱いだ
「フェリシアお嬢様ぁ、こんな姿人にお見せできませんよぉ…」
扉をチラチラと気にする侍女
「だって疲れちゃったんだもん、足がパンパンになってるわ」
背の高いエクトルに合わせてヒールの靴が高い
「足を捻るかと思った」
何度かヒールの踵がぐらついて転びそうになったところをエクトルが支えてくれた
「全体重がこの踵に集中しているのよ、凄いわよね」
侍女と楽しげに笑っているとノックの音が聞こえた
侍女が名前を聞くと小さな声で聞き取りづらいと言う
「エクトル様かどうか尋ねてみたらどうなの?」
すると、エまでは聞き取れるし声も似ていると返答が返って来た
「開けて確認してみて?」
かちゃりと扉を開けるとエミリオだった
そっと手を取りキスを落としてくるエクトル
「素敵なドレスをプレゼントしていただいてありがとうございます、宝石類もこんなに…」
ドレスが届いた際に髪飾りや首飾りブレスレット、イヤリングに指輪までフル装備で揃え贈られた
「初めて一緒に参加する夜会だから、全部揃えたくなった、フェリシアのお披露目でもあるし…」
もう後には引けない、王家主催の夜会でエクトルのパートナーとして参加するのだから
急に緊張して息が浅くなる
「どうした?」
「急に緊張して怖くなって…」
深呼吸をして息を整える
夜会に不慣れであることもそうだが、家族から離れていることにも不安を感じる
姉や兄の存在というのはこんなに心の支えになっていたのか…今更になって感じる
今まではぬくぬくと甘えていた
「私と一緒に居ても怖い?」
手を繋ぎ優しく微笑んでくれる
姉に向けられるはずだった優しさを受けるのが辛く感じる時がある、自分を通して姉を感じているのでは無いだろうか…と
「いいえ、心強いです」
ゆっくりと微笑むがなんとなく泣きそうになった
エクトルがそっと右の頬に手を触れて来た
温かくて大きな手にドキッとする、心臓の動きが激しく倒れそうだ、恥ずかしくて下を向く
「何かアリシアの事以外で心配事ある?」
フェリシアの目線に合わせて屈んで目を見てくる
「言ってくれなきゃ分からない」
「ここに私が立っているのが申し訳なくて、皆さんを騙しているみたいで、怖くなりました。でもお姉様の為にもエクトル様の為にもちゃんと婚約者として努めます」
背筋を伸ばしエクトルを見る
「もうアリシアの事は言わないでくれ、私の婚約者はフェリシアだ、それ以上言うと怒る」
パッと顔をそらされたその後
「ごめん、言ってくれと言ったのは私なのに…私はフェリシアの事が、」
話の途中だが会場入りする事になる
「後でちゃんと話す、言葉が足りなかった、誤解がある様だ、行こう」
国内貴族たちにエクトルの婚約者はフェリシアであると披露される。本日の主役だ
二人でダンスを二曲披露し、貴族たちと談笑する事数時間…流石に疲れて来た
「ちょっと離れようか?」
休憩する為に用意された別室があるので、移動する事になった
「エクトル殿下、失礼致します。王妃様がお呼びです、確認だけとのことですぐ終わるとの事です」
王妃の侍従に呼び止められた
「フェリシア様と休憩にいかれた話を致しましたら、すぐに済むのでフェリシア様には休んでくださる様にとのお言葉がありました」
エクトルと目が合う
「そうか、分かった。すぐ戻ってくるよ、私が戻ってくるまでフェリシアの侍女も部屋で待機させて」
「はい、お待ちしています」
エクトルは急ぎ会場に戻って行った
休憩室の長椅子に腰を掛け
「疲れた」
フェリシアの侍女しかいないのでヒールを脱いだ
「フェリシアお嬢様ぁ、こんな姿人にお見せできませんよぉ…」
扉をチラチラと気にする侍女
「だって疲れちゃったんだもん、足がパンパンになってるわ」
背の高いエクトルに合わせてヒールの靴が高い
「足を捻るかと思った」
何度かヒールの踵がぐらついて転びそうになったところをエクトルが支えてくれた
「全体重がこの踵に集中しているのよ、凄いわよね」
侍女と楽しげに笑っているとノックの音が聞こえた
侍女が名前を聞くと小さな声で聞き取りづらいと言う
「エクトル様かどうか尋ねてみたらどうなの?」
すると、エまでは聞き取れるし声も似ていると返答が返って来た
「開けて確認してみて?」
かちゃりと扉を開けるとエミリオだった
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