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婚約者となったフェリシア

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「王家主催の夜会がある、パートナーとして出席して欲しい」
エクトルに言われた
「はい、わかりました」
微笑みながら返事をする
「良かった、それでドレスをプレゼントしたいからデザイナーを呼んであるんだ」
メイドに声をかけるとデザイナーが入ってきた
「準備万端ですね」
驚いて目をぱちぱちとさせる
「早くしないと間に合わないと思って焦ったんだよ」

採寸を済ませデザイナーにどのようなドレスが良いか、色は何色かなどをエクトルと二人で聞かれる
「色は…フェリシアには青を着てもらいたい」
照れるようにデザイナーに言うと
「殿下の瞳の色ですものね、フェリシア様宜しいですか?」
にこやかに聞かれ
「はい」
恥ずかしくて顔が赤く染まる
「まぁ、初々しくて可愛らしいですね!他にご希望はありませんか?」
「フェリシア何かない?初めてドレスをプレゼントするんだから遠慮はなしだよ」

いつもドレスは母や姉が張り切って用意しくれたのでどのようにオーダーすれば良いのかはわからないが…できれば一つだけ

「あの夜にしか咲かない水色の花をイメージした色も取り入れて欲しいです」
「はい、素敵ですね!王宮にしか咲かないあのお花ですね」
「良いね、フェリシアのように可憐な花だ」
「いいえ、エクトル殿下のように優しくって美しい幻想的なお花でした。あのお花を見た時エクトル殿下を思い出しました」

ハッと口に手を遣る…なんと言う事を言ってしまったのだろう。あの時は姉の婚約者だったのに

「また近いうちに二人で見にいこう」
手を繋がれた
「はい、行きたいです」
前回はエミリオと行ったが、次はエクトルと行ける事が嬉しかった

「本当に二人はお互いを思いやられて素敵なカップルですね、これは腕によりをかけて素敵なドレスに仕立て上げます!」
デザイナーがやる気を出したように帰って行った


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ファビオおまえ私に嘘をついていたのか?」
エミリオの執務室で二人きりだ、気まずいがこの状況はわかっていた事だ
「何のことでしょうか?」
惚けるふりをするファビオ

「フェリシアが何故弟の婚約者になっている?あいつの相手はアリシア嬢だったよな?」
静かな口調だが、その分威圧感を感じる
「いえ、妹がエクトル殿下の相手で
「嘘をつくなっ!」
バンっと執務室の机を叩く、書類が舞っている…片付けが面倒だ
「フェリシアを王族に嫁がせるつもりはないと伯爵が言ったよな?」
「えぇ…まだデビュタントを終えたばかりでしたし、殿下は侯爵令嬢と婚約が決まりそうでしたし、うちは侯爵家との争いを望みません」
「エクトルの相手はアリシア嬢だった!」
「正式な発表ではありませんでした」
「茶会で交流をしていたよな?」

「フェリシアも同行しておりました、ご存知ありませんでしたか?姉はフェリシアを可愛がっておりまして、自分の目で確かめてからフェリシアを嫁がせたいと言っておりました…王家から頂いた縁談ですし、エクトル殿下とフェリシアは年齢もちょうど良いですから」





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