21 / 22
Another STORY
ラルフ
しおりを挟む
国を出てから四年が経った。
次の国へ行く前に一度父上に報告に帰るか…
あまり人目に付きたくないので、帰ると言う事は一部の者しか知らない。
父上と母上、それに兄上にこれまでの経緯を話し疲れた身体を休ませる為に自室へと向かうと、どこからか楽しそうな声が聞こえる
サロモンか…
たった四年のうちに大きくなった…
隣にいるのは……
間違いないあの髪笑い顔はセレスティーヌ
声をかけたい気持ちを抑えて、自室に戻り、また旅の支度をする。
三カ国目か…
来年エドワールが王太子になる。がその後すぐに帰ってくるわけにはいかないな…
私と甥であるエドワールの歳が近いせいで次の王太子への意見が割れている。
エドワール派はもちろんラルフ派も大勢いる
私自身は王太子の座を狙ってなどいない。
あくまでも、私の我儘で遊学と言う形で収まった。
兄や義姉には申し訳ないと何度も言われた。
これで良いんだ…
もちろん他国へは来賓として生活させてもらってはいるが、いつ帰って来られるか、生きて帰って来られる保証もない。
セレスティーヌが、帰ったら会いに来てと言ってくれた。
会いに行っても良いのか…もし自分の身に何かあったとしても、セレスティーヌに会いに帰ると言う約束だけは果たしたい
その後サロモンとセレスティーヌが婚約をしたと聞いた
もちろんショックは受けたが、仕方がない事であった。
たまにホームシックになる事もあったり、辛い思いをするたびにセレスティーヌの事を思い出す
セレスティーヌ、君は私との約束なんか忘れているんだろうね…
成長した君を遠くからでも見たい
エドワールが二十歳を過ぎた頃、帰る時期か…と思い国へ帰る事にした
サロモンとセレスティーヌは卒業後しばらくしてから式を挙げると聞いた。
この気持ちは抑えなきゃな…
私が帰った事を祝う夜会が行われる。
沢山の者が集まってくれた、兄上からの紹介があった後、会場で見知った顔があるのに気づき声をかける
「クリス!」
幼馴染のクリストファーの隣に、ピンクブロンドの髪の美しい女性がいた。
セレスティーヌだ!
なんて美しくなったんだ……
セレスティーヌを見た瞬間に時が止まるような気持ちになった
その時、またセレスティーヌに恋をした。
しかしセレスティーヌにはサロモンがいる
悔しいがこれまでか……
エスコート役はどうしたのかと聞いてみると、クリストファーだと言う、サロモンはどうしたのかと聞いてみると、婚約が解消されたと聞かされた。
それならダンスをと誘ってみると、誘いに乗ってくれた。セレスティーヌの手を取ると、嬉しくて心臓の音がうるさかったが、悟られるわけにはいかない…
セレスティーヌとダンスをするのは初めてだったがとても楽しくあっという間に一曲を踊りきってしまった
このまま別れたくはない!
二人で話をしたくてテラスへと誘う。
セレスティーヌに会えて嬉しい反面で幼い時のことを覚えているか確認したくなった。
夜風に当たりすぎるのも悪いと思い、会場内に戻るとサロモンがセレスティーヌを探していた。
必死に話を聞いてくれと言うサロモンに押されてセレスティーヌは話をする事になった。
なんの話なんだ…
気になるが、まだだ…様子を見ないと…なんとか自分を落ち着かせる
「知り合いか?」
セレスティーヌの視線の先には、リボンの塊が鎮座していた
サロモンの相手だというセレスティーヌ
なんだ!あれがか?なぜだ?!と、かの令嬢を見て固まってしまった…
あれが原因でセレスティーヌが泥を被ったのか?!信じられなかった…
クリス監視の元、サロモンとセレスティーヌは話をするために別室へと向かった、一緒に行きたいが私は部外者だ、まだだ、まだ待て!と心の中で叱咤する
その後両陛下に挨拶へ向かうも顔色が悪く倒れそうなセレスティーヌを抱いて送っていく事にした。
夢にまで見たセレスティーヌが自分の腕の中にいる事の心地よさ…
もし君が私に落ちてくれれば絶対に離さないのに…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
長くなりそうなので、前、後に分けました
次の国へ行く前に一度父上に報告に帰るか…
あまり人目に付きたくないので、帰ると言う事は一部の者しか知らない。
父上と母上、それに兄上にこれまでの経緯を話し疲れた身体を休ませる為に自室へと向かうと、どこからか楽しそうな声が聞こえる
サロモンか…
たった四年のうちに大きくなった…
隣にいるのは……
間違いないあの髪笑い顔はセレスティーヌ
声をかけたい気持ちを抑えて、自室に戻り、また旅の支度をする。
三カ国目か…
来年エドワールが王太子になる。がその後すぐに帰ってくるわけにはいかないな…
私と甥であるエドワールの歳が近いせいで次の王太子への意見が割れている。
エドワール派はもちろんラルフ派も大勢いる
私自身は王太子の座を狙ってなどいない。
あくまでも、私の我儘で遊学と言う形で収まった。
兄や義姉には申し訳ないと何度も言われた。
これで良いんだ…
もちろん他国へは来賓として生活させてもらってはいるが、いつ帰って来られるか、生きて帰って来られる保証もない。
セレスティーヌが、帰ったら会いに来てと言ってくれた。
会いに行っても良いのか…もし自分の身に何かあったとしても、セレスティーヌに会いに帰ると言う約束だけは果たしたい
その後サロモンとセレスティーヌが婚約をしたと聞いた
もちろんショックは受けたが、仕方がない事であった。
たまにホームシックになる事もあったり、辛い思いをするたびにセレスティーヌの事を思い出す
セレスティーヌ、君は私との約束なんか忘れているんだろうね…
成長した君を遠くからでも見たい
エドワールが二十歳を過ぎた頃、帰る時期か…と思い国へ帰る事にした
サロモンとセレスティーヌは卒業後しばらくしてから式を挙げると聞いた。
この気持ちは抑えなきゃな…
私が帰った事を祝う夜会が行われる。
沢山の者が集まってくれた、兄上からの紹介があった後、会場で見知った顔があるのに気づき声をかける
「クリス!」
幼馴染のクリストファーの隣に、ピンクブロンドの髪の美しい女性がいた。
セレスティーヌだ!
なんて美しくなったんだ……
セレスティーヌを見た瞬間に時が止まるような気持ちになった
その時、またセレスティーヌに恋をした。
しかしセレスティーヌにはサロモンがいる
悔しいがこれまでか……
エスコート役はどうしたのかと聞いてみると、クリストファーだと言う、サロモンはどうしたのかと聞いてみると、婚約が解消されたと聞かされた。
それならダンスをと誘ってみると、誘いに乗ってくれた。セレスティーヌの手を取ると、嬉しくて心臓の音がうるさかったが、悟られるわけにはいかない…
セレスティーヌとダンスをするのは初めてだったがとても楽しくあっという間に一曲を踊りきってしまった
このまま別れたくはない!
二人で話をしたくてテラスへと誘う。
セレスティーヌに会えて嬉しい反面で幼い時のことを覚えているか確認したくなった。
夜風に当たりすぎるのも悪いと思い、会場内に戻るとサロモンがセレスティーヌを探していた。
必死に話を聞いてくれと言うサロモンに押されてセレスティーヌは話をする事になった。
なんの話なんだ…
気になるが、まだだ…様子を見ないと…なんとか自分を落ち着かせる
「知り合いか?」
セレスティーヌの視線の先には、リボンの塊が鎮座していた
サロモンの相手だというセレスティーヌ
なんだ!あれがか?なぜだ?!と、かの令嬢を見て固まってしまった…
あれが原因でセレスティーヌが泥を被ったのか?!信じられなかった…
クリス監視の元、サロモンとセレスティーヌは話をするために別室へと向かった、一緒に行きたいが私は部外者だ、まだだ、まだ待て!と心の中で叱咤する
その後両陛下に挨拶へ向かうも顔色が悪く倒れそうなセレスティーヌを抱いて送っていく事にした。
夢にまで見たセレスティーヌが自分の腕の中にいる事の心地よさ…
もし君が私に落ちてくれれば絶対に離さないのに…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
長くなりそうなので、前、後に分けました
42
お気に入りに追加
4,865
あなたにおすすめの小説
【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。
なんで私だけ我慢しなくちゃならないわけ?
ワールド
恋愛
私、フォン・クラインハートは、由緒正しき家柄に生まれ、常に家族の期待に応えるべく振る舞ってまいりましたわ。恋愛、趣味、さらには私の将来に至るまで、すべては家名と伝統のため。しかし、これ以上、我慢するのは終わりにしようと決意いたしましたわ。
だってなんで私だけ我慢しなくちゃいけないと思ったんですもの。
これからは好き勝手やらせてもらいますわ。
むしゃくしゃしてやりましたの。後悔はしておりませんわ。
緑谷めい
恋愛
「むしゃくしゃしてやりましたの。後悔はしておりませんわ」
そう、むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。
私は、カトリーヌ・ナルセー。17歳。
ナルセー公爵家の長女であり、第2王子ハロルド殿下の婚約者である。父のナルセー公爵は、この国の宰相だ。
その父は、今、私の目の前で、顔面蒼白になっている。
「カトリーヌ、もう一度言ってくれ。私の聞き間違いかもしれぬから」
お父様、お気の毒ですけれど、お聞き間違いではございませんわ。では、もう一度言いますわよ。
「今日、王宮で、ハロルド様に往復ビンタを浴びせ、更に足で蹴りつけましたの」
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
幼馴染の親友のために婚約破棄になりました。裏切り者同士お幸せに
hikari
恋愛
侯爵令嬢アントニーナは王太子ジョルジョ7世に婚約破棄される。王太子の新しい婚約相手はなんと幼馴染の親友だった公爵令嬢のマルタだった。
二人は幼い時から王立学校で仲良しだった。アントニーナがいじめられていた時は身を張って守ってくれた。しかし、そんな友情にある日亀裂が入る。
【完結】都合のいい女ではありませんので
風見ゆうみ
恋愛
アルミラ・レイドック侯爵令嬢には伯爵家の次男のオズック・エルモードという婚約者がいた。
わたしと彼は、現在、遠距離恋愛中だった。
サプライズでオズック様に会いに出かけたわたしは彼がわたしの親友と寄り添っているところを見てしまう。
「アルミラはオレにとっては都合のいい女でしかない」
レイドック侯爵家にはわたししか子供がいない。
オズック様は侯爵という爵位が目的で婿養子になり、彼がレイドック侯爵になれば、わたしを捨てるつもりなのだという。
親友と恋人の会話を聞いたわたしは彼らに制裁を加えることにした。
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
婚約破棄ですか?勿論お受けします。
アズやっこ
恋愛
私は婚約者が嫌い。
そんな婚約者が女性と一緒に待ち合わせ場所に来た。
婚約破棄するとようやく言ってくれたわ!
慰謝料?そんなのいらないわよ。
それより早く婚約破棄しましょう。
❈ 作者独自の世界観です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる