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フランソワ

マルベリー王国

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「いらっしゃい、フランソワ君、遠い所よく来たね」
とてつもなく良い笑顔でレオナルドに出迎えられた

さぁっーと風が吹く、心地の良い季節だ
マルベリー王国は暖かい気候で、馬車の中から街の様子を見てきたが、わいわいと賑やかしく明るい雰囲気だった。
市場も活気があるようでみんな笑顔だった


「レオナルド殿下に出迎えまでしていただいて申し訳ありません…」
「面倒見るって言ったじゃん!当然だよ。父上がフランソワ君に会いたいって言っていたからまずは挨拶してしてくれる?」
「はい」
…こんなにすぐに国王陛下に謁見するとは思っていなかったフランソワだった


「よくきた!ほぉーリオネルに似ているな、どことなくセシリアの面影もある」

フランソワの顔を品定めするようだ。
レオナルドによく似ている…

「はじめまして、フランソワ・ブロッサムと申します。この度は留学の為マルベリー王国へやって参りました。お世話になります」

「レオナルドが言ったことだ、滞在を許す、留学期間は楽しむと良い」
「国王陛下は父はもちろん母とも面識があると言うことでしょうか?」
「リオネルは言ってなかったから?口が固い男だからな!わしはセシリアの事を好きでな、あいつに取られた、負けたんだよ…」
「…初めて聞きました、私が小さい頃に母が亡くなったので…」

「美しい人じゃった。傾国と言う名に恥じぬ美しさだ。マリーはセシリアによぉ似ておるが、マリーはまた違う魅力がある。うちの息子も手に入れれんかった、マリーを娘にしたかったよ、惜しい事をした…」
苦笑いする国王

「そう言うわけで、フランソワの家族とは懇意にしておる、留学期間中はマルベリー王国で楽しんで学んでくれ、何かあったらレオナルドに言うように」

「ありがとうございます。失礼ながら、姉から国王陛下とレオナルド殿下に手紙を預かって参りました」
胸元から手紙を出すフランソワ
「そうか、マリーからか!どれ」
手紙を手に取り読み始める国王とレオナルド


…どんだけ虜にしてんだ…
恐るべしローズマリア…
心の中で呟くフランソワ

「相変わらず字が美しいな。マリーとの手紙のやりとりは密かな楽しみなんじゃ!妻にバレて呆れられておる。結婚したと言うのは噂で聞いたが、本人から報告をされるとなんじゃ?娘を嫁に出した寂しさがあるな…」
ハッハッハと豪快に笑う国王陛下

「マリーちゃんに返事を書かなきゃ!あっ!中身気になるだろう?フランソワ君をよろしくって内容だよ、あと、この前のお礼だ」

「は、はぁ…そのよろしくお願いします」
「任せときなさい、フランソワ君がうちマルベリーにいる間は苦労させないよ、楽しく暮らせるって、ねぇ、父上」
「そうじゃ、疲れたのではないか?部屋に案内してやれ」
「はい、フランソワ君行くか!」
「はい、失礼致します」


「フランソワ君この部屋使って!」

…なんちゅう豪華な部屋だ…
そしてキラキラと眩しい、バルコニーから入る日差しもそうだが、家具も立派だ

「僕ごときに、このような豪華な部屋は無駄ではないですか…?」
「ブロッサム侯爵の息子でマリーちゃんの弟なんだから、当たり前だよ!父上が決めたんだから、諦めてくれ」
「陛下が…」
「そっ!だから言ったでしょ?歓迎するって」
「申し訳ないです」
「フランソワ君っていい子だね…アランと仲良いくらいだから、今は猫被ってると思うけど、その内、本性を出してくれたら嬉しいよ、疲れただろ?今日はゆっくりしてね」
レオナルドが部屋から出て行った


フランソワは思った
レオナルド殿下って超いい人じゃん!
アランと殿下よりもまともそうだし…

チャラチャラしてるかと思ったら、優しいしお話も面白いし、イケメンだし、国を大事になさっている、とてもいい方よ

その通りじゃないか!
はぁーっとため息を吐く
義弟になっていたかもしれないってあながち嘘ではないような気がするよ…
出会う順番って大事なんだな…



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