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第二章

入学式

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接近禁止と外出禁止から二週間たち、入学式当日となった。

長かった……。
婚約してからは王妃教育もあり、王宮へ行く事もふえた。王妃教育のない日は、学園が終わってからユーリアスと共に、邸に寄ることも多くほぼ毎日のように会っていた。
それが二週間も会えないと言うのは、二人にとって苦行であった。
それはアランにとっては、に限られた…。

かたやマリーはと言うと、会えない時間が愛を育てるって言うし、会いたいけど我慢しよう!(お父様が怖いというのもあるが、ムカついてもいるので寂しいと言う気持ちは出したくない!相手の思うツボだ!などと反骨精神で乗り越えた)

『入学式には迎えに行くよ』
と言うと言葉通りアランはマリーを迎えに来ていた。
「お待たせしました!」
「あぁ。マリーあいたかったよ」
「はい、私もお会いできて嬉しいです」
と二週間ぶりに会った二人。
ハグをしたいが、周りの目が気になる…特にリオネルの目が気になる……
「マリーその、制服は間に合わなかったんだね」
「はい、ボタンの補強はしてありますので、はち切れることはないと思います」
「そうか、その、髪型なんだけど」
「えっ?変でしたか?」
「いや、すごく似合っていて可愛いんだよ」

…今日は入学式、髪の毛の長いマリーは、ハーフアップで、編み込みをされている。下ろしている部分は胸もとに垂れ下がっているので、なぜか胸に目が行くのだ。

「どうされました?」
「いや、良い。では行こうか?」
「アラン王子、娘の事をよろしくお願いしますね」
「あぁ。分かった。帰りも送るよ」

「「「行ってらっしゃいませ」」」
と邸のものに送られる。

馬車に乗り込む。ユーリアスとフランソワもついでだから。と一緒に登校する。

「マリー学園で一人での行動は謹んでくれ、頼むよ」
「学園ってそんなに危険なの?」
「多分な。フランソワ頼むよ」
「はい。姉さんはバカなので見張っていますよ…」
「またバカって言った」
ボソっとマリーは呟く
「今日の入学生代表はソフィア様が任されていると言う話ですね!」
とユーリウスは話を変える
「そうだな。王族の入学式だからな。去年は俺も挨拶をした」
「えぇー。アラン様の挨拶聞きたかった!きっと女子はメロメロだったんでしょうね」
「そんなことは断じてない!」
「だってモテるんでしょ?」
「その話は良いよ。また浮気がどうのとないことばかり言われると辛い。俺はマリーしか要らん」
「マリー?殿下はね、学園では女生徒と話をしないんだよ。」
「お兄様どうして?」
「マリーに変な誤解を受けたくないから、必要最低限の話しかしないんだ」
「わたしの為?」
「いや!俺の為でもある。言い方は悪いが変に良い顔すると相手がつけ上がると困る。相手を傷つけない程度にしか話さん。」
「アラン様」
「ん?どうした」
「今迄浮気を疑ってごめんなさい」
「気にするな。だからお前が浮気したら俺は許さん。相手がどうなるか分からんぞ」
「アラン様、カッコいい」

「「はぁぁー。」」とユーリウスとフランソワはため息をつく。
「二人の時にやってくれる?そういうの、僕見たくないんだけど!」
「同感だな」

「だって!久々に会えたんだもん」
「あの時は悪かったよ。でも侯爵と仲直りしてくれて良かったよ」

「あの時の邸は緊張感あったよ、もう父上とケンカはやめてくれよ」
「うん。お父様次第よ」

「手紙に書いてあったけど、菓子の新しいレシピとやらはどうなった?」
「えっ?食べてないの?王宮の調理人に作らせるって聞いたけど?」
「どんな菓子だ?」
「えーっとね、卵を使ってて冷たくて喉越しが良い、ガラスに入ってなかった?」
「あぁ。ソフィアと母上がうまいとお代わりしていたな、確かにうまかった。」
「でしょ?」
「姉さんはバカだけどお菓子作りは才能あるよね」
「失礼な!またバカって言った!!」
「もうその辺にしておけ。フランソワもマリーを煽るなよ…ったく」
「「はい」」

「そろそろ学園に到着だよ。」
「わぁー緊張してきた」
「マリー、お前は誰の婚約者だ?」
「え?何言ってるの?アラン様でしょ?」
「その言葉、忘れるなよ」
「?変なアラン様」

学園のエントランス王族用の降車場に馬車が停まる。フランソワ・ユーリウス・アランが降りる。アランが手を出し、差し出された手を取るマリー。マリーが馬車から出てきた時、ザワザワした学園の空気が一瞬止まった。マリーの美しさに見惚れ一瞬時が止まったようだ。
「「「はぁー」」」とため息をつく三人

「どうしたの?」とマリー
「姉さんは気にしなくていい」
「さ、マリー、行こうか?」
と兄弟はその場から去ろうとする

「掲示板を見に行こう、クラス発表があるぞ」
「うん。気のせいかな?すごい見られてない?アラン様といるから?」
ギュッと手を掴む

……きっとこんなチビが王子といるなんて生意気な新入生だ。とか思われていたらどうしよう。ユーリウスお兄様もフランもイケメンだもん。わたしも可愛い方だけど、上級生のおねぇ様方の美しさには叶わないわ……

「嫌なら周りを見る必要はない。さっさと教室へ行くぞ。送ってくから」
「うん」

ーーーーーーーー
掲示板前にて

「「マリー」」
「シャル、リリー!」
「同じ教室だったよ!ソフィア様も!Sクラスだった!」
「わぁー。嬉しいです。フランは?」
「「勿論Sクラスです」」
「まぁ!皆さんと同じクラスなんて楽しそうですね」
フフフと頬を染めて笑うマリー

……周りはポカーンとした間抜けな顔になっている。マリーの笑顔は毒だ。美しすぎるのだ。王妃教育によってフフフと笑うと姿は可憐で美しい。
家族やアランと一緒にいる時のエヘヘと笑う姿は妖精の笑みとも言われている。

「教室へ行くぞ。」とアランが声を掛ける
「「殿下いらしたのですね」」
申し訳ございません。と二人が言うと
「気にするな。」

「シャルロット」
とユーリウスが声を掛ける
「はい」とシャルロット
「これから学園で毎日会えると思うと嬉しいよ」
「はい。私も嬉しいです」
「その、マリーの事を頼むよ」
「勿論ですわ。皆さんと同じクラスで私とても嬉しくて」
と頬を赤く染める


「はぁー。ここにもバカップルか!仲良いようで何よりだよ」
とフランはため息を吐く

アランに教室まで送ってもらい、
「今から入学式が終わったら、教室に一度来てから解散になる。迎えにくるから教室で待っていてくれ」
「うん。分かった」
「じゃあな」
と頬にキスを落として行った。
周りがざわめく

……アラン様、さすがだわ!私たちの仲を見せつけてやろう作戦をもう行うとは!
頬を押さえてニコニコしていると

「姉さんその締まりのない顔やめてよ。みっともないよ」

とフランに注意された!
何よ!フランめ!この反抗期め!
ふん。いつかぎゃふんと言わせてやる!あの可愛かったフランはどこへ行ったのだ!

「すいませんでした」
ふん!と教室に入ると
「マリー!」と声がかかった
「ソフィア様」
ソフィアは既に教室へ護衛と共に入っておりみんなを待っていた。
「みんな同じクラスで嬉しいわ」 
「えぇ。楽しみが増えましたわ」
「で、お兄様はマリーの付き纏いか何かなの?朝から迎えに行ったり教室まで来たりと」
「だって接近禁止だったんですもの、ようやくお会いできて嬉しゅうございますわ」
と微笑む

「マリーあなた、周りに迷惑がかかるから笑うのはやめた方が良さそうよ?」

「えっ?どう言う事でしょう?」

「まぁ、いいわ。そろそろ式も始まる頃よ?先生もおいでるでしょうし、席につきましょう?」
「そうですね」
えぇっーと私の席は、ここね!
お隣の人に
「失礼します。お隣ですね、よろしくお願いいたします」
と声を掛けると、ガタッ!と音を立てて
椅子から転んでしまったではないか!
「あら、私が急に声を掛けたから驚かれたのですね。申し訳ないございません」
と手を出したらフランに手をペシっと叩かれ

「姉さんは余計なことするな、喋るな、大人しくしてろ」と怒られた!

「だって私のせいでしょ?」
と言うと、「もういいから座れ!」
と言われたので座る。

後ろはフランの席だ。
なんなんだ!入学式早々フランに怒られるなど、姉としておかしいではないか。

担任の教師が教室に入ってくる。
「今から皆さんの入学を祝う式が行われます。講堂へ向かいましょう」と男性教諭
さぁ、今から学園生活の始まりだ!!
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