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その29(親心)

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「アラーン!」

「母上?」

「リオネルから連絡が来てね、あなたにお話があるそうよー?」

「え?なんでしょう?」

「先日のお茶会の時の話しかないでしょう?」

「……ですね。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

残念会後のパパの執務室にて(自宅)


ハハハ。中々面白かったな!

マリーを泣かせた子息たちには、抗議の手紙を送っておくか!

フランソワも口程にないなぁ~。
結果、フランソワの作戦は王妃側あちらの勝利という形で終わってしまった。

あのバカ王子の事は見直した。
池に落とした後、マリーが目を覚さなかったので、どうやって殺してやろうか?とまで考えたのだが……

マリーに近寄せないよう、面会謝絶にしても会いに来るし、追い払ってもめげずに邸に来ていたしな。
根性はあるようだ。
今回の婚約者候補を選ぶ際にも、「」と言う絶対条件をつければこちらは呑むしかない。
しかし、その王命カードを切ってこないところは素直に認めよう。




王妃側あちらも策を練ってきているようだし、面白い。


第一弾は、今までの態度を改める作戦だろう。ちゃんとローズマリア嬢。と言ってレディ扱いする様になったな!
マリーは気がついていないが、あの子はレディ扱いされるととても喜ぶし、王子様と言う存在に憧れを抱いてる。
実際セシリアもそうだったしな。
懐かしいな……


第二弾は、王女殿下との友達作戦か?
マリーに友達ができる事は嬉しい限りだし、目が届く範囲にマリーがいるのだから安心だ。王宮は警備も悪くない。



フランソワが敢えて男を仕向ける作戦。を伝えてきたときは、私の息子だな…と驚いた。
が、例の作戦は王妃側あちらの知るところだ。
昔私が使った作戦だからな……
それが裏目に出たが、上手く使われたな。
くっくっくっ………


マリーを助けられたのは事実だ、
一度王妃側あちらに礼を言いに行くか
王妃側あちらは驚くだろうな……


フランソワをどうするか……。
ちょっとマリーに心酔しすぎて脆すぎだ。
あの歳で例の作戦を決行するとはな。
マリーが男たちに囲まれたとき、助けたかったのは自分だっただろう。
頭の痛い問題だ。
今からならまだ間に合うか……。

ユーリウスバカは、フランソワに比べると単純だからなんとかなるだろう。
顔は私に似ているが、優しいところと素直なところは妻にそっくりだ。
なんだかんだとアイツは面白い。


セシリアの実家の兄であるガブリエル伯爵はセシリアのことを溺愛していた。
妹という感情で見ていなかったのではないか?セシリアもそれを感じていて、距離を置きたがっていた。
だからセシリアが亡くなった後も、ローズマリアに会わせなかった。
シモーヌバカがマリーの事を気に入っていると言う話を聞いた時、まずいなと直感的に感じた。
あの家とは関わりたく無いんだよ!!


ユーリウスももうすぐ十歳。
婚約者もそろそろ決めなくてはいけないし、釣書もたくさん寄せられているが、好きな相手と結ばれてほしい。ユーリウスの誕生日会で様子を見るか?な。

王子も然りだが、ユーリウスの様な上位貴族が婚約者を定めないと、子女があぶれてしまう。そのための茶会だったんだろう。


一番頭の痛い問題は、マリーの婚約者か。
結婚なんてしなくていいから家に置いておきたい。と言うのは親のエゴだろう。

さて、うちの家族オトコを納得させられる男がいるかな?

私はただローズマリアに幸せになってほしいだけなんだ。




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