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その14(オタ会…ことお茶会)

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「オタ会?ですか?」
はて?何の話でしょう?きょとんと首を傾げる

………オタ会?
カラオケボックスで、歌わないのに映像流すの?
ペンライトとうちわも必要かしら?
推しの活動状況を報告する会?
…………頭をフル回転させる


「あぁ。お茶会だ。招待状を見ていないのか?」
優雅に紅茶を飲みながら殿下が伝える


あぁ…お茶会ね。
ビックリしちゃったわ……
耳まで悪くなったのかしら?これもアラサーあるある?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから三日後また殿下がやってきた。
王宮の医師を連れて行く。と言われ薬が良かったのか回復してきたと言う事を伝えると、妹に会いに来てしまった。
見舞いの品まで貰ってしまったので、断ることが出来なかった。

病み上がりという事もあり短時間だけ。と言う約束だ。

「私にはソフィアと言う妹が居るんだが、ソフィアには歳の近い友達が居ないんだよ。その為に母上が茶会を開くんだよ」

殿下は断れない様にソフィア王女の事だけをサラッと言う。

「マリー体調が優れない様ならもう部屋に戻っても良いんだよ?」
とお兄様

えっと。わたしはどうすれば良いのでしょうか?オロオロとしていたら、
「ローズマリア嬢、プレゼントした髪飾りをつけてくれたのだな!」

あっ。そうだ。今日だけ使いなさいとお父様に言われて付けてるんだった!

「はい。先日はステキな髪飾りをありがとうございました」
と立ち上がり淑女の礼をする。

すると殿下がわたしに近寄り
「よく似合っている」
とキラキラした笑顔で褒めてくださった。

えっ!何ー?この笑顔の破壊力は!
リアル王子のアルカイックスマイルって言うの?ショタでもイケメン王子のスマイルパワーって……
うっ。心臓が………持たないかも。と胸に手を当てると

「どうかしたのか?どこか痛むのか?」

と顔を寄せてきた!!
近い近い近いのよー!!!
びっくりして後ずさると椅子にぶつかりひっくり返りそうになる。
殿下に腕を取られて、抱きしめられる形になってしまった。ひぃーーードキドキが止まらない。

「殿下、その、ありがとうございます。……そろそろマリーを離して頂けませんか?」

「あ、あぁ悪い」

バリッと効果音でも聞こえるようにお兄様から離される。


ふー。近いのよー距離が!ホールくらいの距離がちょうど良いの!!
この王子にソーシャルディスタンスを教えてあげなきゃいけないわね

人との距離は2mよ!
くしゃみは思ったより飛ぶの!

王子様に触れるなんて、どこ世界でもご法度よ!
私、握手会も行った事ないのよ!!本当よ!お触り禁止!待ち伏せも禁止!!


もう頭が痛くなってきちゃった。と今度は頭を押さえると
「ねぇ様!顔色が悪いよ。また意地悪されたの?」

「意地悪?」
殿下がポツリ呟いた後
「ん?弟か?いつから居たんだよ」
とつづける。

フランじゃないの。
どこからでてきたのかしら? 

「意地悪なんてされてないわよ?」

「もう邸に戻ろ?せっかく治りかけてるのに振り返したら大変だよ」

私と同じくらいの身長のフランが心配そうに見つめてくる。
か、可愛い。吸い込まれるーぅぅ
フランをキュッと抱きしめる。
ソーシャルディスタンスってなんだっけ?


「マリーもう良いからフランソワと一緒に戻りなさい」

「……はい。では殿下ご機嫌よう」
礼をして戻ろうとすると

「あぁまたな」
と手を取られチュッとリップが鳴る?

おい、いま何した?びっくりして手に目をやると口付けを落とされていた。

やーーめーーてーー。と心の中で叫ぶ。


パンッとフランが殿下の手を払い、ポケットからハンカチを出し口付けされたところを拭きながら、
「失礼します!!」とその場から二人で立ち去った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「殿下、流石に怒りますよ?」

「何に対して?」
ニヤリと笑いながら整った顔立ちで挑発してくる。
「マリーに対して態度が変わりましたね」

「あぁ?そうだな興味が湧いてきたな」

何だって?うちの可愛いマリーに興味だと?
やめてくれよ。だーかーら!
会わせたくないんだっての!

「…………………」

「茶会が楽しみだな」

「…………………」

「絶対に連れてこいよ、母上から伝言だ!
会うのを楽しみにしているとな」

王妃様が???
「マリーは虚弱体質ですからね。殿下のお妃には向きませんよ」





「…………覚えておこう」




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