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ヘルミーナ
しおりを挟む「ティーナ、私も一緒に行くわ。私の生まれ育った国だから案内できるし、一緒にいた方がティーナにとってもいいと思うの」
ティーナの手を取って真剣に誘いました
「ミーナに迷惑はかけられないもの。ミーナはルアン王国が嫌でシーバ国に来たのに、わたくしの為に戻るなんて、ダメよ」
眉が落ちるティーナは困っているように見えた
「わたくしは国へ戻るようにと何度も言われているの。でも戻るきっかけがなくて…ティーナと言う友達も出来たから、別れるのが寂しいわ。まだ知り合って間もないけれどティーナのことが大好きなの」
ティーナを安心させるように微笑んだ
「ヘルミーナ嬢ありがとう。ティーナの為を思って言ってくれているのだろう…?しかし君に迷惑は掛けられないよ。ティーナはルアン王国で母上の実家である叔父上の家に世話になるんだ」
「ユリウス様、お願いです。わたくしも国に戻ります。ティーナを友達として家族に紹介したいのです。国に戻るきっかけはティーナなんですもの」
「ティーナはどうしたい?」
イザーク様がティーナに顔を向けた
「叔父様の邸にお邪魔しますが、先にミーナのお家へ遊びに行きたいです、ミーナにはとてもお世話になりましたもの。ミーナのご両親にご挨拶をしたいです」
ティーナはお二人にそう言うと、ユリウス様もイザーク様も納得されたようでした
「お父様!おかえりなさいませ」
ティーナとユリウス様イザーク様が公爵様をお迎えしたので、わたくしも席を立ちご挨拶しました
「ただいま帰ったよ。ヘルミーナ嬢もこんなところまで付き合わせて悪かったね」
優しい口調で声をかけてくださり、ユリウス様がさっきまで話していた内容を簡潔に公爵様にお話して下りました。
夫人も公爵様のおかえりと共に、一緒に来られました
「お兄様から手紙の返事が返ってきていたわ。ティーナの事を喜んで迎えてくださるそうよ。留学と言う形にしましょうね」
「はい、お母様ありがとうございます。わたくしも叔父様とニコラウスお兄様にお手紙を書きたいです」
「ヘルミーナ嬢、貴女の傷も癒えていないのに、我が家の事情に巻き込んでしまって、申し訳ないわ」
夫人や公爵様に謝られてしまいました
「いいえ…傷はとっくに癒えていますし、ティーナに会わせてくださった夫人には感謝の言葉しかありません。今度はわたくしの国へティーナがくるんですもの。ルアン王国でティーナの初めての友達はわたくしですね」
ティーナと見つめ合い笑うと、公爵様が心強い友達が出来て良かった。ティーナの事を頼むよ。と言ってくださりました
微笑みを返し、はい。と返事をしました
ティーナの家族は本当に素敵な家族だと思った。
その後はお部屋に案内されたので、国に帰る事を伝える手紙を書きました。友達も一緒に行くからね。と
一人で帰るのは、冤罪とはいえ追放された身としては戻りにくかったので、ティーナがきっかけとなってくれて、助かったというのは事実でした。ティーナとの出会いは必然だったと思う。
お互い不名誉に婚約破棄(ティーナは?)された身としては辛い立場ですもの。
少しくらい羽を伸ばす時間は必要だと思うの。少し強引だったかもしれないけれど、婚約破棄をされ追放されたわたくしが言うのだから、間違いはないはず!仲間意識ではないけれど友情が芽生えたのは間違いのない事実ですものっ。
見た目は赤いバラの様な華やかなティーナは、読書や刺繍が好きなおとなしくかわいい女の子。
家族や周りから愛されて優しく育ったということがとっても分かるし、ご家族はみんな良い方で、他人のわたくしにも家族の様に接してくださいました。
今度はわたくしの番ですわ。
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