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お茶会をするそうです!
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オリバス伯爵家でお茶会を開く事になりました。
「セイラさん手伝って欲しいの」
お義母さまが微笑んでいました
「はい、私でよければお手伝いさせてください」
伯爵家のお茶会となると友達同士で行なっていたお茶会とは違い、盛大なものでした。
「セイラさんにはお花を飾ってもらおうかしら」
「はい」
重大任務です。今回はパティオを使ったお茶会ということでした。日差しが心地よく入り風通しも良い場所です。
「グリーンを基調にしたアレンジメントでも良いと思いませんか? 爽やかなイメージですよね」
庭師のトムおじいさんに相談しました。
「それなら大きな葉があるからそれも使ってみたらいかがですかな?」
トムおじいさんは大きな葉を見せてくださいました。
「わぁ。良いですね! 南国風と言うやつですね。ダイナミックにアレンジしてみようかしら? お花はハイビスカスなんて良いですね。お茶もハイビスカスティーを用意したらどうかしら? アリーどう思いますか?」
伯爵家のメイドのアリーに顔を向けると
「よろしいと思います。それでは今からハイビスカスティーのご用意をいたしましょうか?」
にこにことアリーは答えてくれました。
「そうですね、お願いしていい?」
「もちろんでございます、セイラ様」
ハイビスカスティーといってもハイビスカスの花ではないのだけどね。
美肌効果が含まれているし、ノンカフェインだから、コーヒーがダメな方でも飲んでいただける物をお出ししたいもの。
私はまだコーヒーが苦手というのもあるけれど……
******
~ウィルベルト~
「セイラ、ここに居たの? どこにいるかと思っていたら……」
「ウィルベルト様、今からお茶をいただくんですよ、一緒にどうですか?」
「もちろん、いただくよ」
「セイラ様、お待たせいたし、失礼致しました。ウィルベルト様とご一緒でしたか」
頭を下げるアリー
「今ウィルベルト様が来られたの。ねぇ、アリーお茶の淹れ方を教えて下さい。
ウィルベルト様に入れて差し上げたいのだけれど、このお茶を淹れるのは初めてなの」
伯爵家のメイドと仲良く話をするセイラ。メイドの名前を覚え必ず名前で呼んでいる。そんなセイラを使用人たちは好ましく思っているようだった。
庭師の気難しいトムも孫を見るような目でセイラと話をする。
「屋敷のみんなと仲が良いんだな」
「皆さんがとてもよくしてくださいますから」
そう言ってうちでお茶を淹れてくれるセイラの姿を見ていると頬が緩む
「あと三年か……」
ボソッと呟いた
「何か言いましたか?」
目の前にティーカップを置くセイラの顔を見た。出会った時は、まだ垢抜けないが可愛らしい顔をしていたセイラだったが、どんどん綺麗になっている。姉が言った
『女の子は付き合う男次第で変わるんだから、ウィルはセイラちゃんに恥じないようにしなさいね。悲しい思いをさせると顔にも態度にも出ちゃうでしょ?』
私次第でセイラが変わると言うのは言い過ぎたと思うが、セイラが悲しむような真似は出来ない。
もしセイラが他の男を見るようなことがあったのなら、それは私の努力が足りなかったんだろう。
「お茶会ではセイラのお菓子は出さないの?」
「私の作るものですか? シェフに悪いですもの。見栄えもしませんし、私の作るものは身内で消費するくらいが丁度良いのだと思いますよ。
さすがに伯爵家の調理場をお借りする事は出来ません。調理場はシェフの城ですもの」
そう言いながらもシェフと仲良く菓子について話している。ルフォール家の領地で作る小麦は菓子やパンを作るのに向いているそうだ。私のリクエストでサンドイッチを作ってきてもらい、ランチをしていたら姉も一緒に席に着いてきた。
邪魔するなよ……そう言っても姉は聞かない。このパンすごく美味しいわね! セイラに言うと嬉しそうに私が焼いたんですよ。と言ったら姉がシェフを呼び、セイラのパンの作り方を学ばせたのだ。
シェフも腕に自信があるものだから、しぶしぶ味を確かめて驚いていた。
その後セイラに作り方を習ったが、思った味ではなかったそうで、セイラの使っている材料で作り出したらうまく行ったそうだ。
みんながセイラのパンを気に入り朝の定番になった。
「セイラは結婚しても、お菓子や料理を作りたい?」
「……はい」
「セイラの専用キッチンを作ろうと思っている。そしたら誰にも気兼ねなく自由に使えるだろう」
「いいんですか? お金がたくさんかかってしまいますよ!」
「そこは気にしなくて良い。セイラの作るものは私の好物だって知っているだろう?」
「ありがとうございます」
珍しく素直に受け取った。そうか、嬉しかったんだろうな。セイラの喜ぶ顔を見るのは良いものだ。
「セイラはどうして菓子を作るようになったんだ?」
「それはですね、お兄様が王都へと行ってしまって寂しかったからです。帰ってきた時に成長した姿を見て欲しかったのと、お兄様の喜ぶ顔が見たくて何回も何回も練習しました。
お兄様がおいしいと言ってくださって、もっとレパートリーを増やそうと思いました。
お兄様へ送る荷物に領地の事を思い出してくださるような物を一緒に送りました。私のことを思い出して欲しくて、ふふっ。私ってお兄様っ子なんですね」
「ユベール殿のことが好きなんだな」
「はい。私の初恋はお兄様ですもの。ウィルベルト様の初恋は? ベアトリス様とか?」
「そんなわけないだろう! 初めて好きになったのは、セイラ、君だよ」
「私ですか?」
「そうだよ。だから今の話でユベール殿に嫉妬した」
ちょっとショックだったから、拗ねるように言った。セイラはどんな反応をするんだろうか
「初恋はお兄様でしたけど、ウィルベルト様は私にとって最後の恋ですよ、それがいつかは愛になるんでしょ? 初めて愛する人はウィルベルト様が良いです」
これはやられた……
「ねぇ、ウィルって呼んでくれる?」
セイラの髪を一房取りキスをした
「無理です。恥ずかしいです」
既に顔が赤いセイラ、愛おしいと思い
「愛してるよ」と言った。自分でも驚いたけど、愛とはきっとそう言うものだろう。
「セイラさん手伝って欲しいの」
お義母さまが微笑んでいました
「はい、私でよければお手伝いさせてください」
伯爵家のお茶会となると友達同士で行なっていたお茶会とは違い、盛大なものでした。
「セイラさんにはお花を飾ってもらおうかしら」
「はい」
重大任務です。今回はパティオを使ったお茶会ということでした。日差しが心地よく入り風通しも良い場所です。
「グリーンを基調にしたアレンジメントでも良いと思いませんか? 爽やかなイメージですよね」
庭師のトムおじいさんに相談しました。
「それなら大きな葉があるからそれも使ってみたらいかがですかな?」
トムおじいさんは大きな葉を見せてくださいました。
「わぁ。良いですね! 南国風と言うやつですね。ダイナミックにアレンジしてみようかしら? お花はハイビスカスなんて良いですね。お茶もハイビスカスティーを用意したらどうかしら? アリーどう思いますか?」
伯爵家のメイドのアリーに顔を向けると
「よろしいと思います。それでは今からハイビスカスティーのご用意をいたしましょうか?」
にこにことアリーは答えてくれました。
「そうですね、お願いしていい?」
「もちろんでございます、セイラ様」
ハイビスカスティーといってもハイビスカスの花ではないのだけどね。
美肌効果が含まれているし、ノンカフェインだから、コーヒーがダメな方でも飲んでいただける物をお出ししたいもの。
私はまだコーヒーが苦手というのもあるけれど……
******
~ウィルベルト~
「セイラ、ここに居たの? どこにいるかと思っていたら……」
「ウィルベルト様、今からお茶をいただくんですよ、一緒にどうですか?」
「もちろん、いただくよ」
「セイラ様、お待たせいたし、失礼致しました。ウィルベルト様とご一緒でしたか」
頭を下げるアリー
「今ウィルベルト様が来られたの。ねぇ、アリーお茶の淹れ方を教えて下さい。
ウィルベルト様に入れて差し上げたいのだけれど、このお茶を淹れるのは初めてなの」
伯爵家のメイドと仲良く話をするセイラ。メイドの名前を覚え必ず名前で呼んでいる。そんなセイラを使用人たちは好ましく思っているようだった。
庭師の気難しいトムも孫を見るような目でセイラと話をする。
「屋敷のみんなと仲が良いんだな」
「皆さんがとてもよくしてくださいますから」
そう言ってうちでお茶を淹れてくれるセイラの姿を見ていると頬が緩む
「あと三年か……」
ボソッと呟いた
「何か言いましたか?」
目の前にティーカップを置くセイラの顔を見た。出会った時は、まだ垢抜けないが可愛らしい顔をしていたセイラだったが、どんどん綺麗になっている。姉が言った
『女の子は付き合う男次第で変わるんだから、ウィルはセイラちゃんに恥じないようにしなさいね。悲しい思いをさせると顔にも態度にも出ちゃうでしょ?』
私次第でセイラが変わると言うのは言い過ぎたと思うが、セイラが悲しむような真似は出来ない。
もしセイラが他の男を見るようなことがあったのなら、それは私の努力が足りなかったんだろう。
「お茶会ではセイラのお菓子は出さないの?」
「私の作るものですか? シェフに悪いですもの。見栄えもしませんし、私の作るものは身内で消費するくらいが丁度良いのだと思いますよ。
さすがに伯爵家の調理場をお借りする事は出来ません。調理場はシェフの城ですもの」
そう言いながらもシェフと仲良く菓子について話している。ルフォール家の領地で作る小麦は菓子やパンを作るのに向いているそうだ。私のリクエストでサンドイッチを作ってきてもらい、ランチをしていたら姉も一緒に席に着いてきた。
邪魔するなよ……そう言っても姉は聞かない。このパンすごく美味しいわね! セイラに言うと嬉しそうに私が焼いたんですよ。と言ったら姉がシェフを呼び、セイラのパンの作り方を学ばせたのだ。
シェフも腕に自信があるものだから、しぶしぶ味を確かめて驚いていた。
その後セイラに作り方を習ったが、思った味ではなかったそうで、セイラの使っている材料で作り出したらうまく行ったそうだ。
みんながセイラのパンを気に入り朝の定番になった。
「セイラは結婚しても、お菓子や料理を作りたい?」
「……はい」
「セイラの専用キッチンを作ろうと思っている。そしたら誰にも気兼ねなく自由に使えるだろう」
「いいんですか? お金がたくさんかかってしまいますよ!」
「そこは気にしなくて良い。セイラの作るものは私の好物だって知っているだろう?」
「ありがとうございます」
珍しく素直に受け取った。そうか、嬉しかったんだろうな。セイラの喜ぶ顔を見るのは良いものだ。
「セイラはどうして菓子を作るようになったんだ?」
「それはですね、お兄様が王都へと行ってしまって寂しかったからです。帰ってきた時に成長した姿を見て欲しかったのと、お兄様の喜ぶ顔が見たくて何回も何回も練習しました。
お兄様がおいしいと言ってくださって、もっとレパートリーを増やそうと思いました。
お兄様へ送る荷物に領地の事を思い出してくださるような物を一緒に送りました。私のことを思い出して欲しくて、ふふっ。私ってお兄様っ子なんですね」
「ユベール殿のことが好きなんだな」
「はい。私の初恋はお兄様ですもの。ウィルベルト様の初恋は? ベアトリス様とか?」
「そんなわけないだろう! 初めて好きになったのは、セイラ、君だよ」
「私ですか?」
「そうだよ。だから今の話でユベール殿に嫉妬した」
ちょっとショックだったから、拗ねるように言った。セイラはどんな反応をするんだろうか
「初恋はお兄様でしたけど、ウィルベルト様は私にとって最後の恋ですよ、それがいつかは愛になるんでしょ? 初めて愛する人はウィルベルト様が良いです」
これはやられた……
「ねぇ、ウィルって呼んでくれる?」
セイラの髪を一房取りキスをした
「無理です。恥ずかしいです」
既に顔が赤いセイラ、愛おしいと思い
「愛してるよ」と言った。自分でも驚いたけど、愛とはきっとそう言うものだろう。
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