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ことの重大さ…?なんだそれ
しおりを挟む「ラウロ殿ようこそ!おや?シルヴィア嬢はどうされたんだ?」
「今日は妹を連れてきたんだ、まだ社交に慣れていないから練習と言う意味も込めてね。どうだ!可愛いだろう?」
ライラの肩に手を乗せ紹介した
「はじめまして、ライラと申します。よろしくお願いしますっ」
にこりと微笑むライラ、よし!よく出来ているぞっ
「やぁ、こんにちは、噂の妹君だね、ごめんねちょっとラウロ殿に話があるんだ、良いかな?」
「なんだ?」
腕を掴まれてライラから距離を取られてしまった
「おいおい…今日は婚約者同伴のお茶会だぞ…妹とでは参加できない…悪いが帰ってくれるか?」
ライラに聞こえないように声を落としている
「はぁ!?せっかく来たのにか!」
「招待状にも婚約者同伴と書いてあっただろう…みんなシルヴィア嬢と会えるのを楽しみにしていたんだぞ…」
「だから!ライラを連れてきただろうが…」
「ライラ嬢はお前の婚約者ではない、悪いがお前は体調不良という事で欠席だ、わざわざ来てもらったのに悪かったな」
ポンと背中を叩かれた
招待したのはお前だろうに…いつか痛い目に遭うと良い!
「にぃ様どうしたの?」
「招待状を忘れてきてしまったようだ。取りに帰ったら時間の無駄だから、カフェでお茶でもして帰ろうか?」
悪いなライラ。全てはシルヴィアが悪いようだ
「…せっかくにぃ様のご友人に会えると思って楽しみにしてきたのに残念ですね」
可哀想に…ライラ。これも全てシルヴィアのせいだ…。ここに居ないのに腹立たしい気分にさせるやつだ!
******
カフェでお茶をして、ウィンドウショッピング(請求書の存在を知った以上シルヴィアを連れて買い物をしなくてはいけないので、次の買い物の下調べ)をして邸に帰ると執事に父の執務室に来るようにと言われた
「父上、何かご用でしょうか?」
執務室へと入ると父が書類と格闘していた
うちの領地や、別邸・本邸の書類
「あぁ、お前と言うやつは大変な事をやらかしてくれたようだ…」
見るからにげっそりとしていた。帰ってきてまだ二日しか経っていないのに、体調でも悪いのかもしれない。シルヴィアと結婚した暁にはすぐに引退をして領地に篭ってもらおう
「何がですか?」
「婚約が解消されることになったよ」
「誰と誰のですか?」
思い当たる節はない…父上の知り合いの話か?
「お前と、シルヴィア嬢に決まっているだろう!他に誰がいる?」
「はぁ?本当に我儘な女ですねシルヴィアは…私が少しばかりライラを可愛がっているのに、嫉妬して…それくらい許せないのなら、歴史あるビルト家の嫁としてやっていけませんよ…これから教育をし直して、」
「歴史だけ古くても食ってはいけない!ベック伯爵のおかげでなんとか立て直してきたのに…」
項垂れる父を見て確信した、また金を使って嫌がらせをしてきているに違いない
「成金の商売人に何か言われたのですか?」
「馬鹿者っ!ベック伯爵は困った人達の手助けをされている。うちも助けられているんだ!領地の水害!日照り!領地民が困っているところベック伯爵が助けてくれたんだ!人まで寄越して…」
「金だけはありますからね…あそこの家は」
「…財産をあれだけ他人のために使えるなんて…前伯爵も同じ事をしていた。伯爵としては歴史はうちの方が古いが、ただ古いだけだ」
「あんな金遣いの荒い女に育てた、ベック伯爵の罪は重いですけどね!」
「貴族はな…金を使って王都を活性化せねばならんのだ。金がある家はその為に使っているんだ。王都が栄えていないと外国から軽視されてしまうからな!お前は社交で何を学んできたんだ…婚約は解消となった。慰謝料のことで頭が痛い、また追って話をする。ことの重大さを理解しろっ」
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