9 / 31
サロンへようこそ
しおりを挟む~ライラ視点(義妹)~
「わぁ~素敵ね!見違えたわ~」
本来なら、ライラのサロンは当家の歴史ある家具を直し使う予定だった。
ソファも生地の張り替えをすれば、今風に生まれ変わるし、テーブルは丁寧に手入れされた歴史あるものばかり
しかしライラは古いもの…お古は嫌だった
今風のお洒落な家具が欲しいと兄に頼めば、すぐに解決してくれた!
どうせシルヴィアさんが嫁ぐ際に、伯爵家に運ばれるのだから、遅かれ早かれ問題はないとすぐに運ばせ、ライラのサロンを飾った
どうせうちのものになるのだから、シルヴィアさんのものはうちのもの。そうでしょう?
執事が何か言っているけれど、本当に煩いのよ…このジジィは…!お父様に言い付けるとか言ってるけど、にぃ様が用意してくれたんだからね!
家具を運び、はじめてのお客様はこの素敵な家具や、衣装・宝飾をプレゼントしてくれたシルヴィアさんを呼ぶことにしました。
出迎えてその事を伝えると「光栄です」と言った。そうでしょうね、はじめて私のサロンに招かれるお客様ですもの!
お土産と渡されたのはお菓子とお茶…ケチくさいわね。お口に合えば良いだなんて…メイド達にあげるわ
部屋へ案内すると、驚いた顔をしていたけど、きっと喜んでくれるはず!
こんなに素敵に使われているのだもの!
「シルヴィアさんはさすが商人の娘なだけあって、目は肥えてらっしゃるわよね、とても素敵な家具ですものね」
シルヴィアさんを褒めてあげた。
「私は男だからよく分からんが、ライラがこんなに喜んでいるところを見ると女性ウケするような代物なんだろう。さすが商人の娘だな」
メイドがお茶を持ってきたので、無言のシルヴィアさんを、一人掛けのソファに座らせた。
そのソファは肘掛けの部分がとても繊細な作りで気に入っているのよ?
分かる人には分かるわよね!
カップやソーサー、カトラリーに至るまで全て新品。
透き通るような白磁、滑らかな肌触り、洗練されたデザインで、ふちには金が使われているのよ?
ティーカップのハンドルも華奢で可愛いわ
ほんっとセンスだけは良いんだから…意地悪して、隠していないでとっととうちに運べばよかったのに!
王宮御用達の職人が作っただなんて、本当に贅沢が好きな人だわね…呆れて物が言えないから、使ってあげることにした。あなたがはじめてのお客様だから文句はないでしょう?
「シルヴィア、どうかしたのか?」
にぃ様がシルヴィアさんを気遣っているようね…格上のにぃ様に気を遣わせるなんて、伯爵家でどんな教育をされているのか…あっ!商人だったわ、鼻でくすりと笑ってしまいました
「……こちらの家具は、私が嫁ぐ際にと用意してきた物だと思いますが…」
遠慮しがちに質問をしているけれど、やっぱり気がついたのね。素敵ですものね、この家具達
「何か問題でもあるか?遅かれ早かれ、うちに運ばれる予定だっただろう、問題が(気に入らない)あるならまた買い直せばいいだろう」
そうよね!買い直せばいいだけだもの。成金ですものね。
無言になるシルヴィアさんは放っておいて
「次は壁紙を掛け替えたいわね。この家具に合うように華やかなピンクやブルーのお花柄が良いわ!」
部屋の改装の話に、にぃ様と花を咲かせるのでした
ーーーー
コメントいつもありがとうございます(^^)
楽しかったりハラハラしたりしながら読ませて貰っていますが、一旦コメント欄を停止致します。ご了承下さい💦
148
お気に入りに追加
6,811
あなたにおすすめの小説

【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!


溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング

幼い頃に魔境に捨てたくせに、今更戻れと言われて戻るはずがないでしょ!
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
ニルラル公爵の令嬢カチュアは、僅か3才の時に大魔境に捨てられた。ニルラル公爵を誑かした悪女、ビエンナの仕業だった。普通なら獣に喰われて死にはずなのだが、カチュアは大陸一の強国ミルバル皇国の次期聖女で、聖獣に護られ生きていた。一方の皇国では、次期聖女を見つけることができず、当代の聖女も役目の負担で病み衰え、次期聖女発見に皇国の存亡がかかっていた。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

なにをおっしゃいますやら
基本二度寝
恋愛
本日、五年通った学び舎を卒業する。
エリクシア侯爵令嬢は、己をエスコートする男を見上げた。
微笑んで見せれば、男は目線を逸らす。
エブリシアは苦笑した。
今日までなのだから。
今日、エブリシアは婚約解消する事が決まっているのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる