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待ち合わせに来ま……した?!
しおりを挟むラウロ様から手紙が届き、噴水広場で待ち合わせをする事になりました。
珍しい事があるものです…
街で待ち合わせという事は、この前ドタキャンされた時間のやり直しですよね…?
時間通りに指定された噴水公園に行くと、ラウロ様と…ライラ様が待っていました
「ご機嫌よう。ラウロ様、ライラ様、お待たせしてしまったようで申し訳ございません」
待ち合わせ場所に…しかも時間よりも早く来ていた事に驚いてしまいました。
「遅いじゃないか!私を待たせるとは、ったく。どんな教育を受けるとそうなるんだ?ベック家は商人のようなものだから貴族としての感覚がズレているのか?ライラ、こう言う女にはなってはいけないよ」
ライラ様の頭を優しく撫でながら微笑んでいらっしゃいます
「はーーい」
何もいえずに微笑んだ顔を貼り付けていると、お二人は腕を組んで歩き出しました。
予約していた衣料品店でライラ様のバッグや靴を…宝飾店では普段使いのアクセサリーを…
「お嬢様はこちらが似合いそうです」
いつも対応してくれるスタッフが私に勧めてくださりますが
「今日はライラ様のものを選びに来たみたいだから私は良いわ…」
素敵ですが、なんだか買い物をする気にはなれませんでした
「新作が出ましたので…お嬢様にお似合いかと…差し出がましい真似をしてしまいました」
スタッフに謝られてしまいました
「わぁ!素敵~にぃ様これも!」
ライラ様がラウロ様に強請っています
「欲しいものは貰っとくと良い」
「わーーい!」
こそっとスタッフに
「商品はビルト家のライラ様へ……今回の請求はこちらにお願いね」
衣料品店、宝飾店でシルヴィアが言うと
「……畏まりました」
スタッフが頭を下げた
ライラはラウロの腕を組みクスッと微笑んでいたが、シルヴィアの知るところではなかった
その後歩き疲れたとライラ様が言うので、有名店のカフェでお茶を飲む事になった
横並びに座るラウロ様とライラ様、向かいに座るシルヴィア
楽しそうに会話をする二人の姿を見て、少し疲れて来ましたが笑顔を貼り付けてます
「シルヴィアさん、またお買い物しましょうね。私まだ友達がいないから、シルヴィアさんとのお買い物は楽しかったわ」
「…………………」
無言のまま微笑んでいると
「買い物は女同士の方が楽しいのではないか?私がいなくとも二人で楽しむと良い」
「シルヴィアさん、にぃ様から許可が出たからそうしましょう、また違うお店に連れてって」
ラウロ様の顔を見ると、喜ぶライラさまの顔を見て満更ではない顔をしていました
「よかったな、ライラ。シルヴィアは商人の娘だから色んなところに顔が利く、そこは利点でもあるから有効に活用しなさい」
「はーーい。商人の娘が婚約者で良かった事もあるんですね、にぃ様!」
なんと言う事でしょう…!たしかに家は伯爵家としてはまだ日が浅いことは事実…ですが先祖や両親を馬鹿にされる謂れはございませんのに…怒りのせいか気分が悪くなってしまいました
「申し訳ございません。少し体調が悪いようです…お先に失礼しても構いませんか?」
この場には居たくありませんし、精神的に疲れているのは事実でした。
現地解散ですものね
「あぁ、いいぞ、変な病気でもうつされても困るからな」
足を組み直し、まるで動物でも追い払うようにしっしと手をふられました
一礼をしてカフェから出て行きます
息苦しさの中で飲むお茶は味もしませんし、喉を通りませんでした
その後、気持ちを落ち着けるために、お義兄様に連れて行ってもらった落ち着けるカフェへ行き、侍女のアンナとケーキプレートとお茶を頼みました
こちらの店でいただくお茶を口にすると、ようやく喉に染み渡り、気持ちが落ち着いたような感覚がしました。
「お嬢様、なぜ支払いをされるのですか!デートに義妹を連れてくるなんて、少し常識と外れています!旦那様にご報告なさるべきです」
アンナが渋い顔をした
「そうよね…流石に怒っても良いわよねぇ」
はぁっとため息を吐きました。
「アンナがいてくれて良かったわ。私の気持ちを代弁してくれてありがとう」
こんな嫌な気持ちのまま邸に帰るのは躊躇いましたから、アンナが居てくれて助かりました
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