27 / 46
ルヴィの事情
しおりを挟む「アレックスが言うには、キャサリンのお父様がきっぱり断ったみたいだから、殿下が何を言っても放っておけば良いの。婚約も内定したみたいだから婚約者がいる。と言っても過言ではないわね。子爵にビシバシ扱かれると良いわね! って、それは置いといて……キャサリンの足が治るまでにセリアに自分が何をしたか分からせてやろうと思ったの。これ以上被害が出ても困るから。アレックスに話を持ちかけられて私は承諾したの。もちろんキャサリンの為でもあるけれど、楽しかったわよ。追い詰めた時のセリアの顔ったら……学園じゃ無かったら首が飛んでるわよね」
「犯罪に……手を染めたりしてないよね?」
ルビィが見たことのないような悪い顔をしている!
「しないわよっ! セリアにはしっかり分からせたからキャサリンに近づく事はないよ。もし近寄ってきたらすぐに言ってね? 後は……キャサリンは人気があるのよ。知ってる?」
「知らないけど、お母様が求婚の話が来ているって言っていたような?」
「キャサリンに近寄ろうとしている子息をアレックスが牽制してるのよ。声を掛けてきた先輩にもああだったでしょう?」
勝手に断っていた、あれ? 失礼よね。
「アレックスと一度話しなきゃ」
「そうだね。いくらキャサリンの事が好きだからって、キャサリンの行動を制限するのは良くないよね。まだ婚約しているわけでもないし、キャサリンはフリーなんだし」
「うん。でもちゃんと考えてるんだよ。アレクの事は好きだし」
アレク事は好きだ。どのようにと言われるとまだ考えるけれど、好きって言われて嫌じゃ無かったし。
「キャサリンは殿下とアレックス以外の子息とまともに話した事ないじゃない?」
婚約者候補として恥じないように子息と交流を持っていなかったし、アレクのことも義兄さまと呼ぶくらいだったもの。
「あ、隣の席の子息と話をしたよ!」
「ノーカウント!」
……え? そうなの? 私の人生で殿下とアレックス以外の子息で挨拶以外で一番話をしたのに?
「ノートを拾ってくれた先輩とも話をし、」
「ノーカウント! よし、キャサリン。アレックスに内緒でお茶会に参加しましょうか! 独身の子息がたくさん来るお茶会があるって言ったでしょう?」
「うん。言ってたね。そうだよ、アレクが勝手に断るからちょっとムカムカしたのよ。私の行動を制限するから!」
お茶会に行く事をお父様とお母様に話をすれば問題ないよね! ルビィも同志の皆さんの中で何人か行くみたいだし。
そうと決まればお母様に許可よ! ルビィを疑って? いたことを謝り仲直り?(ケンカしてない)したしルビィも内緒にしていた事を謝ってくれた。
ルビィと行った雑貨屋さんでお揃いで色違いのポーチとハンカチを買った。私はオレンジでルビィはパープルを選んだ。その後快気祝いで、カフェに行き、軽食とスイーツを食べて帰ったら案の定夕食は食べられなかった。今回は目を瞑るけど次回から夕食がいらない時は断りを入れる事! とお母様に注意された。はーい。と返事するとまたアレク!
「僕が付いていなかったから僕が悪いんだ」
なんて言い始めたから無視した。
「あ、お母様にお話があるの」
「そう? それならお茶でもしながらね。アレクは、」
「お母様と二人がいいの。ガールズトーク!」
「あら、やだぁ、ガールズトークだなんて。ふふっ。楽しそうね、アレクには遠慮してもらいましょう」
流石のアレクも母娘の会話に口出ししてこまい。
「……わかりました。それじゃキャシーあとで」
もうこんな時間なんだから、お母様とお話をしてお風呂に入って後は寝るだけよ!
******
「アレクに内緒話でもあるの? 聞かれたくない話?」
ドキっ! なぜそれを……
「ケンカでもした?」
「……してない。でもちょっと嫌な事はあったの」
学園での話をした。勝手に話を進めるのは嫌だもん。アレクがいないと何にもできない子になっちゃう。
「あら、まぁ。いくらキャシーの事が好きでも、それは嫌よね。所有物じゃないもの」
「お母様! 分かってくれる? そうなのっ! 今日ねルビィと話をしていて思ったの。私アレクの事好きだけどよく分からないの。だって殿下とアレク以外の子息と話をした事ないもの」
「……そうね。アレクが来てからは特に……ずっとアレクがキャシーと居たし、殿下の婚約者候補になってからはやましい事が無いようにと気を遣っていたわね。親としてはアレクがいるから変な虫が付かないと思っていたけど……キャシーももう学園に通う年頃だし黙っている必要も無いから言うけれど、キャシーの縁談だけではなくアレクにも縁談は来ているの」
「そうなの?」
ってそうよね。伯爵家を継ぐんだもん。アレクは人気あるし……ね。
「アレクに全部断るように言われて断ったわよ? キャシーと必ず結婚するんで! って言われてね……でもキャシーの気持ちもあるから、無理はダメよ。と強く言ってあるから大丈夫でしょ」
「うん。その事なんだけどね、今度独身の子息と令嬢が集まるお茶会があるの。行ってきていい? ルビィや同志の皆さんも行くの」
「そのお茶会って出会いの場になるのよ? 分かっている?」
「うん。だから行くの」
「……分かったわ。行ってらっしゃい。お父様には私から伝えておくわね」
お茶会の参加が決まったわ!
12
お気に入りに追加
470
あなたにおすすめの小説
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる