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アレクの暗躍?
しおりを挟むアレクはモテる。私といると声をかけられないけれど、離れるとラブレターを手渡されていた。でもアレクは好きな子がいるって断っていたの。
……ちょっと嬉しいかも。
次の日は先輩に告白をされていた。好きな子がいる。って断っていた。
……嬉しいかも。
「キャサリン嬢! 良かったら今度、」
ノートを届けてくれた先輩に声を掛けられたら、アレクがすぐに駆けつけてきて背中に私を隠した。
「先輩? 彼女に何か用事でも?」
「良かったら今度お茶でもと誘いに来たんだけど、君に断る必要ある?」
「ありますよ。彼女は僕の大事な人なんです」
……恥ずかしすぎる。顔が赤くなってきた。
「あらまぁアレックスったら独占欲丸出しね」
「「ルヴィ」」
「早く婚約しちゃいなさいよね、なにモタモタしてるのよ」
「うるさいな」
「キャサリンは可愛いからもっといい男いるよ? こんな独占欲と拗らせ系よりもね。今度独身の子息がたくさん来るお茶会があるんだけど、一緒に行かない?」
「行かせるかっ! 断る」
「なんであんたが断るのよ、キャサリンに聞いてるの」
二人の会話を聞いていた。するとぽそっと。
「二人は仲良いよね」
「「良くないっ」」
「息もぴったりだね」
「キャシーの友人としか思ってない。メスでもオスでもなく単なるそれだけ」
「なっ! 失礼ね。こっちのセリフよ!」
ポンポンと言い合う二人の会話を聞いているとつい笑みが漏れる。
「そういう事ですので先輩には申し訳ありませんが失礼します。キャシーいくよ」
「はっ? ちょっと、」
先輩から引き離されてしまった。今度会うことがあったら謝っておこう。
「キャシー、みんなでランチにしましょう。同志のみんなも待ってるから」
「え、そうだね。アレクはどうする?」
「僕は、遠慮しとくよ。昼くらいは同志の皆さんと楽しんできなよ」
「そう? それじゃあね」
……アレクってお昼はどこで食べているんだろう? 食堂では見ないのよね。
「キャサリン、行きましょう」
「あ、うん」
ランチタイムは女子トークで盛り上がる。どこぞの子息がイケメンだとか優しいとか、今度お見合いをするとか、美味しいケーキの店とか。同志の皆さんとの会話では下世話な噂話は全くというほど無い。以前だと内容は殿下の話が多かった。今日も素敵だとか、目が合ったとか、服装がお似合いだとか……それだけで会話がもった方が不思議だよね。恋は盲目というか(今より)若かったのね……(遠い目)
「実は私殿下の婚約者を辞退してから、既に五人の子息の方とお会いしていますのよ。と言ってもお茶をしてお話をするくらいですが、先日お会いした子息は話が盛り上がるわけでもありませんでしたが、一緒にいる空間がまったりしていて、癒されましたのよね。またお会いしたいと思っていたらその子息も同じように思って下さったようで、来週また会いますの」
「素敵な出会いですわね」
「どんな方か気になりますわね」
などと感想が出ていた。
「キャサリン様はどうですの?」
「私ですか?! 皆さんのように出会いがなくて……」
と言うと、ふふふって笑い出した。
「なんですか?」
「キャサリン様はお綺麗ですから、アレックス様は大変ですわよね」
「アレクですか?」
「キャサリン様が学園で気兼ねなく過ごせるようにと頑張っていらしてよ?」
「え?」
「あ、あら。ご存知なかったのね……どうしましょう」
ルヴィを見たら顔を逸らされた!
「聞かせてください。アレクは何をしているのですか?」
……ルヴィと共に私に嫌がらせをしてきた人にお仕置きをしたとか? そんなの私は望んで無いのに!
「そうでしたか。後はアレクに直接聞くことにしますね」
「愛されていますのね、キャサリン様」
そうですわね~。と、声にする同志の方々に断りを入れてアレクを探しに席を立つ事にした。
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