23 / 46
アレクが私を?!
しおりを挟む
「え、なに、どうかした?」
メイド達が残念な顔をしながらキャシーを見ていた。この家の皆は僕の味方だと父に聞いた。キャシーがこの家にいて欲しいと思っているんだ。
「いや、ミルクが丸まっているな……と思って。今は子猫だけど大きくなるんだろと思ってさ」
話を変えよう。
「そこまで大きくならない種類だって聞いてるよ。寿命は八年くらいだって。そうしたら私は二十四歳か……いつまで一緒にいられるかな」
「何をおかしな事を言っているんだ? ミルクを飼いたいと言ったのはキャシーだから最後まで面倒見なきゃダメだろう?」
「そうだけど、アレクがお嫁さんをもらったら、」
この話はまだ続いていたのか……メイド達と目が合い扉に視線を向けるとスッと出て行った。この部屋はキャシーと二人+ミルクだけ。
「はぁ。分かんないか……そんな鈍感で王族と結婚しようと思っていたなんてな」
「む……」
膨れるキャシーは無視する。
「好きにして良いって言われたから好きにすることにしたんだ」
「うん。いいよ」
「一応許可をとってから好きにするけど」
「どう言う意味?」
「良い加減に気づけ、僕はキャシーが好きだ。結婚するならキャシーが良い」
「……え?」
まじで気づいてないのか……それはそれでショックだ。
「ずっとキャシーが好きだったよ。分かんなかったのか?」
「家族愛とかじゃなく?」
首を振る。
「キャシーを女の子として見ている。もちろん家族としても好きだけど、伝わんないのかな」
「そうなんだてっきりアレクはルヴィかセリアさんを好きだと思っていたから驚いた」
「……それは誤解、いや。キャシーの勘違いだ。絶対ない。僕が好きなのはキャシーだけだし、キャシーが子息と話しているのもミルクがオスだというのも気に入らない」
「ミルクはオスなの?」
……まじかよ。
「アレがついてるからな」
「あ! やだっ。見ちゃった」
腹をこちらに向けているから丸見えだ。
「キャシーは僕を男として見れないか?」
「……まだ分かんない」
断られなかったからホッとした。
「キャシーには僕のこと好きになってもらうから覚悟しといて」
好きにして良い。って言ったのはキャシーだ。好きな子にアタックして何が悪い?
「覚悟って……何するの」
そんな不安そうな顔をしてもダメだ。
「好きな女の子に告白をして、そのまま黙って返事を待つわけないだろう? 一緒に住んでいるんだし、こんなに距離が近い」
キャシーの顔の前に近寄ると顔を急に赤くした。ナニコレすっごく可愛いんですけど……
「アレク、顔近いよ……」
「うん。わざとだから」
「意地悪しないでよ……」
「……キャシー覚えておいて。これは夢じゃなく現実。僕はキャシーの事が大好きだ」
額に触れるだけのキスをした。今日はここまで。
「考えといて」
そういって部屋を出た。
******
~キャサリン~
顔を真っ赤にしてクッションを抱きしめる。
「アレクって私の事……好きなの?」
アレクがうちに来た時私は嬉しかった。兄妹が欲しかったから。でもそんな事両親には言えなくて……アレクがいてくれて嬉しかった。アレクは勉強も出来て剣術も体術も騎士団に入れるほどの実力者。しなやかな筋肉でいつも私を安心させてくれる。ムキムキした人はなんとなく苦手だから、中性的な殿下に惹かれたというのもある。アレクの声は落ち着くし絶対に大きな声をあげない。小さい頃に知らないおじさんに怒られてから大きな声が苦手だ(怒られた相手は王宮の警備の人。木に登っていて落ちそうになったところを助けてもらったんだけど、危ないって怒られた。自分が悪いけれど怖くて泣いた)その時もアレクが慰めてくれた。
殿下の事を諦めたのもアレクがいたからだし、いつも何かあるとアレクがいてくれて……って! アレクのいない生活なんて考えられないじゃない。いつも何かあればアレクに頼って、どこに行くにもアレクと一緒で(数年間の黒歴史を除いて)
「お嬢様、お茶をお淹れしました」
メイドがお茶を淹れてくれた。このメイドはユウリーンという私の五つ上のメイドで、厨房に彼氏がいる。
「ねぇ。アレクの事なんだけど」
「はい。どうかされましたか?」
「アレクの好きな子って知ってる?」
「くすくす……はい。存じ上げています。とてもとても可愛らしいお嬢様でとても大事にされていますね」
名前は言わないんだ……でもユウリーンも知ってたんだ。
「みんな知ってるの?」
「分かりやすく大事にされていますよ? 昔から一途に想っていますからね。ようやく告白なさったんですかね? 私からみるとそのお嬢様は鈍感です。しかし答えは出ているのだと思いますし、失礼を承知で言いますと、とってもお似合いですけどね」
みんな知っているのに私だけ知らなかったのか。近くにいすぎると気がつかないのね。私は自分の目で見たものや聞いたことしか真に受ける事ができないから……アレク本気なんだよね。それなら本気で考えて返事をしなきゃね。
メイド達が残念な顔をしながらキャシーを見ていた。この家の皆は僕の味方だと父に聞いた。キャシーがこの家にいて欲しいと思っているんだ。
「いや、ミルクが丸まっているな……と思って。今は子猫だけど大きくなるんだろと思ってさ」
話を変えよう。
「そこまで大きくならない種類だって聞いてるよ。寿命は八年くらいだって。そうしたら私は二十四歳か……いつまで一緒にいられるかな」
「何をおかしな事を言っているんだ? ミルクを飼いたいと言ったのはキャシーだから最後まで面倒見なきゃダメだろう?」
「そうだけど、アレクがお嫁さんをもらったら、」
この話はまだ続いていたのか……メイド達と目が合い扉に視線を向けるとスッと出て行った。この部屋はキャシーと二人+ミルクだけ。
「はぁ。分かんないか……そんな鈍感で王族と結婚しようと思っていたなんてな」
「む……」
膨れるキャシーは無視する。
「好きにして良いって言われたから好きにすることにしたんだ」
「うん。いいよ」
「一応許可をとってから好きにするけど」
「どう言う意味?」
「良い加減に気づけ、僕はキャシーが好きだ。結婚するならキャシーが良い」
「……え?」
まじで気づいてないのか……それはそれでショックだ。
「ずっとキャシーが好きだったよ。分かんなかったのか?」
「家族愛とかじゃなく?」
首を振る。
「キャシーを女の子として見ている。もちろん家族としても好きだけど、伝わんないのかな」
「そうなんだてっきりアレクはルヴィかセリアさんを好きだと思っていたから驚いた」
「……それは誤解、いや。キャシーの勘違いだ。絶対ない。僕が好きなのはキャシーだけだし、キャシーが子息と話しているのもミルクがオスだというのも気に入らない」
「ミルクはオスなの?」
……まじかよ。
「アレがついてるからな」
「あ! やだっ。見ちゃった」
腹をこちらに向けているから丸見えだ。
「キャシーは僕を男として見れないか?」
「……まだ分かんない」
断られなかったからホッとした。
「キャシーには僕のこと好きになってもらうから覚悟しといて」
好きにして良い。って言ったのはキャシーだ。好きな子にアタックして何が悪い?
「覚悟って……何するの」
そんな不安そうな顔をしてもダメだ。
「好きな女の子に告白をして、そのまま黙って返事を待つわけないだろう? 一緒に住んでいるんだし、こんなに距離が近い」
キャシーの顔の前に近寄ると顔を急に赤くした。ナニコレすっごく可愛いんですけど……
「アレク、顔近いよ……」
「うん。わざとだから」
「意地悪しないでよ……」
「……キャシー覚えておいて。これは夢じゃなく現実。僕はキャシーの事が大好きだ」
額に触れるだけのキスをした。今日はここまで。
「考えといて」
そういって部屋を出た。
******
~キャサリン~
顔を真っ赤にしてクッションを抱きしめる。
「アレクって私の事……好きなの?」
アレクがうちに来た時私は嬉しかった。兄妹が欲しかったから。でもそんな事両親には言えなくて……アレクがいてくれて嬉しかった。アレクは勉強も出来て剣術も体術も騎士団に入れるほどの実力者。しなやかな筋肉でいつも私を安心させてくれる。ムキムキした人はなんとなく苦手だから、中性的な殿下に惹かれたというのもある。アレクの声は落ち着くし絶対に大きな声をあげない。小さい頃に知らないおじさんに怒られてから大きな声が苦手だ(怒られた相手は王宮の警備の人。木に登っていて落ちそうになったところを助けてもらったんだけど、危ないって怒られた。自分が悪いけれど怖くて泣いた)その時もアレクが慰めてくれた。
殿下の事を諦めたのもアレクがいたからだし、いつも何かあるとアレクがいてくれて……って! アレクのいない生活なんて考えられないじゃない。いつも何かあればアレクに頼って、どこに行くにもアレクと一緒で(数年間の黒歴史を除いて)
「お嬢様、お茶をお淹れしました」
メイドがお茶を淹れてくれた。このメイドはユウリーンという私の五つ上のメイドで、厨房に彼氏がいる。
「ねぇ。アレクの事なんだけど」
「はい。どうかされましたか?」
「アレクの好きな子って知ってる?」
「くすくす……はい。存じ上げています。とてもとても可愛らしいお嬢様でとても大事にされていますね」
名前は言わないんだ……でもユウリーンも知ってたんだ。
「みんな知ってるの?」
「分かりやすく大事にされていますよ? 昔から一途に想っていますからね。ようやく告白なさったんですかね? 私からみるとそのお嬢様は鈍感です。しかし答えは出ているのだと思いますし、失礼を承知で言いますと、とってもお似合いですけどね」
みんな知っているのに私だけ知らなかったのか。近くにいすぎると気がつかないのね。私は自分の目で見たものや聞いたことしか真に受ける事ができないから……アレク本気なんだよね。それなら本気で考えて返事をしなきゃね。
15
お気に入りに追加
473
あなたにおすすめの小説

【完結】愛していないと王子が言った
miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。
「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」
ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。
※合わない場合はそっ閉じお願いします。
※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

婚約者のいる運命の番はやめた方が良いですよね?!
月城光稀
恋愛
結婚に恋焦がれる凡庸な伯爵令嬢のメアリーは、古来より伝わる『運命の番』に出会ってしまった!けれど彼にはすでに婚約者がいて、メアリーとは到底釣り合わない高貴な身の上の人だった。『運命の番』なんてすでに御伽噺にしか存在しない世界線。抗えない魅力を感じつつも、すっぱりきっぱり諦めた方が良いですよね!?
※他サイトにも投稿しています※タグ追加あり

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる