初恋は苦い思い出。でも、出会うべく人と出会いました。

さこの

文字の大きさ
42 / 61

果たし状ってどんなセンスだ?

しおりを挟む
 
 ~ジルベルト視点~

「ジルベルト・ロワールよく逃げずにきたな!」

 オフィーリアには内緒にしておこう。因みにフローリア嬢にも内緒だ。この場に居たら面倒だから。

 ルシアンに話すと公平なジャッジがいるな。と剣術の先生に頼み来てもらった。決闘? なんてしたことがないからどういうものか分からないし学園が休みの日に行うことにした。学生同士の決闘だから命に関わる事はないと思うが念のため先生に頼んだというのもある。それにケガでもして後々面倒な事になりかねない。


「まぁね。負ける気しないし?」

「両者共口を慎むように! さてこの決闘だがお互いに何を求めるんだ?」

 敗者は今後一切オフィーリアに近寄らない事。勝者に対して敬意を払う事、オフィーリアが望めば勝者と仲を深めても良い事、それに対して文句を言わない事。
 ルールは簡単“負けを認めた場合”“剣を落とした場合”“先生に止められた場合”剣を使った試合だから足を使うのは禁止。という事だ。

「流石に五対一というわけにはいかないだろうから、一対一の闘いだろうが……ジルベルト君はそれで良いのか? 五回試合をして勝たなくてはいけない。不利になる」

「問題ありませんよ。とっととやっちゃいましょう!」

 口を慎むように! ともう一度怒られた。そして第一戦。

「この女顔が生意気だ!」
 とかかってきた子息には一瞬で勝った。

「田舎貴族が!」
 とかかってきた子息の腕を剣で(木刀)叩くと剣を落とし勝った。みんな口ほどにもないんだけど……まじ?

 ~割愛~

 最後の子息はそこそこ強かったな。うん。木刀を振り下ろし頭の前でピタッと止めたら“参りました”と降参した。

「はぁっ。ジルベルト君の勝利。君たちはこれからカルメル嬢に近寄る権利は無くなった、ジルベルト君がカルメル嬢とくっついても文句を言わない、男に二言はないな?」

「「「「「…………は、い」」」」」


「あとな、見た目で判断するのはとっても危険だ。ジルベルト君の家はお祖父さんの時代はこの国にロワール将軍あり。とまで言われていた闘将なんだぞ。戦争を終わらせたのも将軍のおかげだし、その後平和になりすっかり忘れているけれど現ロワール伯爵も穏やかな方だが相当な腕の持ち主だぞ。それにな、田舎貴族と言ったがロワール領は近隣国まで一日とかからず、王都まで一日という立地だ。分かるかなー? どっちにしろすぐに臨戦体制が整うんだ」


「「「「「え!」」」」」

 若い子息達は知らないか。騎士系の家だと結構知っていたりするんだけど。まぁ過去の話だし?

「いやー。平和ボケだな……現在のロワール領は穏やかだが、将軍に憧れて移住してきた者が多く腕が立つものも多いし、現在騎士をしている者もロワール領の出身者が多いのは騎士なら誰でも知っているんだが……ジルベルト君が強いのはそういう経緯があるからだ。決闘するなら相手のことをちゃんと調べないと……コレ基本だからな。強く見せずに実は強いっていうのも戦術だ。相手が悪かったな、先生からは以上」

 今は平和すぎるロワール領。仕事をしながら鍛錬をし隙間を見て花を植えたり清掃したり……自慢の領地だ。小さい頃からそんな領民達に鍛えられている僕もそこそこ腕が立つ。

「ジルベルトの圧勝だな。君たち約束はちゃんと守るように。守らなかったら……分かるよね?」

 にこり。とルシアンが笑った。ソレイユ侯爵家を敵に回す=フェロウズ公爵家も敵になる=貴族界からの総スカン。という縮図が頭に浮かぶ。その後は籍を抜かれるなり平民になるなりって所かな。表舞台には立てないと想像する。

「「「「「……はい」」」」」

「正々堂々と僕は戦った。何か他に言いたい事ある?」

 オフィーリア見守り隊5は首を振りすごすごと立ち去った。

「さすがジルベルト相変わらず強いな! 剣術で僕は敵わないからな」

「わざわざ休みの日に付き合わせてしまって悪かった。フローリア嬢にはなんて?」

「ジルベルトと遊んでくる! と言ったら“あら、そう”と言っていた。何かを察していても聞かないでくれるが、後から聞いてくるだろうからその時は言ってもいいか?」

 絶対に聞いてくるだろうな。答えなかったらルシアンが責められるだろう。それは申し訳ない。

「いいけれどオフィーリアには言わないで欲しいんだ。心配かけてしまうから」

「ははは、了解。フローリアにもそう伝えるよ」
「頼む」


 僕は平和的解決で話し合いでも良かったんだが、決闘の方が楽なのかもしれない。どっちが上か分かるだろう。



 次の日聞かされた内容はオフィーリア見守り隊5は解散。僕への見方も変わったようだ。ただ問題は……

「ジルベルト君、おはよう!」

 と見守り隊5の子息が声をかけてくるようになった。オフィーリアがいても構わずに!

「……あぁ、おはよう」
「おはようございます」

 オフィーリアが答えると満足気味に顔を赤く染める。オフィーリアに近寄るなという誓約はどうなったんだ! と聞く。
 
『オフィーリア嬢が一人の時は声をかけないし、近寄らない! 君に挨拶をしようとしたらオフィーリア嬢が偶然いただけだ!』

 と言う。

『約束は違わない! 安心しろ』

 となぜか上から目線だったが、それくらいで目くじらを立てるとオフィーリアに不審がられるから多めに見てやる事にした。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

えっ「可愛いだけの無能な妹」って私のことですか?~自業自得で追放されたお姉様が戻ってきました。この人ぜんぜん反省してないんですけど~

村咲
恋愛
ずっと、国のために尽くしてきた。聖女として、王太子の婚約者として、ただ一人でこの国にはびこる瘴気を浄化してきた。 だけど国の人々も婚約者も、私ではなく妹を選んだ。瘴気を浄化する力もない、可愛いだけの無能な妹を。 私がいなくなればこの国は瘴気に覆いつくされ、荒れ果てた不毛の地となるとも知らず。 ……と思い込む、国外追放されたお姉様が戻ってきた。 しかも、なにを血迷ったか隣国の皇子なんてものまで引き連れて。 えっ、私が王太子殿下や国の人たちを誘惑した? 嘘でお姉様の悪評を立てた? いやいや、悪評が立ったのも追放されたのも、全部あなたの自業自得ですからね?

妹の嘘を信じて婚約破棄するのなら、私は家から出ていきます

天宮有
恋愛
平民のシャイナは妹ザロアのために働き、ザロアは家族から溺愛されていた。 ザロアの学費をシャイナが稼ぎ、その時に伯爵令息のランドから告白される。 それから数ヶ月が経ち、ザロアの嘘を信じたランドからシャイナは婚約破棄を言い渡されてしまう。 ランドはザロアと結婚するようで、そのショックによりシャイナは前世の記憶を思い出す。 今まで家族に利用されていたシャイナは、家から出ていくことを決意した。

私が、良いと言ってくれるので結婚します

あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。 しかし、その事を良く思わないクリスが・・。

【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない

春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。 願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。 そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。 ※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

忘れられた幼な妻は泣くことを止めました

帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。 そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。 もちろん返済する目処もない。 「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」 フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。 嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。 「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」 そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。 厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。 それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。 「お幸せですか?」 アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。 世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。 古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。 ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。 ※小説家になろう様にも投稿させていただいております。

殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。

和泉鷹央
恋愛
 雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。  女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。  聖女の健康が、その犠牲となっていた。    そんな生活をして十年近く。  カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。  その理由はカトリーナを救うためだという。  だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。  他の投稿サイトでも投稿しています。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください

ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。 義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。 外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。 彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。 「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」 ――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。 ⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎

悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです

天宮有
恋愛
伯爵令嬢シンディの妹デーリカは、様々な人に迷惑をかけていた。 デーリカはシンディが迷惑をかけていると言い出して、婚約者のオリドスはデーリカの発言を信じてしまう。 オリドスはシンディとの婚約を破棄して、デーリカと婚約したいようだ。 婚約破棄を言い渡されたシンディは、家を捨てようとしていた。

処理中です...