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ジルベルト様に誘われた
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「あのさ、」
「うん」
「今度フローリア嬢の家に行く時は僕が迎えに行ってもいいかな」
え! ジルベルト様が?!
「ダメかな?」
「ダメじゃ、ない。でも遠回りになるんじゃ、ない?」
「問題ない。ちょっとのことだから。一緒に行こう」
「うん」
わぁ。ドキドキする……ジルベルト様がうちにくるの?! どうしよう!
公爵夫妻にお会いするんだからちゃんとドレスアップしなきゃいけないし、あ! だからエスコートをしてくれるのかな。そうだ、そうだ。
******
「あら。気合が入っているわね」
「だって公爵家に行くんだしちゃんとしなきゃ、もう来るな! って言われたら困るもん」
「いつもより準備が早いんじゃない? まだ時間に余裕があるでしょう?」
お母様と話をしていたら馬車の音が聞こえた!
「ジルベルト様かも!」
エントランスへ行くとお母様の友達だった……流石に早いか……次々とやってくるお母様の友達。顔を合わせたので挨拶をしてお話をすることになった。すると……
「お嬢様、ロワール伯爵子息がお迎えに来られましたよ」
「はいっ!」
「お迎えが来たので失礼しますわね」
時間があったので少しだけお茶会に参加していた。でも少し早いよね? エントランスへ行くと小さなブーケを持ってジルベルト様が立っていた。
「オフィーリア、少し早いけれど迎えにきたよ」
「ジルベルト様、ようこそ」
「これ、オフィーリアは白い花が好きだったよね? 庭のカラーが綺麗だったから持ってきた」
スマートだわ。そしてキレイなカラーだわ。白とグリーンが初夏を感じさせた。
「ありがとう。嬉しいです」
照れながら受け取る。
「今日のオフィーリアはすごくキレイだね。いつもと感じが違う」
「ジルベルト様もとてもステキです。か、かっこいいよ」
ジルベルト様ってこんな人だったっけ? 恥ずかしいけど嬉しい。まだ時間はあるし早く行き過ぎてもダメだよね……そうだ!
「ジルベルト様、まだ時間があるのでお茶でもしませんか?」
「いいの? お邪魔して」
「ロワール子息、いつも娘がお世話になっております」
「おかあさまっ!」
「挨拶に来たのよ。わざわざ迎えにきてくださったのに顔を出さないわけには行かないわよ」
「夫人初めまして。ジルベルト・ロワールと申します。オフィーリア嬢とは親しくさせていただいています。よろしくお願いします」
「まぁ。丁寧な挨拶痛み入りますわ。よろしかったらわたくしの友達がいるんだけど少しお話をしない?」
「はい、喜んで」
「え! なんで! ジルベルト様断って良いんだよ! 面倒だよ。あの年頃の夫人たちって!」
「……失礼な子ね。美味しいお茶があるのよ!」
お母様のお友達は三人きていた。ハリーのお母様もいる。
「あらぁーオフィーリアちゃんも隅におけないわね!」
「あら! そういうことなの?」
「お似合いね。爽やかな二人ね」
「もうっ、違うから。ジルベルト様が困っているでしょう!」
「初めまして。ジルベルト・ロワールと申します。本日は友人宅でお茶会があるのでオフィーリア嬢を迎えに参りました。皆さんとお会いできて嬉しいです」
「ハンサムね。お会いできて嬉しいわ」
「素敵な子息ね。よろしくお願いしますわ」
「丁寧な挨拶ありがとうございます」
「どちらでお茶会をされるの? オフィーリアちゃんいつもより気合が入っているわね」
ハリーのお母さんめ、余計なことを……
「フェロウズ公爵家のフローリア嬢に招かれました。フェロウズ公爵夫妻が一時帰宅されているそうです」
にこりと微笑むジルベルト様。
「「「まぁっ!」」」
「オフィーリアが親しくさせてもらっているのよ。サツマイモのお菓子の件でロワール子息とも親しくなって、今日のこのお菓子もオフィーリアとロワール子息が考えたのよ」
焼いたサツマイモを冷やしたらねっとりしてクリームみたいな食感になる。その上にジェラートをのせたもの。早く食べないと溶けちゃうじゃない!
「サツマイモは王妃様も気に入って今や最先端ですものね。また美味しいレシピを教えてね」
「好評みたいだね」
「うん」
それからお茶だけを飲んで家を後にした。
「ごめんね、お母様のお友達がなんでも聞いてくるから困ったでしょう?」
「いや。問題ないよ。ちゃんと挨拶出来て良かった」
挨拶? 良かったのかな……
******
その後家に着いたハリーの母親はハリーに言った。
「オフィーリアちゃんとロワール子息、お似合いだったわ! 礼儀正しくて素敵な子息ね」
「は? ロワール子息がなぜ?」
「フェロウズ公爵家に招かれているようで一緒に行くんですって。オフィーリアちゃんのドレス姿も綺麗だったわよ。ハリーったら逃がした魚は大きいわよ! いくら妹にしか見えないと言っても、大きくなったら違うでしょう?」
「……そうだ、ね」
あいつ、とうとうオフィーリアの家まで行ったのか! 図々しい奴だな!
「うん」
「今度フローリア嬢の家に行く時は僕が迎えに行ってもいいかな」
え! ジルベルト様が?!
「ダメかな?」
「ダメじゃ、ない。でも遠回りになるんじゃ、ない?」
「問題ない。ちょっとのことだから。一緒に行こう」
「うん」
わぁ。ドキドキする……ジルベルト様がうちにくるの?! どうしよう!
公爵夫妻にお会いするんだからちゃんとドレスアップしなきゃいけないし、あ! だからエスコートをしてくれるのかな。そうだ、そうだ。
******
「あら。気合が入っているわね」
「だって公爵家に行くんだしちゃんとしなきゃ、もう来るな! って言われたら困るもん」
「いつもより準備が早いんじゃない? まだ時間に余裕があるでしょう?」
お母様と話をしていたら馬車の音が聞こえた!
「ジルベルト様かも!」
エントランスへ行くとお母様の友達だった……流石に早いか……次々とやってくるお母様の友達。顔を合わせたので挨拶をしてお話をすることになった。すると……
「お嬢様、ロワール伯爵子息がお迎えに来られましたよ」
「はいっ!」
「お迎えが来たので失礼しますわね」
時間があったので少しだけお茶会に参加していた。でも少し早いよね? エントランスへ行くと小さなブーケを持ってジルベルト様が立っていた。
「オフィーリア、少し早いけれど迎えにきたよ」
「ジルベルト様、ようこそ」
「これ、オフィーリアは白い花が好きだったよね? 庭のカラーが綺麗だったから持ってきた」
スマートだわ。そしてキレイなカラーだわ。白とグリーンが初夏を感じさせた。
「ありがとう。嬉しいです」
照れながら受け取る。
「今日のオフィーリアはすごくキレイだね。いつもと感じが違う」
「ジルベルト様もとてもステキです。か、かっこいいよ」
ジルベルト様ってこんな人だったっけ? 恥ずかしいけど嬉しい。まだ時間はあるし早く行き過ぎてもダメだよね……そうだ!
「ジルベルト様、まだ時間があるのでお茶でもしませんか?」
「いいの? お邪魔して」
「ロワール子息、いつも娘がお世話になっております」
「おかあさまっ!」
「挨拶に来たのよ。わざわざ迎えにきてくださったのに顔を出さないわけには行かないわよ」
「夫人初めまして。ジルベルト・ロワールと申します。オフィーリア嬢とは親しくさせていただいています。よろしくお願いします」
「まぁ。丁寧な挨拶痛み入りますわ。よろしかったらわたくしの友達がいるんだけど少しお話をしない?」
「はい、喜んで」
「え! なんで! ジルベルト様断って良いんだよ! 面倒だよ。あの年頃の夫人たちって!」
「……失礼な子ね。美味しいお茶があるのよ!」
お母様のお友達は三人きていた。ハリーのお母様もいる。
「あらぁーオフィーリアちゃんも隅におけないわね!」
「あら! そういうことなの?」
「お似合いね。爽やかな二人ね」
「もうっ、違うから。ジルベルト様が困っているでしょう!」
「初めまして。ジルベルト・ロワールと申します。本日は友人宅でお茶会があるのでオフィーリア嬢を迎えに参りました。皆さんとお会いできて嬉しいです」
「ハンサムね。お会いできて嬉しいわ」
「素敵な子息ね。よろしくお願いしますわ」
「丁寧な挨拶ありがとうございます」
「どちらでお茶会をされるの? オフィーリアちゃんいつもより気合が入っているわね」
ハリーのお母さんめ、余計なことを……
「フェロウズ公爵家のフローリア嬢に招かれました。フェロウズ公爵夫妻が一時帰宅されているそうです」
にこりと微笑むジルベルト様。
「「「まぁっ!」」」
「オフィーリアが親しくさせてもらっているのよ。サツマイモのお菓子の件でロワール子息とも親しくなって、今日のこのお菓子もオフィーリアとロワール子息が考えたのよ」
焼いたサツマイモを冷やしたらねっとりしてクリームみたいな食感になる。その上にジェラートをのせたもの。早く食べないと溶けちゃうじゃない!
「サツマイモは王妃様も気に入って今や最先端ですものね。また美味しいレシピを教えてね」
「好評みたいだね」
「うん」
それからお茶だけを飲んで家を後にした。
「ごめんね、お母様のお友達がなんでも聞いてくるから困ったでしょう?」
「いや。問題ないよ。ちゃんと挨拶出来て良かった」
挨拶? 良かったのかな……
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その後家に着いたハリーの母親はハリーに言った。
「オフィーリアちゃんとロワール子息、お似合いだったわ! 礼儀正しくて素敵な子息ね」
「は? ロワール子息がなぜ?」
「フェロウズ公爵家に招かれているようで一緒に行くんですって。オフィーリアちゃんのドレス姿も綺麗だったわよ。ハリーったら逃がした魚は大きいわよ! いくら妹にしか見えないと言っても、大きくなったら違うでしょう?」
「……そうだ、ね」
あいつ、とうとうオフィーリアの家まで行ったのか! 図々しい奴だな!
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