私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした

さこの

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「……太陽十架ラナ・クルセ?」
 いつものように中庭パティオに出て長い鎖につながれた時、中庭パティオ片隅かたすみに、弟は、今までは無かった小さな太陽十架ラナ・クルセを見つけた。

 弟は、その小さな太陽十字ラナ・クルセに、鎖が届くギリギリまで寄って行き、しゃがんで見た。
 藍黒らんこく石に金や銀で象嵌ぞうがんされて造られていた、手のひら程の太陽十架ラナ・クルセは、美しかった。

「すごく綺麗……ーーだけれど」

 これは……でなければ、奥つ城おくつき……。

「リシェ」
「兄さま……」
 兄に腕を取られ立ち上がると、弟は自分から兄の頬に口づけた。それから唇に触れると、直ぐに兄に頭を引き寄せられ、濃厚な口づけを与えられた。
 深く唇を合わせ、何度も舌を絡ませる。それだけで良く調教されている弟の身体は、簡単に火が着いた。

それラナ・クルセが、気になるか?」
「んっ……は……ぁ……」
 背後にまわられた兄に耳をまれ、胸のとがりを……口づけだけで、既にっている乳首を弾かれ、弟はあっという間に陥落かんらくする。

「その太陽十架ラナ・クルセは、兄の罪の刻印しるし
「あ…………や……ぁ、リシェ、の……」
「違う」

 ーーこれは純然たる、兄自身の罪。

 兄は、言いながら弟をさいなんでいき、弟は立っているのも覚束おぼつかなくなっていく。

「兄さま……ーーおね…が……、抱……て……くだ……い」

 内腿うちももれたしずくで、兄が、弟の肛門アヌスふちをくるくるたわむれででる頃には、ツーーと、弟の頬を快感による生理的な涙が伝っていた。

「ーーここで? こんな明るい空の下で」
 揶揄やゆする兄の言葉に、素直に弟は頷いた。

「はい、兄……さま、ここで。ーーリシェ足……、開…く、から……抱いて……?」
 兄は、弟の足をすくって横抱き、中庭パティオに据え置いてある大きなソファファラへと歩み、弟を降ろした。

「何をそんな泣き出しそうな表情かおをしているんだ」
「だ…って……! リシェ……初めて、“嫉妬”っていう言葉が……意味、を……」

 ーー知った。

「何故……? そうだ、リシェが自分が言ったのだから……自分で足を抱えて大きく開いて見せなさい」
「んっ……、に…さま……」
 頬に朱をいても、弟は、震える手で足を開く。

「さぁ、どんな恥ずかしいことを言わせようか……? それとも、自分で言うのか? リシェ」
「い…いつも……いつもたくさん、言っているのに……言…わなきゃ、駄目、なの……?」

 くすくす笑って兄は、弟をうながす。
「駄目だよ、リシェ。何回でも言わせると言ったろう? ーーそれに、……? ここで……明るいところで、恥ずかしいことが」

 弟は、コク、と頷いた。
 何回も口にした、恥ずかしいねがいを今日も口にて、兄にねだる。

「あ……、リシェリシェ……ど…うか、この恥ずかしい恰好で、肛門アヌス……兄さま、リシェ肛門アヌスめて、くださ……い。に、さまの舌、とがらせて、リシェ肛門アヌス、くにくにって……いっぱい、えぐって、中まで、 濡らして……!! リシェ……お尻……お尻を振りたい……! ぃあ……っ」

「兄さまが良い、と言う前にもうリシェの尻はれている」

 くちゅり……


「あ……にい、さま……どうか、ゆる……許して……」

 くちゅ……くちゅ、ちゅぷ……っ……

「ひぁっ……あ……い……」

「もうひとつ。じめて欲しいところが
 、……ある、だろう?」
 兄は、焦らすように肛門アヌスをくすぐって、弟に嬌声きょうせいを上げさせた。

「乳首っ……乳首を、一緒にいじめてくださいーーっ! はぅ……っ!!」



 §



「あ……あぁ……っ、…………」

 弟は兄の膝に座らされ、背を兄の胸に預けながら突き上げられていた。

 キツく乳首をまむ、背後から回された兄の指に、弟も手を重ね、身もだえながら、腰を使った。

「何故……“嫉妬”を知った、と……?」
 恍惚こうこつと、しながらさぶられている弟に、兄はささやいた。

「あ……ぅんっ……気持ち……ぃっ……! ーー……って、……ぃさま、あのコに……情を……かけた……でしょ……う? ひぅっ!」

「ーーあの子?」

「あの、十架クルセの、コーーんっ!」

「…………」

「綺麗、だもの。ーーあの、十架クルセ……は……ぁっ……」

「兄さまの情は、お前だけのものだよ。ーーあれは、ただ一人だけの理解者。ーーそれでも、首を切った」

「そう…………あ、あ……もっ……と! もっと、男根ペニス突いてっ!! あ……ーーイく、イかせてにい、さま……あ……っ、ーーリシェドライメスイキしちゃう……っ!!」


「良いよ、リシェ」



 §



「ーーん………ぁ…………」
 弟が、眼を開けると身体はゆったりと、揺れていて、肛門アヌスには兄の男根ペニスで貫かれたままだった。

「にいさま……」

「……リシェお前も兄さまに切られたかったか……?」

 ぐりっと、男根ペニスが奥へ当たり、弟は、気持ちい……と、涙をこぼしながら、ふふっと花がほころぶように笑う。

「は……ぁ…………ぃ……」

「リシェ……」

「兄さま……リシェは、兄さまの重荷になるくらいなら、はかなくなってしまいたかった」

 ーーでも、と、弟は続ける

「でもね、リシェ……、兄さまが思うほど良い子じゃない……」

 ーー罪深いのは、リシェ

「リシェ……」

「兄さまが、リシェを赦してくれるなら……。生きて、こうして……兄さまに可愛がってもらえる方が良い……。兄さま……助けてくれて、ありがとう。リシェは、兄さまと生きたい……だから、兄さまの性奴隷でしかない身だけれど……どうか、罪は半分、リシェにも負わせてください」
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