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フランク2

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少し時間が遡ります

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「おまえと言うやつはなんて事をしてくれたんだ」
アダムス家当主であるレイモンが息子のフランクに怒鳴りつけ、
呆然とするフランク
「アイリーンがあんなに可愛かったとは…」
「昔から可愛かったじゃないの!伯爵譲りの銀の髪の毛に紫水晶のような瞳…あなた今更何を言ってるの?」
母オレリアはとにかく怒っている

「アイリーンが、嫁にきてくれるからと言って支度金を貰っていた…その金でお前は他所の娘にドレスを買い、エスコートをした、しかも我が家のパーティーで、バシュレ伯爵の前でだぞ」
怒る気持ちを抑えてフランクに説明をする

「数年前の水害でもバシュレ伯爵には多大な協力を得ている…アイリーンと婚約して貰って親戚になりご縁を繋ぎたかった…分かるか?頭を下げてアイリーンを婚約者にと望んだのはうちアダムスなんだ!」

「旦那様!バシュレ伯爵から手紙が届きました」
「よこせ!」
侍従の持っているトレーから手紙をひったくり読む
「…明日婚約破棄についての話しがしたいそうだ」
「あなた…」
アダムス夫妻は頭を抱えている
「お前も一緒に話を聞け…以上だ」

昼近くになり、アイリーンの父マクシミシアンと兄ラウルがアダムス家にやってきた

「昨日の茶番の話で来たんだ」
和かに話すマクシミシアン
冷や汗を流すアダムス夫妻…

応接室に通されソファに腰掛ける
「さて、前置きは良いから婚約破棄の書類を持ってきた、サインしてくれ」
すっと机に広げるマクシミシアン

「いえ、その、息子は思いとどまりましてアイリーンとやり直したいと申しております」
頭を下げるアダムス夫妻
チラッとフランクを見るマクシミシアンとラウル
「私が間違っていました…アイリーンとはうまくやっていたのに、少しのすれ違いで…」
フランクの話の途中だがラウルが声をあげる
「少しだと…?」
「えぇ…」
「ほぅ、ならばなぜアイリーンが,侮辱されなければならないのか説明を聞かせてもらおうか…」

「……………アイリーンがエイプリル嬢を虐めていたと…その、私に対して嫉妬していると聞きました」
しどろもどろになりながらも答えるフランク

「それは誰が言った事だ?」
ラウルが余裕ある表情でフランクに問う

「……エイプリル嬢が泣きながら切々と訴えてきました…」
下を向き呟くように答えるフランク

「それを調べもせず真に受けたと言う事だね?」
マクシミシアンが答える

「……はい」
フランクが答え、アダムス夫妻の顔が青くなる…

「フランク殿はアイリーンとの婚約を破棄すると大勢の前で宣言し、新しい婚約者殿をデュエム子爵令嬢にすると言ったね?」
マクシミシアンが穏やかな表情をする

「……それは、撤回します!」
フランクがマクシミシアンを見るが

「アダムス伯爵夫妻からアイリーンを是非にと言われた、君たちは幼馴染だし仲良くしてくれればとおもったが、無理だった…親が勝手に決めた婚約だ、君はデュエム子爵令嬢と仲良くしなさい、もう娘とは関わらない様に!」

マクシミシアンがアダムス夫妻にサインを促しペンを渡す。

もうどうにもならないのだ…悟ったアダムス伯爵は書類にサインを書く。
自分勝手な婚約破棄の場合は慰謝料も支払わなければならない、資金面で援助されていた分も返済せねばならないと言う事態が起きたのだった……


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