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アイリーンの心中
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はぁっ…セドリックお兄様がパートナーを務めてくださるのは嬉しいのだけれど、私じゃ釣り合わないわ…こんな眼鏡を掛けている無粋な女なんて…
それにしてもフランクはどうしたのかしら…自分の邸のパーティーだから忙しくて迎えに来れないとか?
親の勧めとは言え婚約者を蔑ろにするような事はないだろうと…と思っていたアイリーン
翌日パーティーの準備をすべく、侍女たちにドレスアップされるが
「アイリーン様、なんでまたこんな地味なお色を…似合いません!」
「アイリーン様、せめてメガネは外さないと…美しい瞳が隠れてしまいます!」
「「はぁっ」」
ッと溜息を吐く侍女
「良いのよ、お姉様じゃあるまいしパステルカラーなんて似合わないもの…」
ツンとすますアイリーン
侍女達は、あっ!出たツンだ!
顔をピンクに染めるアイリーンが可愛くてしょうがないのだ…
勿論アイリーンは知らない
「紺色のドレスだって大人っぽいでしょ?私のお化けのような白い肌とシルバーの髪の毛じゃパステルなんて…笑われちゃう、お姉さまもお兄様も素晴らしい金色の髪の毛をおもちなのに…お父様譲りのこの髪色…」
母オルガは美しい金色の髪の毛を持つ、昔は国の至宝とも呼ばれたらしい美貌の持ち主だ
父はダンディな艶のあるシルバーの髪の毛を持つ、母とは幼馴染だったらしく父が七歳、母が五歳で婚約をしたそうだ
「伯爵様譲りの素敵なシルバーです!自信を持って!」
メガネを取ろうとする侍女と死守するアイリーンの攻防戦、いつもの事だ…
「セドリック様がお迎えに来られました」
侍女に告げられエントランスへと向かう
「やぁ、今日も可愛いね、アイリーン」
手を取り軽い挨拶のキスをするセドリック
「お兄様ったら冗談ばかり…私みたいなものが、」
「おっと、それ以上は言わない事、ぼくのパートナーだからね」
黒い仕立ての良いタキシードを着込み見惚れるような美しさのセドリック
「セドリック、今日は頼むわね」
母オルガが声を掛けてくる。
「えぇ、お任せください!」
セドリックが返事をする
「私達も一緒に行くわ!」
姉のシュゼットと婚約者のパトリックだ
…えぇ…姉と一緒に…また比べられると思って落ち込むアイリーン
「だめか?アイリーン?」
パトリックに言われ
「いいえ、ご一緒します」
と言うのが精一杯だった
馬車に乗り込みシュゼットが
「お父様とお母様は、お父様が変えられ次第くるそうよ、お兄様はララ様を迎えに行ってるから、現地で会いましょうね」
美しく笑うシュゼット
「…うん」
会場に着くとパーティーに呼ばれている貴族達がわいわいと談笑をしている
「アダムス伯爵だわ、ご挨拶に伺いましょう」
シュゼット先導の元、フランクの両親であるアダムス伯爵夫妻に挨拶に行く
「あら?アイリーン、ドレスはどうしたの?」
フランクの母であるオレリアに言われなんのことだかわからぬアイリーン
「何のことでしょうか?」
はて?とクビを傾げる
「えっ?フランクが、貴方のためにピンクのドレスを用意したでしょう?気に入らなかったの?」
驚くアイリーンだが、シュゼットは何かを感じた…怒りを抑える為に婚約者のパトリックの手をギュッとつなぐ…
「痛い、痛いってば…爪を立てないで
シュゼットに耳打ちをするパトリック
…許せん、フランクとぶつぶつと文句を垂れている、美女の怒り顔は殊更恐ろしい
「アイリーン、ご挨拶は済んだね、あちらへ行こう、僕は喉が乾いたよ」
セドリックがアイリーンをエスコートしようとすると
「フランクはどこへ行ったの?何故エスコートしてないの?」
フランクの母オレリアに言われるも、口を塞ぐアイリーンだった
その後兄ラウルと婚約者ララ、父マクシミシアンと母オルガが到着し合流した
パーティーが始まりフランクがエイプリルを伴い登場した…
バシュレ家の一同は恐ろしい笑みを浮かべ、アダムス家を見る
アダムス伯爵夫妻はひどく焦り、息子の元へと駆けつける事になった
それにしてもフランクはどうしたのかしら…自分の邸のパーティーだから忙しくて迎えに来れないとか?
親の勧めとは言え婚約者を蔑ろにするような事はないだろうと…と思っていたアイリーン
翌日パーティーの準備をすべく、侍女たちにドレスアップされるが
「アイリーン様、なんでまたこんな地味なお色を…似合いません!」
「アイリーン様、せめてメガネは外さないと…美しい瞳が隠れてしまいます!」
「「はぁっ」」
ッと溜息を吐く侍女
「良いのよ、お姉様じゃあるまいしパステルカラーなんて似合わないもの…」
ツンとすますアイリーン
侍女達は、あっ!出たツンだ!
顔をピンクに染めるアイリーンが可愛くてしょうがないのだ…
勿論アイリーンは知らない
「紺色のドレスだって大人っぽいでしょ?私のお化けのような白い肌とシルバーの髪の毛じゃパステルなんて…笑われちゃう、お姉さまもお兄様も素晴らしい金色の髪の毛をおもちなのに…お父様譲りのこの髪色…」
母オルガは美しい金色の髪の毛を持つ、昔は国の至宝とも呼ばれたらしい美貌の持ち主だ
父はダンディな艶のあるシルバーの髪の毛を持つ、母とは幼馴染だったらしく父が七歳、母が五歳で婚約をしたそうだ
「伯爵様譲りの素敵なシルバーです!自信を持って!」
メガネを取ろうとする侍女と死守するアイリーンの攻防戦、いつもの事だ…
「セドリック様がお迎えに来られました」
侍女に告げられエントランスへと向かう
「やぁ、今日も可愛いね、アイリーン」
手を取り軽い挨拶のキスをするセドリック
「お兄様ったら冗談ばかり…私みたいなものが、」
「おっと、それ以上は言わない事、ぼくのパートナーだからね」
黒い仕立ての良いタキシードを着込み見惚れるような美しさのセドリック
「セドリック、今日は頼むわね」
母オルガが声を掛けてくる。
「えぇ、お任せください!」
セドリックが返事をする
「私達も一緒に行くわ!」
姉のシュゼットと婚約者のパトリックだ
…えぇ…姉と一緒に…また比べられると思って落ち込むアイリーン
「だめか?アイリーン?」
パトリックに言われ
「いいえ、ご一緒します」
と言うのが精一杯だった
馬車に乗り込みシュゼットが
「お父様とお母様は、お父様が変えられ次第くるそうよ、お兄様はララ様を迎えに行ってるから、現地で会いましょうね」
美しく笑うシュゼット
「…うん」
会場に着くとパーティーに呼ばれている貴族達がわいわいと談笑をしている
「アダムス伯爵だわ、ご挨拶に伺いましょう」
シュゼット先導の元、フランクの両親であるアダムス伯爵夫妻に挨拶に行く
「あら?アイリーン、ドレスはどうしたの?」
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「何のことでしょうか?」
はて?とクビを傾げる
「えっ?フランクが、貴方のためにピンクのドレスを用意したでしょう?気に入らなかったの?」
驚くアイリーンだが、シュゼットは何かを感じた…怒りを抑える為に婚約者のパトリックの手をギュッとつなぐ…
「痛い、痛いってば…爪を立てないで
シュゼットに耳打ちをするパトリック
…許せん、フランクとぶつぶつと文句を垂れている、美女の怒り顔は殊更恐ろしい
「アイリーン、ご挨拶は済んだね、あちらへ行こう、僕は喉が乾いたよ」
セドリックがアイリーンをエスコートしようとすると
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フランクの母オレリアに言われるも、口を塞ぐアイリーンだった
その後兄ラウルと婚約者ララ、父マクシミシアンと母オルガが到着し合流した
パーティーが始まりフランクがエイプリルを伴い登場した…
バシュレ家の一同は恐ろしい笑みを浮かべ、アダムス家を見る
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