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婚約との事です

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クロヴィスが東の国の王女と婚約をしたと発表があった、その婚約式での会話


「ミレイユ様に非道な行いをした婚約詐欺の殿下が今度は東の国の王女と婚約を…」
「ミレイユ様はクロヴィス殿下と婚約をされていた時は色んな事に耐えていたのね…お可哀想に」

「ミレイユ様への非道な行いを黙っていたメイド達は減給や、降格処分となったり、辞めさせられたメイドも何人かいたとか?」
「あら、教育係だった伯爵も離縁をされましたし、ミレイユ様の陰口を流していたご令嬢達もある施設に入ったそうよ」
「殿下がエスコートされていたケイティ様はその後どうなされたの?」
「…貴族籍を剥奪されて、商家へと嫁がれるそうよ」
「あら!まぁ…」

「侯爵家のご令嬢が出来損ないのわけございませんもの…王妃様も噂を耳にした時は、笑っておられましたし」
「伯爵夫人の手のものや、令嬢達が排除されて、少し王城の空気がよくなりましたわね」
「ミレイユ様はいつお戻りなのかしら?淑女の鏡と言われる方ですのに」
「口数は消して多くはありませんが、お話を聞かせていただくと、聡明であると言うことが分かりますわよねぇ」
「えぇ、その場に居られるだけで場の雰囲気が変わるほどの存在感がございましたわね」
「美しい方ですものねぇ」

「クロヴィス殿下と婚約を解消されて、喜んでいる殿方の多いこと…」
「ですってね、侯爵が相手にしていないそうですけれど…クロヴィス殿下もミレイユ様と解消されてからも熱心でしたわよねぇ」

「こんなことになるのなら、大事にされればよろしかったのに…エミリア王女は大丈夫でしょうか?」
「あら、エミリア王女がクロヴィス殿下の根性を叩き直しているとのことですわよ」
「何度もクロヴィス殿下が、逃げ出す所を拝見致しましたわ」

「まぁ、頼もしいお方ですわね、それでいてクロヴィス殿下を教育なさるなんて…」
くすくすと笑う淑女たち



「東の国は女性が強いとの事ですよ」
ルイが近くにいる事を忘れて、ミレイユの話に花を咲かせていた

「まぁ、フランク侯爵の…」
時が止まったような顔をする淑女たちにふっと笑顔を見せるルイ

「あぁ、気になさらないでください、姉の悪い噂がなくなって喜んでいるだけですから」

「申し訳ございませんでした」
一斉にルイに頭を下げる淑女たち


「いえ、貴女達は悪くありません、私もレディの話に口を挟んでしまい、申し訳ございませんでした。それでは失礼」
ルイが笑顔を見せ立ち去った


「ミレイユ様の義弟のルイ様ね…とても素敵な方ですわね」
「えぇ、とても紳士でいらっしゃるし、姉思いで有名ですもの」
「クロヴィス殿下を、懲らしめたと言う噂は事実なんでしょうか…?」
「噂は宜しくありませんわね、話半分で耳に入れた方がよろしくてよ」
「そうですわね」


 

城でミレイユの側で働いていたメイドがいた。メイドの名前はメアリと言った。
メアリは伯爵夫人の非道な行いに大変心を痛めていた…
ある日メアリはミレイユの父である侯爵に涙ながら訴えたのだ
もうこれ以上は耐えられない
ミレイユ様は、優しい方で自分がミスをしてもそれを庇ってくれるのだ、それが原因で扇子で叩かれたのだ…と

侯爵はメアリにこれからもミレイユの身に何かあったら教えて欲しいと、メアリやその家族に迷惑がかかるような事は一切しないと約束をし、メアリにミレイユの話を聞いていた
そしてメアリは密かに侯爵家で引き取られた

城であったミレイユに対しての非道な行いが漏洩したのは、侯爵家が関わっている。
真実を噂で広めミレイユが同情され、皆が心を傷めているのだ。

クロヴィスとの婚約が解消された後に、ミレイユは領地に帰り、ルイは父に呼び出されことの顛末を聞かされた
そして紹介されたメアリを見て驚く

「あぁ、君はミレイユが唯一目をかけていたメイドじゃないか」

ミレイユが目をかけていることを知ったら、伯爵夫人から嫌がらせを受けるだろうから、表向きには他のメイドと同じ扱いをしていたが、お互い信頼関係があるように思えてミレイユに聞いたことがあった。

ルイ内緒よ、メアリがいてくれるから耐えられる時があるの、あの子も表向きは感情を抑えてくれていて助かるのよ、良い子なの
と、ミレイユは言った


「お久しぶりでございます。侯爵様に拾っていただき、ミレイユ様の下で働かせていただくことになりました」
深々と頭を下げるメアリ

「そうか…ミレイユ、姉も喜ぶことだろう」
「はい、勿体ないお言葉です、全身全霊ミレイユ様をお守りいたします」
涙を浮かべるメアリだった

「なぜ泣くんだ?」
ルイが不思議に思いメアリに質問をする
「申し訳ございません」
メアリは涙を拭いながら

「やっと…堂々とミレイユ様のお側につかせていただけると思いましたら…お見苦しい姿をお見せしてしまいました」

「そうか…姉を頼む」
「はい、よろしくお願いいたします」

侯爵とルイはお互い目を合わせ相槌を打った





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