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第十章

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 託の家でココアを飲んだら体が温まって心地良かった。震えも少し軽減された。
「落ち着いた?」
「ごめんなさい」
 託はため息をついた。
「すぐ謝るの鈴也の悪い癖」
 僕は何も言えなくなった。

「最近入った新人ってあいつ?」
「うん」
「目付けられてたんじゃないの?」
 そうなのだろうか。よくわかってなかった。
「気を付けてよね」
「ごめ、じゃなくてありがとう」

「鈴也、こっち向いて」
 託の方に目を向けると、強烈なグレアを放たれた。
「託、待っ」
「何やられたの?」
「託」
「言え」
 僕の口から勝手に言葉が出るのを止められなかった。
 ニールをさせられて、無理矢理ホテルに連れて行かれたこと、四つんばいになって移動させられ、犬のように物を取りに行かされたこと。
 しゃべるなと言われ、「ワン」とだけ言わされたこと。
「エッチなことはされなかった?」
「されてない」
 託とのことを想像して、顔が火照りだした。
「本当に? 顔赤いけど」
「違う。その聞き方が」
 託に聞かれると恥ずかしくて、つい顔に出てしまったみたいだ。

「ぶっ殺してやればよかった」
「ちょっ、託」
「月曜日から仕事どうするの?」
 答えられなかった。

 託がいつもより少し強引で、疲れてるのに、上書きするようにプレイをさせられた。
 そして、途中で気付いた。もしかしてディフェンス?
 僕はパートナーではないのに、託がそんな風になるなんて驚いた。
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