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第二章

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「おすわり」
 と言われたらプレイ開始だ。犬のように託にひざまずき、忠誠を誓う。
「舐めて」
 その体勢で足を差し出され、舐めさせられる。
 何故こんなことをするのかと疑問に思う気持ちを無視し、ただ命令に従う。
 もちろん本気で嫌なわけじゃない。託に命令されることで自分の被虐性が満たされるのはわかっていた。だけど、同時に苦しくもあった。何が悪いのかわからずにお仕置きされることもあった。
 セーフワードも決めていないから、嫌でも苦しくても耐え続けなければならない。

 お仕置きには2種類あって、痛みと恥辱を与えられる。その日は同時に与えられた。
「さらせ」
 とコマンドを吐かれ、下半身を託の前にむき出しにする。
 羞恥で下を向くと、容赦なく鞭が飛んできた。
 背中を叩かれるのはまだ我慢できる。あまりにひどいとむき出しにした自分のモノをはたかれるのだ。痛いのに快感で達してしまった時はその場に立っていられなかった。
 逃げようとしても「待て」とコマンドを言われるから、その場を動けない。
「自分できれいにして。まだお仕置きは続くから」
 そんな風にたやすく解放してはくれなかった。
 それでも相手が託だから耐えられたのだ。僕自身、よもや罪滅ぼしなのか、託に捨てられるのが怖いだけなのかわからなくなってきていた。
 こんなプレイを続けることは、自分の身を滅ぼすことだとわかってはいた。
 託に見捨てられたら側にはいられない。それはきっと死ぬことよりもつらいことだ。

 だから僕はただ託に呼ばれるまま、命令されるまま従うしかなかった。
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