RAMPAGE!!!

Wolf cap

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本編

プロローグ

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※残酷な描写あり

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



5年前、突如空に姿を表した正体不明の飛行生命体によって
人類は甚大な被害を受けた。
このまま行けば人類の全滅も有り得なくは無いと判断した国連は
「人類存続国際法」を制定した。
目的はファングの殲滅とそのための各国の技術提供、及び特別国連空軍(UNSA)の設立だ。
これにより人類とファングの戦争が始まった。


俺の母さんもこの戦争で死んだ。

ファングに殺されたんだ。




街に空襲のサイレンが鳴り響く。
国連軍の防衛線をかいくぐってきたファング達が街を襲った。

その時俺は下校中だった。
俺の住んでいる街は普段ファングの襲撃の無い安全な位置にあったため、突然の空襲でパニックになった俺は無我夢中で家まで走った。

通りには混乱した人々が沢山いた。
その途中で母さんが見えた。
俺を探しているようだ。


「何してるんだ母さん!早く屋内に!」
「あんたもよ優!こんな所で何してるの!」
お互いパニックなっていた。

母さんの方へ走った。

「優!こっちへ━━━━━━━



一瞬の出来事だった。



  俺の背後でファングの機関砲が火を吹いた。





撃ち出された弾丸が俺の母さんに命中し、弾け飛んだ肉片と血潮が俺の所まで飛んできた。




さっきまでいた母親が臓物と血肉の塊になった。




叫び声が出ない。

ただ一瞬の出来事に

目の前の大切な家族だった塊を
両目をいっぱいに広げて見つめることしか出来ない。
体の力が抜けてヘタリと地面にひざまづく。
母親を殺したファングが正面から突っ込んでくる。

次は俺を殺すつもりだ。
逃げられない。
もういいや、このまま死ぬんだ。



その時だった。
俺の後ろから高速で飛んできた何かがファングを爆砕した。

背後から飛来した戦闘機が撃ったのだ。
その戦闘機は俺の頭上で急上昇、高らかにエンジン爆音を響かせながら遠くの空へ消えていく。
尾翼には天使のマークと1という数字が描かれていた。

絶望し、ボロボロになった俺の心に火が灯る。

あの戦闘機は俺に生きる意味を与えてくれた。

こんなご時世だ
どこか違う街で、俺のような思いをしている人は沢山いるだろう。
大切な人を失う人はこれからも増え続けるだろう。
俺には何が出来る?
俺はどうしたい?
俺はどうなりたい?

「俺も……あんなふうに……」
あんなパイロットになりたい。
絶望した心を救えるような
先の見えない、この暗い世界を変えられるような人間になりたい。
そのために戦うんだ。
死ぬはずだったこの体で。
あのパイロットがくれたこの命で。

瓦礫と炎に包まれた街で俺は決意した。





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