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第三章 戦術と姫が織りなす殲滅戦
3-1 血泥平原
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ニビの王、ヴォルヴォヴァの死から一年余りが過ぎた。
長年の宿敵ニビ族は滅び、戦乱は終わり、王国はようやくの平和を取り戻したかのように見えたが、それは仮りそめに過ぎなかった。
既に廃墟となった魔王城の周辺、黒魔山脈の森に、また敵の気配が漂いだしたのだ。
小規模の一団による襲撃の報が徐々に増加し、王国が対応に重い腰を上げた頃、時既に遅く、ついに将に率いられた軍勢八千が森から溢れ出し、対ニビ族の最前線、辺境の都市ルッカに迫った。
魔王討伐後の緩みもあって、補充が遅れているルッカの守備兵は定数の四分の三程度、約九百。だが従軍経験者を主にする市民兵二千余りの力も借りてよく戦い、粘り強く籠城を続けた。
国王カールレ三世はこの大事に対処すべく、六千の精兵を王都から送り出す。王国最強と名高い第一師団。率いるは歴戦の宿将、王国の重鎮タルヴォ・ハーララ大将。
軍馬の背で先頭を進む将軍の、堂々たる体躯を包む黒い鎧に真紅のマントと金モールが映え、従う将兵の槍や鎧が冬の日差しを反射し、輝く大河となってうねり続いていく。
栄光の国軍を、出征していく父や息子や兄弟や恋人を、見送る人々が大通りの周囲を埋め尽くし、声援を送る。
中軍に魔王討伐の英雄のひとり、王女シルヴァの少女ながらも凛々しい鎧姿が馬上登場し、歓声がひときわ高まった。
その光景をぼんやりと、近くの屋根に腰掛け見下ろす人影があった。
「ポンコツ、お前は行かないのか?」
「……顔出すなって言ったの忘れたのか?」
大きくため息とともに煙を吐き出し、背後からかけられた言葉に振り向きもせず、アレクは冷たく言い放つ。
「忘れてなどいない。まだ冗談は思いついていないが、お前には背を向けているから、なんなら振り返っても問題はないぞ?」
「……そういう意味じゃねーよ」
小さくつぶやき深くため息をつく。
「まぁいい、今日は特別にしといてやる」
その言葉に反応し、背後で動いた気配を感じた。
おそらく振り向いたのだろう。そこまでは洞察し得た勇者も、さすがに背後に立つリューリがほほ笑みを浮かべた事までは見抜けなかった。
「それで、どうするのだ?」
「さてね、どうすっかねぇ?」
「この前訪ねてきた将軍に助力を頼まれていただろ?」
「まぁそうなんだが……って、なんでお前が知ってるんだよ?」
「あのご老人は声が大きいからな」
舌打ちをしてから一服。鼻孔から盛大に煙を放出した。
「立ち聞きしてやがったのか」
「いや? 屋根の上に座ってたぞ」
「そういう意味じゃねーよ」
「私としては話の内容よりも、将軍がどこに座ったかのほうが興味があるな」
「うちにだって座れる場所ぐらいあるわっ!」
「え? ついに掃除したのか?」
何も答えず不快げに紙巻きを燻らせるアレクを不思議そうにながめ、少し考えてから口を開くリューリ。
「何だかんだ言いながらも、どうせ様子を見に行くのだろう?」
「……シルヴァもいるから俺は行かなくてもだいじょうぶだろ」
「いや、いるからこそだろ? 弟子の成長の様子を師匠としては見に行くべきではないのか?」
「確かにそれも師匠の務めだがなぁ」
「それに心配ではないのか? 敵軍に第二の魔王がいたらどうする? 今のシルヴァであの時のヴァルヴァルに勝てるのか?」
「ヴァルヴァルがどこのどいつかは知らねぇが、ヴォルヴォヴァには勝てんだろうなぁ……」
「あぁ、そのヴォルだ。あれに引けをとらない敵がいたらどうする? いないとも限るまい?」
「なるほどなぁ……」
屋根に煙草を押し付けてもみ消すと、頬を両掌で叩き活を入れ、そのまま髪をかきあげ立ち上がる。
「仕方ねぇ、面倒だが行くとするか」
言いながら振り返った視線の先には、前回同様タイトな黒衣に身を包み、意味ありげに笑みを浮かべる姿があった。
「なんだ? 何しまりのない顔してる?」
「いや、別に何でもない。私も少し分かってきたなと思っただけだ」
「何わけわからんこと言ってやがる」
舌打ちを一つすると改めてリューリの姿を確認する。
「お前、あの鎧はどうした? 《飛翔》の力が込められた」
「鎧はあっちこっち締め付けられて嫌なんだ」
「普段からそんな格好してるくせに何言ってんだ」
「冗談だ」
満足気に勝ち誇った端正な顔に冷ややかな視線を向け、アレクは言い放つ。
「全然笑えねぇが、特別サービスで運んでやるから勝手にしがみつけ」
「この前みたいに抱いてくれても構わんぞ?」
「……それも冗談か?」
「いや? 何か面白かったか?」
「いや、全く笑えねぇな」
平然とした顔が疑問の表情に変化していくのを眺めながら、アレクは苦笑した。
ルッカを囲むニビ族軍が急迫する王国援軍に気づいたのは、乾いた冬の空に舞い上がる土煙によってだった。
あと三日ほどの距離にまで接近していた敵軍を迎撃すべく、抑えに一千ばかりの兵を残し、残りの全軍をもって向かう。
その翌日、両軍はルッカ近郊の血泥平原で対峙し、戦いの時を迎えた。
吶喊の声が平原に満ちている。
開戦から一時間余、敵軍の数と勢いに押され、王国軍中央は後退を続けていた。
当初の激突から僅かな時間で脆くも第一陣が崩れた。
戦列を乱して敗走する王国兵を追撃中の魔族軍を王国軍の伏兵が襲い、逆撃され、第一陣の兵と共に逃げ惑う。
王国兵は後方に構築してあった野戦陣地に寄り、抵抗を試みる。
追撃してきた魔族軍に矢の雨が降り注いだ。
魔法の短杖から撃ち出された小火球が炸裂する。
次々倒れるニビの戦士。
構わず突撃する装甲騎兵。
鉄騎の槍と蹄が王国槍兵を蹴散らし、弓兵を蹂躙する。
瞬く間に二備えの陣を破り、一つの野戦陣地を占領したニビ族達の意気は上がる。
「堅忍不抜のタルヴォ・ハーララ、か。伝え聞くほどではないな」
先鋒の勝報に軍を率いる猛将、ヴァノヴは満足げに頷くと、中央に対するさらなる攻勢を指示した。
「それでは、そろそろお願いできますかな、姫様?」
開戦以来二時間余、数で勝る敵軍に押し込まれ続けている中央軍、その後衛に位置する司令部の帷幕内で老将タルヴォ・ハーララはそう語りかけた。
「うむ、まかせるが良い、爺……じゃなくて将軍」
長い銀髪と揃いの色の魔鉱銀の鎧に身を包み、青い戦衣を身に着けている勇ましい姿のシルヴァだが、大きな青い瞳を輝かす表情はまだあどけない。
全く似合っていない、大人ぶって何とか威厳を出そうとするその姿に、将軍の皺顔がほころぶ。
だがこの少女は紛れもなく勇者の再来で、単独でこの戦を左右するほどの強大な力を持っているのだ。
「《流星は空の女神の落涙》!」
長い集中で巨大な青く輝く魔法陣を構築したシルヴァの気合を込めた声が響き渡ると、彼女が空に湛えた輝く星が一筋の光となり落下した。
伝播する振動と轟音。
強大な力の一撃が平原を穿ち、敵兵を、土砂を、樹木を、激しく中空に吹き上げる。
大地の表面を走る衝撃波が人馬をなぎ倒す。
「観測官より報告っ! 敵左翼被害甚大、対象は混乱状態に入れり。右翼軍は包囲機動を開始せり」
魔法で上空に浮遊した若い魔導士官が、立ち上る煙の下を遠眼鏡で覗きこみ、叫ぶ。
その姿を見やると、将軍は白髪頭を振り大きく頷き、次の指示を飛ばす。
「中央軍、後退停止。遅滞行動を現時点で防衛行動に移行、現地点を死守」
「中央軍各隊に伝達、後退停止、現地点を死守せよ」
将軍の指令を、慣れた様子で噛み砕いて担当幕僚が伝えると、周囲にいた伝令魔道士達が即座に通信宝珠に向かい、各隊に通達開始する。
その間、シルヴァはもう一撃に備え、準備を開始していた。
将軍は、魔力回復の妙薬を急ぎ飲む姫の姿に、ちらりと目をやり新たな指令を下す。
「敵中央後衛に対して砲撃用意、機を見て砲撃開始」
「魔導砲部隊に伝達、砲撃用意、目標敵中央後衛。左翼軍の包囲機動開始を待って砲撃開始」
魔導砲――この、圧縮した魔力の爆発により巨弾を発射する最新兵器は、専用の弾を必要とする欠点はあるが、従来の投石機の十倍を超える射程と数十倍の威力を持っている。
遠距離攻撃はとかく魔法に依存しがちで、発達が遅れてきた分野だったが、その現状に一石を投じる画期的兵器だった。
「将軍、準備できたのじゃ」
ここが戦場だということを一瞬にして忘れさせるような可憐な声と姿に、老練の戦巧者も思わず孫に向けるような好々爺然とした笑みをまた浮かべてしまう。
「では姫様、次は敵右翼を懲らしめてやって下されい」
「まかせるのじゃっ!」
集中し始めたシルヴァの足元から光が伸び、巨大な魔法陣が再び描かれる。力の高まりとともに蒼空にはまた光星が生み出されていた。
長年の宿敵ニビ族は滅び、戦乱は終わり、王国はようやくの平和を取り戻したかのように見えたが、それは仮りそめに過ぎなかった。
既に廃墟となった魔王城の周辺、黒魔山脈の森に、また敵の気配が漂いだしたのだ。
小規模の一団による襲撃の報が徐々に増加し、王国が対応に重い腰を上げた頃、時既に遅く、ついに将に率いられた軍勢八千が森から溢れ出し、対ニビ族の最前線、辺境の都市ルッカに迫った。
魔王討伐後の緩みもあって、補充が遅れているルッカの守備兵は定数の四分の三程度、約九百。だが従軍経験者を主にする市民兵二千余りの力も借りてよく戦い、粘り強く籠城を続けた。
国王カールレ三世はこの大事に対処すべく、六千の精兵を王都から送り出す。王国最強と名高い第一師団。率いるは歴戦の宿将、王国の重鎮タルヴォ・ハーララ大将。
軍馬の背で先頭を進む将軍の、堂々たる体躯を包む黒い鎧に真紅のマントと金モールが映え、従う将兵の槍や鎧が冬の日差しを反射し、輝く大河となってうねり続いていく。
栄光の国軍を、出征していく父や息子や兄弟や恋人を、見送る人々が大通りの周囲を埋め尽くし、声援を送る。
中軍に魔王討伐の英雄のひとり、王女シルヴァの少女ながらも凛々しい鎧姿が馬上登場し、歓声がひときわ高まった。
その光景をぼんやりと、近くの屋根に腰掛け見下ろす人影があった。
「ポンコツ、お前は行かないのか?」
「……顔出すなって言ったの忘れたのか?」
大きくため息とともに煙を吐き出し、背後からかけられた言葉に振り向きもせず、アレクは冷たく言い放つ。
「忘れてなどいない。まだ冗談は思いついていないが、お前には背を向けているから、なんなら振り返っても問題はないぞ?」
「……そういう意味じゃねーよ」
小さくつぶやき深くため息をつく。
「まぁいい、今日は特別にしといてやる」
その言葉に反応し、背後で動いた気配を感じた。
おそらく振り向いたのだろう。そこまでは洞察し得た勇者も、さすがに背後に立つリューリがほほ笑みを浮かべた事までは見抜けなかった。
「それで、どうするのだ?」
「さてね、どうすっかねぇ?」
「この前訪ねてきた将軍に助力を頼まれていただろ?」
「まぁそうなんだが……って、なんでお前が知ってるんだよ?」
「あのご老人は声が大きいからな」
舌打ちをしてから一服。鼻孔から盛大に煙を放出した。
「立ち聞きしてやがったのか」
「いや? 屋根の上に座ってたぞ」
「そういう意味じゃねーよ」
「私としては話の内容よりも、将軍がどこに座ったかのほうが興味があるな」
「うちにだって座れる場所ぐらいあるわっ!」
「え? ついに掃除したのか?」
何も答えず不快げに紙巻きを燻らせるアレクを不思議そうにながめ、少し考えてから口を開くリューリ。
「何だかんだ言いながらも、どうせ様子を見に行くのだろう?」
「……シルヴァもいるから俺は行かなくてもだいじょうぶだろ」
「いや、いるからこそだろ? 弟子の成長の様子を師匠としては見に行くべきではないのか?」
「確かにそれも師匠の務めだがなぁ」
「それに心配ではないのか? 敵軍に第二の魔王がいたらどうする? 今のシルヴァであの時のヴァルヴァルに勝てるのか?」
「ヴァルヴァルがどこのどいつかは知らねぇが、ヴォルヴォヴァには勝てんだろうなぁ……」
「あぁ、そのヴォルだ。あれに引けをとらない敵がいたらどうする? いないとも限るまい?」
「なるほどなぁ……」
屋根に煙草を押し付けてもみ消すと、頬を両掌で叩き活を入れ、そのまま髪をかきあげ立ち上がる。
「仕方ねぇ、面倒だが行くとするか」
言いながら振り返った視線の先には、前回同様タイトな黒衣に身を包み、意味ありげに笑みを浮かべる姿があった。
「なんだ? 何しまりのない顔してる?」
「いや、別に何でもない。私も少し分かってきたなと思っただけだ」
「何わけわからんこと言ってやがる」
舌打ちを一つすると改めてリューリの姿を確認する。
「お前、あの鎧はどうした? 《飛翔》の力が込められた」
「鎧はあっちこっち締め付けられて嫌なんだ」
「普段からそんな格好してるくせに何言ってんだ」
「冗談だ」
満足気に勝ち誇った端正な顔に冷ややかな視線を向け、アレクは言い放つ。
「全然笑えねぇが、特別サービスで運んでやるから勝手にしがみつけ」
「この前みたいに抱いてくれても構わんぞ?」
「……それも冗談か?」
「いや? 何か面白かったか?」
「いや、全く笑えねぇな」
平然とした顔が疑問の表情に変化していくのを眺めながら、アレクは苦笑した。
ルッカを囲むニビ族軍が急迫する王国援軍に気づいたのは、乾いた冬の空に舞い上がる土煙によってだった。
あと三日ほどの距離にまで接近していた敵軍を迎撃すべく、抑えに一千ばかりの兵を残し、残りの全軍をもって向かう。
その翌日、両軍はルッカ近郊の血泥平原で対峙し、戦いの時を迎えた。
吶喊の声が平原に満ちている。
開戦から一時間余、敵軍の数と勢いに押され、王国軍中央は後退を続けていた。
当初の激突から僅かな時間で脆くも第一陣が崩れた。
戦列を乱して敗走する王国兵を追撃中の魔族軍を王国軍の伏兵が襲い、逆撃され、第一陣の兵と共に逃げ惑う。
王国兵は後方に構築してあった野戦陣地に寄り、抵抗を試みる。
追撃してきた魔族軍に矢の雨が降り注いだ。
魔法の短杖から撃ち出された小火球が炸裂する。
次々倒れるニビの戦士。
構わず突撃する装甲騎兵。
鉄騎の槍と蹄が王国槍兵を蹴散らし、弓兵を蹂躙する。
瞬く間に二備えの陣を破り、一つの野戦陣地を占領したニビ族達の意気は上がる。
「堅忍不抜のタルヴォ・ハーララ、か。伝え聞くほどではないな」
先鋒の勝報に軍を率いる猛将、ヴァノヴは満足げに頷くと、中央に対するさらなる攻勢を指示した。
「それでは、そろそろお願いできますかな、姫様?」
開戦以来二時間余、数で勝る敵軍に押し込まれ続けている中央軍、その後衛に位置する司令部の帷幕内で老将タルヴォ・ハーララはそう語りかけた。
「うむ、まかせるが良い、爺……じゃなくて将軍」
長い銀髪と揃いの色の魔鉱銀の鎧に身を包み、青い戦衣を身に着けている勇ましい姿のシルヴァだが、大きな青い瞳を輝かす表情はまだあどけない。
全く似合っていない、大人ぶって何とか威厳を出そうとするその姿に、将軍の皺顔がほころぶ。
だがこの少女は紛れもなく勇者の再来で、単独でこの戦を左右するほどの強大な力を持っているのだ。
「《流星は空の女神の落涙》!」
長い集中で巨大な青く輝く魔法陣を構築したシルヴァの気合を込めた声が響き渡ると、彼女が空に湛えた輝く星が一筋の光となり落下した。
伝播する振動と轟音。
強大な力の一撃が平原を穿ち、敵兵を、土砂を、樹木を、激しく中空に吹き上げる。
大地の表面を走る衝撃波が人馬をなぎ倒す。
「観測官より報告っ! 敵左翼被害甚大、対象は混乱状態に入れり。右翼軍は包囲機動を開始せり」
魔法で上空に浮遊した若い魔導士官が、立ち上る煙の下を遠眼鏡で覗きこみ、叫ぶ。
その姿を見やると、将軍は白髪頭を振り大きく頷き、次の指示を飛ばす。
「中央軍、後退停止。遅滞行動を現時点で防衛行動に移行、現地点を死守」
「中央軍各隊に伝達、後退停止、現地点を死守せよ」
将軍の指令を、慣れた様子で噛み砕いて担当幕僚が伝えると、周囲にいた伝令魔道士達が即座に通信宝珠に向かい、各隊に通達開始する。
その間、シルヴァはもう一撃に備え、準備を開始していた。
将軍は、魔力回復の妙薬を急ぎ飲む姫の姿に、ちらりと目をやり新たな指令を下す。
「敵中央後衛に対して砲撃用意、機を見て砲撃開始」
「魔導砲部隊に伝達、砲撃用意、目標敵中央後衛。左翼軍の包囲機動開始を待って砲撃開始」
魔導砲――この、圧縮した魔力の爆発により巨弾を発射する最新兵器は、専用の弾を必要とする欠点はあるが、従来の投石機の十倍を超える射程と数十倍の威力を持っている。
遠距離攻撃はとかく魔法に依存しがちで、発達が遅れてきた分野だったが、その現状に一石を投じる画期的兵器だった。
「将軍、準備できたのじゃ」
ここが戦場だということを一瞬にして忘れさせるような可憐な声と姿に、老練の戦巧者も思わず孫に向けるような好々爺然とした笑みをまた浮かべてしまう。
「では姫様、次は敵右翼を懲らしめてやって下されい」
「まかせるのじゃっ!」
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