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第十部 東西の謀(はかりごと)
61 菩提山 前編
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「濃」
馬上、織田信長は帰蝶を呼んだ。
濃とは、美濃から来た帰蝶の愛称である。
「何でしょう」
「美濃については、濃に任せて良いか」
「それはもう……」
元より、そういう手はずである。
そのための「仕込み」もしてある。
今、場所は美濃の、西美濃のあたり。
そろそろ、決行するかと思っていたところだ。
「実は」
信長は、今川義元への嫌がらせを思いついたという。
……人の悪い笑顔を浮かべて。
「そのためにも、一刻も早く尾張へ戻りたい。ぜひ、それをやりたい」
だから、帰蝶はこのまま美濃にて潜伏し、信長もやはりこのまま尾張へ帰り、二手に分かれて、それぞれでことを為し、時を稼ぎたいとのことである。
「承知いたしました」
帰蝶の「仕込み」は、信長のその目論見を可能にする。
否やは無かった。
*
「前田又左衛門利家」
そう呼ばれると、利家はびくっと体を震わせた。
とうとうこの時が来たか、と言いたげな悲壮感溢れる表情をして。
「何だその顔は」
信長にそう言われると、利家は分かっているくせにと口を尖らせた。
「主命でござるから、やるのでござる……その心情、ご承知おきくださいませ」
「分かった分かった」
信長が「しばし休むぞ」と言うと、同朋衆の十阿弥が手早く幔幕を設営した。
そして幕で仕切られた場所へ、利家が十阿弥と共に入り、しばらくすると、女装した姿で出て来た。
化粧までしていた。
「……なかなかですね」
一方の帰蝶は、別の仕切られた場所で着替えを済ませ、男装していた。
そして芝居がかって信長に一礼する。
「それではわたし、ではなく、それがし斎藤利治は、これより密命により、美濃に潜ります」
斎藤利治とは、帰蝶がかつて、長良川の戦いにおいて、父・斎藤道三より賜った「戦場での名乗り」である。
「うむ」
信長が満足そうにうなずくと、利家を抱き寄せた。
「ここな濃と共に、おぬしの無事を祈っておるぞ」
「応、ではない、はい……いってらっしゃいませ、お方さま、ではない、利治さま」
微妙に裏声まで使って「帰蝶」を演ずる利家に、信長と帰蝶は失笑してしまった。
それは十阿弥も同様だったらしく、彼は甲高い声でけけけと笑ってしまい、利家に「うるさい。斬るぞ」と凄まれてしまう。
「おいよせ又左、じゃない濃……あまり十阿弥をいじめるな」
誰がお前の化粧をすると思ってる、と信長はささやいた。
それを言われると利家は黙るしかなかった。
「これはのう……美男のおぬしじゃからこそ、濃との入れ代わりが成り立つとしてやっておる。名誉なことぞ。ゆえに、励めよ」
「はあ……」
励めと言われても、と利家は思ったが、これから帰蝶の挑むことを考えると、そうそう不満を唱えるわけにもいかない。
利家は懐中から笄を取り出した。笄とは、もとは髪を整える棒状の用具だったが、この頃にはいわゆる刀の装具という扱いになっていた。
「利治さま」
「何です」
「これ……妻女のまつが、お守りに、とのこと。ぜひ持って行ってくだされ」
「まあ」
当時、利家はまつと所帯を持ったばかりで、その仲の良さは早くも評判となっていた。
「嬉しい……ではなくて、ありがたき幸せ。あと」
「何でござ……何です?」
「近すぎ。もっと、離れなさい」
帰蝶は利家の肩をにぎる信長の手を、平たい目で見つめた。
あわてて信長は手を離す。
そして利家は扇を取り出して顔を隠した。
照れたわけではない。
主君の妻女に嫉妬されるという理不尽さ、それを歎く顔を見られたくなかったからである。
*
信長と別れた帰蝶は、かねてからの手はずどおり、蜂須賀小六と木綿藤吉を供にして、一路、菩提山という山に向かった。
菩提山。
そこには――竹中半兵衛という男が城をかまえていた。
「なかなかに大きいですね」
「西美濃では最も大きい、とのことです」
帰蝶のその問いへの回答に、小六が美濃中の城を踏破したことが透けて見える。
木綿もそれを悟ったらしく、うんうんとうなずいている。
「さすがに――今孔明といわれる方が縄張りしているらしく、結構な城ですね」
今孔明。
竹中半兵衛の二つ名である。
かつて、長良川の戦いにおいて、半兵衛は主君・斎藤道三より大桑城を託される。
そして長良川で道三が一色義龍と激突したその時、半兵衛は、敵将・日根野弘就の大軍を相手に籠城戦を繰り広げていた。
敵の兵数に物を言わせた攻めを頑として撥ねつけ、半兵衛は大桑城を守り抜く。
極めつけは、弘就が道三討ち死にを得意げに告げたときのことである。
そのことをすでに知っていた半兵衛は、夜、密かに、道三から教えられていた脱出口から兵を撤退させ、己のみが残っていた。
半兵衛はわざとらしく弘就を挑発し、城を攻めさせ、敢えて陥落させたところで、悠々と例の脱出口から脱出した。
「空城の計だと?」
弘就は憤然とし、「可惜孺子に名を成さしめたか」と悔しがったという。
以来、半兵衛は今孔明と称せられるようになった――。
「……しかし、今では一色義龍に臣従しているそうです。まあ、国人の立場なら仕方ないでしょう」
小六が肩をすくませる。
彼とて国人である。
転向するのはやむを得ない。
だがそう転向した相手を、また転向しろというのは、いかがなものか。
「そこは説くしかないでしょう。何とかなると思います」
帰蝶は朗らかに笑った。
すると、近くを歩いていた旅僧が「いい笑顔じゃ」と拝んで来た。
「観音さまの笑顔じゃ」
一徳斎と名乗ったその旅僧は、あなかしこ、あなかしこと言って、手を合わせた。
何だかそう言われるといい気分になって、これからやることに自信が出て来た帰蝶は、旅僧にやはり笑顔で手を振って別れた。
小六は意味ありげに木綿に目配せし、木綿はしばらくの間、じっと旅僧を見て、その姿が見えなくなるまで視線を外さなかった。
「どうしたのです?」
「相当の手練れの間者か……あるいは名のある武士のようです。努々、ご油断なきよう」
「そうでしょうか」
そうこう言っているうちに、城門が見えて来た。
*
「お断りします」
その男――否、少年とも言っていいぐらい、幼さを感じさせる竹中半兵衛は、にべもなく断って来た。
「たしかに私は大殿に……故・道三さまに味方しました。だが今は、一色義龍さまの臣です。臣として、主を裏切るのは、いかがなものか」
剄い視線である。
若いゆえか、それゆえに剄い。
そんな目をしていた。
「お説ごもっとも。けれどもこの帰蝶、いえ、斎藤利治は父上より斎藤家の家督を継いだものです。臣とおっしゃるのならば、わたしの言うことに従うべきでは?」
帰蝶は懐中から「利治」と大書された紙を取り出す。
それは、斎藤道三の筆跡である。
「…………」
半兵衛は黙然として、帰蝶から手渡されたその紙を見ていた。
小六は帰蝶のうしろからその様子を眺めつつ、周囲への警戒を怠らなかった。
先ほどの一徳斎とやら、気にかかる。
そんな表情である。
万一に備えて、敢えて木綿は城の庭に待機させている。
「……たしかに大殿の手によるもののようですが」
そう言う半兵衛も知ってか知らずか、たまに周囲へ鋭い視線を向ける。
「だがそれだけだ……貴殿が斎藤利治と名乗られても、斎藤家を家督したと言われても、この美濃の国主は、今や一色義龍さま。今さらそんなことを主張されても、どうなると言うのです?」
帰蝶は莞爾として笑った。
「それをどうにかしていただきたいのです、半兵衛さまが」
「これは異なことを言う……」
半兵衛は苦笑した。
こんなことを言ってくる帰蝶という人は、たしかに斎藤道三の子なのだろう。
しかし、そうだと言ったところで、今や一色義龍が美濃の王だ。
やりようによっては、それを覆すまではいかなくとも、かき乱すことはできそうだが……。
そこまで考えて、半兵衛は頭を振った。
いけないいけない。
つい、こういうことを考えてしまうのが、悪い癖だ。
「ともかく、武士の情けとして、貴殿がお見えになったことは伏せておきましょう。お帰りなされませ」
半兵衛は立ち上がった。
先ほどからこの城をうかがう気配も気になる。
見送りがてら、少し探るかと思ったその時だった。
帰蝶が口を開いた。
「双頭の蛇、あるいは卒然」
「何ッ」
半兵衛だけでない。
さっきから感じる気配も、動揺している。
卒然。
双頭の蛇。
それは、兵書に親しむ半兵衛なら必ずや反応するであろう言葉である。
孫子曰く、善く兵を用うる者は、譬えば卒然のごとし。
帰蝶は、そういう文言を思い出せと言っているわけではない。
今孔明・竹中半兵衛に、そこから考えろと言っているのだ。
「…………」
長良川の戦い。
あの時、大殿は、斎藤道三は、稀代の謀将は何と言った。
何を考えていた。
何を気にしていた。
「今川義元……」
まさか。
双頭の蛇とは。
「美濃と……海道……挟撃……」
「そうです。あの長良川の戦いなど、今川義元にとって、尾張乱入のお膳立てに過ぎません。ゆえにこそ、これです」
帰蝶はその書状を取り出した。
国譲り状である。
馬上、織田信長は帰蝶を呼んだ。
濃とは、美濃から来た帰蝶の愛称である。
「何でしょう」
「美濃については、濃に任せて良いか」
「それはもう……」
元より、そういう手はずである。
そのための「仕込み」もしてある。
今、場所は美濃の、西美濃のあたり。
そろそろ、決行するかと思っていたところだ。
「実は」
信長は、今川義元への嫌がらせを思いついたという。
……人の悪い笑顔を浮かべて。
「そのためにも、一刻も早く尾張へ戻りたい。ぜひ、それをやりたい」
だから、帰蝶はこのまま美濃にて潜伏し、信長もやはりこのまま尾張へ帰り、二手に分かれて、それぞれでことを為し、時を稼ぎたいとのことである。
「承知いたしました」
帰蝶の「仕込み」は、信長のその目論見を可能にする。
否やは無かった。
*
「前田又左衛門利家」
そう呼ばれると、利家はびくっと体を震わせた。
とうとうこの時が来たか、と言いたげな悲壮感溢れる表情をして。
「何だその顔は」
信長にそう言われると、利家は分かっているくせにと口を尖らせた。
「主命でござるから、やるのでござる……その心情、ご承知おきくださいませ」
「分かった分かった」
信長が「しばし休むぞ」と言うと、同朋衆の十阿弥が手早く幔幕を設営した。
そして幕で仕切られた場所へ、利家が十阿弥と共に入り、しばらくすると、女装した姿で出て来た。
化粧までしていた。
「……なかなかですね」
一方の帰蝶は、別の仕切られた場所で着替えを済ませ、男装していた。
そして芝居がかって信長に一礼する。
「それではわたし、ではなく、それがし斎藤利治は、これより密命により、美濃に潜ります」
斎藤利治とは、帰蝶がかつて、長良川の戦いにおいて、父・斎藤道三より賜った「戦場での名乗り」である。
「うむ」
信長が満足そうにうなずくと、利家を抱き寄せた。
「ここな濃と共に、おぬしの無事を祈っておるぞ」
「応、ではない、はい……いってらっしゃいませ、お方さま、ではない、利治さま」
微妙に裏声まで使って「帰蝶」を演ずる利家に、信長と帰蝶は失笑してしまった。
それは十阿弥も同様だったらしく、彼は甲高い声でけけけと笑ってしまい、利家に「うるさい。斬るぞ」と凄まれてしまう。
「おいよせ又左、じゃない濃……あまり十阿弥をいじめるな」
誰がお前の化粧をすると思ってる、と信長はささやいた。
それを言われると利家は黙るしかなかった。
「これはのう……美男のおぬしじゃからこそ、濃との入れ代わりが成り立つとしてやっておる。名誉なことぞ。ゆえに、励めよ」
「はあ……」
励めと言われても、と利家は思ったが、これから帰蝶の挑むことを考えると、そうそう不満を唱えるわけにもいかない。
利家は懐中から笄を取り出した。笄とは、もとは髪を整える棒状の用具だったが、この頃にはいわゆる刀の装具という扱いになっていた。
「利治さま」
「何です」
「これ……妻女のまつが、お守りに、とのこと。ぜひ持って行ってくだされ」
「まあ」
当時、利家はまつと所帯を持ったばかりで、その仲の良さは早くも評判となっていた。
「嬉しい……ではなくて、ありがたき幸せ。あと」
「何でござ……何です?」
「近すぎ。もっと、離れなさい」
帰蝶は利家の肩をにぎる信長の手を、平たい目で見つめた。
あわてて信長は手を離す。
そして利家は扇を取り出して顔を隠した。
照れたわけではない。
主君の妻女に嫉妬されるという理不尽さ、それを歎く顔を見られたくなかったからである。
*
信長と別れた帰蝶は、かねてからの手はずどおり、蜂須賀小六と木綿藤吉を供にして、一路、菩提山という山に向かった。
菩提山。
そこには――竹中半兵衛という男が城をかまえていた。
「なかなかに大きいですね」
「西美濃では最も大きい、とのことです」
帰蝶のその問いへの回答に、小六が美濃中の城を踏破したことが透けて見える。
木綿もそれを悟ったらしく、うんうんとうなずいている。
「さすがに――今孔明といわれる方が縄張りしているらしく、結構な城ですね」
今孔明。
竹中半兵衛の二つ名である。
かつて、長良川の戦いにおいて、半兵衛は主君・斎藤道三より大桑城を託される。
そして長良川で道三が一色義龍と激突したその時、半兵衛は、敵将・日根野弘就の大軍を相手に籠城戦を繰り広げていた。
敵の兵数に物を言わせた攻めを頑として撥ねつけ、半兵衛は大桑城を守り抜く。
極めつけは、弘就が道三討ち死にを得意げに告げたときのことである。
そのことをすでに知っていた半兵衛は、夜、密かに、道三から教えられていた脱出口から兵を撤退させ、己のみが残っていた。
半兵衛はわざとらしく弘就を挑発し、城を攻めさせ、敢えて陥落させたところで、悠々と例の脱出口から脱出した。
「空城の計だと?」
弘就は憤然とし、「可惜孺子に名を成さしめたか」と悔しがったという。
以来、半兵衛は今孔明と称せられるようになった――。
「……しかし、今では一色義龍に臣従しているそうです。まあ、国人の立場なら仕方ないでしょう」
小六が肩をすくませる。
彼とて国人である。
転向するのはやむを得ない。
だがそう転向した相手を、また転向しろというのは、いかがなものか。
「そこは説くしかないでしょう。何とかなると思います」
帰蝶は朗らかに笑った。
すると、近くを歩いていた旅僧が「いい笑顔じゃ」と拝んで来た。
「観音さまの笑顔じゃ」
一徳斎と名乗ったその旅僧は、あなかしこ、あなかしこと言って、手を合わせた。
何だかそう言われるといい気分になって、これからやることに自信が出て来た帰蝶は、旅僧にやはり笑顔で手を振って別れた。
小六は意味ありげに木綿に目配せし、木綿はしばらくの間、じっと旅僧を見て、その姿が見えなくなるまで視線を外さなかった。
「どうしたのです?」
「相当の手練れの間者か……あるいは名のある武士のようです。努々、ご油断なきよう」
「そうでしょうか」
そうこう言っているうちに、城門が見えて来た。
*
「お断りします」
その男――否、少年とも言っていいぐらい、幼さを感じさせる竹中半兵衛は、にべもなく断って来た。
「たしかに私は大殿に……故・道三さまに味方しました。だが今は、一色義龍さまの臣です。臣として、主を裏切るのは、いかがなものか」
剄い視線である。
若いゆえか、それゆえに剄い。
そんな目をしていた。
「お説ごもっとも。けれどもこの帰蝶、いえ、斎藤利治は父上より斎藤家の家督を継いだものです。臣とおっしゃるのならば、わたしの言うことに従うべきでは?」
帰蝶は懐中から「利治」と大書された紙を取り出す。
それは、斎藤道三の筆跡である。
「…………」
半兵衛は黙然として、帰蝶から手渡されたその紙を見ていた。
小六は帰蝶のうしろからその様子を眺めつつ、周囲への警戒を怠らなかった。
先ほどの一徳斎とやら、気にかかる。
そんな表情である。
万一に備えて、敢えて木綿は城の庭に待機させている。
「……たしかに大殿の手によるもののようですが」
そう言う半兵衛も知ってか知らずか、たまに周囲へ鋭い視線を向ける。
「だがそれだけだ……貴殿が斎藤利治と名乗られても、斎藤家を家督したと言われても、この美濃の国主は、今や一色義龍さま。今さらそんなことを主張されても、どうなると言うのです?」
帰蝶は莞爾として笑った。
「それをどうにかしていただきたいのです、半兵衛さまが」
「これは異なことを言う……」
半兵衛は苦笑した。
こんなことを言ってくる帰蝶という人は、たしかに斎藤道三の子なのだろう。
しかし、そうだと言ったところで、今や一色義龍が美濃の王だ。
やりようによっては、それを覆すまではいかなくとも、かき乱すことはできそうだが……。
そこまで考えて、半兵衛は頭を振った。
いけないいけない。
つい、こういうことを考えてしまうのが、悪い癖だ。
「ともかく、武士の情けとして、貴殿がお見えになったことは伏せておきましょう。お帰りなされませ」
半兵衛は立ち上がった。
先ほどからこの城をうかがう気配も気になる。
見送りがてら、少し探るかと思ったその時だった。
帰蝶が口を開いた。
「双頭の蛇、あるいは卒然」
「何ッ」
半兵衛だけでない。
さっきから感じる気配も、動揺している。
卒然。
双頭の蛇。
それは、兵書に親しむ半兵衛なら必ずや反応するであろう言葉である。
孫子曰く、善く兵を用うる者は、譬えば卒然のごとし。
帰蝶は、そういう文言を思い出せと言っているわけではない。
今孔明・竹中半兵衛に、そこから考えろと言っているのだ。
「…………」
長良川の戦い。
あの時、大殿は、斎藤道三は、稀代の謀将は何と言った。
何を考えていた。
何を気にしていた。
「今川義元……」
まさか。
双頭の蛇とは。
「美濃と……海道……挟撃……」
「そうです。あの長良川の戦いなど、今川義元にとって、尾張乱入のお膳立てに過ぎません。ゆえにこそ、これです」
帰蝶はその書状を取り出した。
国譲り状である。
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