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第十部 東西の謀(はかりごと)
60 京(みやこ)往還記 還の巻
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京。
織田信長は将軍・足利義輝との謁見を終えた。
結局、帰蝶は母親である山崎屋おはると会えずじまいのまま、尾張へ帰る日がやって来た。
義輝は「すまぬのう、すまぬのう」と言っていた。
悪い人ではないと思うのだが、いささか夢見がちなところがある人である。
いずれ幕府が天下を取り返した時には必ず、と言われた時には、どうしようかと思ったくらいだ。
信長は心得たもので、「ありがたき幸せ」と頭を下げていた。
そうか、こうするのか。
帰蝶は同じように下を向いてから、苦笑した。
……そうこうするうちに、尾張へ帰る日がやって来たというわけである。
*
「何や、申し訳ないのう」
これは取次をしてくれた細川与一郎藤孝であり、彼は心底すまなそうに詫びていた。
隣の十兵衛も頭を掻いた。
「堺くんだりまで行って来たが、やっぱり無いわ、宗易はんからの連絡」
明智十兵衛は「やることが無いから」と言って、京に到着したあとに、すぐに堺へ発ってくれた。
おはるに同行した、千宗易という茶人の、商人としての商家・魚屋が堺にあるため、そこでおはるがどこにいるか調べるためである。
宗易は商売の必要上もあって、不定期に魚屋に書状を送って来ていた。
「まア元々、定まって文ィ送るゥ約束やない言われたけれど……あと、もう堺か京に向かっとるさかい、文が無いとも言われたけれどなア」
十兵衛が唇を尖らせると、その表情が面白くて帰蝶は笑った。
「ほほ……まあ、お家がどこにあるか分かっただけでも、儲けものです」
居場所が分からなければ、手紙も書けない。
でもこれからは、少なくとも手紙のやり取りはできる。
今回のところは、藤孝に手紙を託すことにした。
「ほんま、すまんなぁ……だがこの文は、細川与一郎藤孝、必ずお届けいたす」
その藤孝の古式ゆかしい礼に、彼の心意気が知れた。
「濃」
背中から声がかかった。
振り向かずとも分かった。
帰蝶のことを濃と呼ぶのは、ひとりしかいない。
「信長さま」
「……行こう」
「ええ」
信長が何とか滞在期間を延ばしてくれた。
が、それもどうやら限界のようだ。
「帰りましょう、尾張へ」
だがその途次で美濃でやることがあるのだが、それは言わなかった。
美濃の一色義龍の間者が、いつどこで聞いているか分からないから。
*
妙覚寺を出て、東へ。
往路と同じ道を行き、京を出た。
「信長さま、お方さま」
出たところで、木綿藤吉が待ち受けていた。
彼は、蜂須賀小六と共に、ある目的のため、美濃へ潜行していたが、その目星がついたため、ここまでやって来たのである。
蜂須賀小六は美濃の出身で、長良川の戦いで主・斎藤道三が敗死して以降、信長に仕えていた。
「小六どののおっしゃるには、やはり十兵衛さまのおっしゃった『あのお方』が最適とのこと」
「で、あるか」
「それと、これは簗田政綱さまからの伝言ですが」
簗田政綱は信長の謀臣で、今は海道――三河・遠江・駿河方面に網を張っている。
今川の動きを細大漏らさず把握するために。
「今川義元、駿府にて武田信玄、北条氏康と会うたらしい……との由」
「……で、あるか」
義元め。
わざわざ同盟相手を呼びつけて、何を話したのやら。
あるいはそれは……尾張入りへの「支度」ということか。
こうしてはおれん。
「発とう!」
信長が馬上の人になった、その時だった。
「お待ち下され、お待ち下され!」
振り返ると、京の方から誰かが駆けてくる。
大柄の男と、小柄の女だ。
大柄の男に見覚えはない。
小柄の女にも、見覚えはない。
だが、面影はあった。
「……まさか。濃! 濃!」
「何ですか」
帰蝶が来ると、「見よ」と信長は指を差した。
「あ」
向こうの小柄の女も気がついたらしく、大きく手を振っていた。
「……帰蝶! 帰蝶ですね! おはるです!おはるです!」
「……母上! 母上!」
かなりの日にちは過ぎたが、ついに小柄の女――山崎屋おはるは、大柄の男――千宗易は、帰蝶に会うことができた。
*
「お急ぎとのことなので、すぐに立ち去ります」
おはるは帰蝶とひしと抱き合ったあと、そう言った。
信長はぜひ尾張へと言いたいところだったが、帰るべき尾張は戦場となる。ましてや、途中の美濃には、心情の面からも通りたくないであろう。
「いいのです」
すべてを悟ったようなおはるの笑顔に、これが道三を惚れさせた顔か、と皆思った。
「あの人の文にもありましたが……誰が聞いているか分かりませんから、多くは申しません」
おはるもまた、戦国の世の商家の女である。秘するべきことは秘す。それは分かっていた。
帰蝶も信長もまた、それを知ってうなずいた。
この場に蜂須賀小六や簗田政綱がいれば、そういう輩を排除できようが、今はいない。何より、まだ京の近郊で、人の目や耳からのがれられない。
「ですので、言えることだけ……昔、あの人は――当時は長井新九郎といったそうですが――諸国を放浪しました。そして多治比さまという方に会ったそうです」
多治比は当時、守護あるいは守護代というべき大名から攻められていた。その兵力は、多治比の五倍。まさに、危急存亡の秋であった。
「そこへ、あの人が颯爽と現れたそうでございます」
おはるがうっとりとした表情でそれを述べると、帰蝶はわが母ながら、惚気ではないかと思った。
「……まあ、いろいろとあったそうですが、川を渡って攻めてくるその『敵』を多治比どのは破りました。それにはあの人の知恵と槍が欠かせなかったそうです」
そして多治比と道三は別れる時、共に天下をと誓い合った。
だが、その誓いは成されることはなく今に至り、道三は散った。
「昔語りを終えた多治比さまは、あの人の最期と、帰蝶、あなたの今を聞いて、こう言いました」
自分もまた、初陣の頃から、家督を継いだあとも、そして数年前も、苦境に、危機に遭った。
だからこそ言うが、諦めずに「道」を探して欲しい。
困難な状況ではあるが、むしろそれを機だと思って――。
「機? それは……」
帰蝶が首をかしげると、隣にいた信長が「ホレ、アレだ」とある小唄の出だしを口ずさんだ。
するとおはるは驚いて、よく分かりましたねと言った。
「そうです、それです。多治比さまは、あの人から教えてもらったと言って、その小唄を唄ってくれました」
――死のふは一定 しのび草には何をしよぞ 一定かたりをこすのよ
「…………」
帰蝶が口ずさむとおはるは目を閉じて聞き入った。
まるでそこに、故・斎藤道三が唄っているかのように、目じりに涙を浮かべて。
それを見て、信長は深くうなずいた。
「……そうだな、歎いていても始まらん。むしろこれを名を残す、語り草を残す機と捉えねば」
そう思うと、全身に活力がみなぎる信長であった。
帰蝶も同様である。
「父上、ありがとうございます」
帰蝶は手を合わせた。おはるも信長も、そして宗易も手を合わせた。
*
「母上、また会いましょう」
「ええ。体に気をつけるのですよ、帰蝶」
今こうしている間にも、今川義元の策謀は動いている。
一刻も早く帰る必要があった。
それをおはるも知っているので、笑顔で別れを告げた。
それに、また会える。
また会えると約束した。
それは、この状況を必ず乗り越えるとの決意である。
「そういえば」
すでに馬上の人となった信長は、鞍に提げていた袋をつかみ、その中のものを取り出した。
「宗易どの」
「はい」
「礼だ」
信長がそれを無造作に放り投げると、宗易も何気なく両手で受け止めた。
ただし宗易は受け止めたあとで、驚倒した。
「こっ、これは……天目や無いですか? こ、こないなもんをそんな雑に……」
「でないと宗易どのは受け取らないであろう? だからだ」
そして信長はからからと笑うと、「行くぞ」と帰蝶に手を伸ばし、彼女を馬に乗せた。
「わが妻の母上の世話の礼……安くはない。それでも安いくらいよ……では御免!」
信長が手綱を振ると、馬はいななきを上げ、それを合図に織田家五百の将兵は前進を始めた。
こうなっては、宗易も黙って見送るしかなかった。
ただおはるだけが、いつまでも、いつまでも手を振っていた。
*
「……ふぅ、大した御仁や」
宗易は冷や汗を出しながら、手にした天目を改めて眺めた。
横からおはるが「そんなに値打ち物なんですか?」と聞いてくる。
「値打ちも何も……一国に値する名物やで」
「え、そんなに!?」
千宗易は、それだけの価値のある働きをしてくれたと、信長と帰蝶は認めたのだ。そして、並の方法では受け取らぬと、おそらく細川藤孝あたりに聞いていて。
「あないな……放り投げるゆう、無体な方法を採ったんや」
「まあまあ……」
感歎するおはる。
そして宗易は何を思ったか、笑い出した。
「面白い……面白いわ、織田の信長はんと帰蝶はん……これは……『買い』や」
「買い?」
「せや、こないな真似するゥお人、面白いわ……きっと、伸びるでェ」
しばし感心したようにうなずいていた宗易は「ほな」と言っておはると元来た道を戻った。
二人は一度京に戻り、そしてまた堺へ行くことになっていた。
……今は亡き斎藤道三の最後の願いをかなえるために。
織田信長は将軍・足利義輝との謁見を終えた。
結局、帰蝶は母親である山崎屋おはると会えずじまいのまま、尾張へ帰る日がやって来た。
義輝は「すまぬのう、すまぬのう」と言っていた。
悪い人ではないと思うのだが、いささか夢見がちなところがある人である。
いずれ幕府が天下を取り返した時には必ず、と言われた時には、どうしようかと思ったくらいだ。
信長は心得たもので、「ありがたき幸せ」と頭を下げていた。
そうか、こうするのか。
帰蝶は同じように下を向いてから、苦笑した。
……そうこうするうちに、尾張へ帰る日がやって来たというわけである。
*
「何や、申し訳ないのう」
これは取次をしてくれた細川与一郎藤孝であり、彼は心底すまなそうに詫びていた。
隣の十兵衛も頭を掻いた。
「堺くんだりまで行って来たが、やっぱり無いわ、宗易はんからの連絡」
明智十兵衛は「やることが無いから」と言って、京に到着したあとに、すぐに堺へ発ってくれた。
おはるに同行した、千宗易という茶人の、商人としての商家・魚屋が堺にあるため、そこでおはるがどこにいるか調べるためである。
宗易は商売の必要上もあって、不定期に魚屋に書状を送って来ていた。
「まア元々、定まって文ィ送るゥ約束やない言われたけれど……あと、もう堺か京に向かっとるさかい、文が無いとも言われたけれどなア」
十兵衛が唇を尖らせると、その表情が面白くて帰蝶は笑った。
「ほほ……まあ、お家がどこにあるか分かっただけでも、儲けものです」
居場所が分からなければ、手紙も書けない。
でもこれからは、少なくとも手紙のやり取りはできる。
今回のところは、藤孝に手紙を託すことにした。
「ほんま、すまんなぁ……だがこの文は、細川与一郎藤孝、必ずお届けいたす」
その藤孝の古式ゆかしい礼に、彼の心意気が知れた。
「濃」
背中から声がかかった。
振り向かずとも分かった。
帰蝶のことを濃と呼ぶのは、ひとりしかいない。
「信長さま」
「……行こう」
「ええ」
信長が何とか滞在期間を延ばしてくれた。
が、それもどうやら限界のようだ。
「帰りましょう、尾張へ」
だがその途次で美濃でやることがあるのだが、それは言わなかった。
美濃の一色義龍の間者が、いつどこで聞いているか分からないから。
*
妙覚寺を出て、東へ。
往路と同じ道を行き、京を出た。
「信長さま、お方さま」
出たところで、木綿藤吉が待ち受けていた。
彼は、蜂須賀小六と共に、ある目的のため、美濃へ潜行していたが、その目星がついたため、ここまでやって来たのである。
蜂須賀小六は美濃の出身で、長良川の戦いで主・斎藤道三が敗死して以降、信長に仕えていた。
「小六どののおっしゃるには、やはり十兵衛さまのおっしゃった『あのお方』が最適とのこと」
「で、あるか」
「それと、これは簗田政綱さまからの伝言ですが」
簗田政綱は信長の謀臣で、今は海道――三河・遠江・駿河方面に網を張っている。
今川の動きを細大漏らさず把握するために。
「今川義元、駿府にて武田信玄、北条氏康と会うたらしい……との由」
「……で、あるか」
義元め。
わざわざ同盟相手を呼びつけて、何を話したのやら。
あるいはそれは……尾張入りへの「支度」ということか。
こうしてはおれん。
「発とう!」
信長が馬上の人になった、その時だった。
「お待ち下され、お待ち下され!」
振り返ると、京の方から誰かが駆けてくる。
大柄の男と、小柄の女だ。
大柄の男に見覚えはない。
小柄の女にも、見覚えはない。
だが、面影はあった。
「……まさか。濃! 濃!」
「何ですか」
帰蝶が来ると、「見よ」と信長は指を差した。
「あ」
向こうの小柄の女も気がついたらしく、大きく手を振っていた。
「……帰蝶! 帰蝶ですね! おはるです!おはるです!」
「……母上! 母上!」
かなりの日にちは過ぎたが、ついに小柄の女――山崎屋おはるは、大柄の男――千宗易は、帰蝶に会うことができた。
*
「お急ぎとのことなので、すぐに立ち去ります」
おはるは帰蝶とひしと抱き合ったあと、そう言った。
信長はぜひ尾張へと言いたいところだったが、帰るべき尾張は戦場となる。ましてや、途中の美濃には、心情の面からも通りたくないであろう。
「いいのです」
すべてを悟ったようなおはるの笑顔に、これが道三を惚れさせた顔か、と皆思った。
「あの人の文にもありましたが……誰が聞いているか分かりませんから、多くは申しません」
おはるもまた、戦国の世の商家の女である。秘するべきことは秘す。それは分かっていた。
帰蝶も信長もまた、それを知ってうなずいた。
この場に蜂須賀小六や簗田政綱がいれば、そういう輩を排除できようが、今はいない。何より、まだ京の近郊で、人の目や耳からのがれられない。
「ですので、言えることだけ……昔、あの人は――当時は長井新九郎といったそうですが――諸国を放浪しました。そして多治比さまという方に会ったそうです」
多治比は当時、守護あるいは守護代というべき大名から攻められていた。その兵力は、多治比の五倍。まさに、危急存亡の秋であった。
「そこへ、あの人が颯爽と現れたそうでございます」
おはるがうっとりとした表情でそれを述べると、帰蝶はわが母ながら、惚気ではないかと思った。
「……まあ、いろいろとあったそうですが、川を渡って攻めてくるその『敵』を多治比どのは破りました。それにはあの人の知恵と槍が欠かせなかったそうです」
そして多治比と道三は別れる時、共に天下をと誓い合った。
だが、その誓いは成されることはなく今に至り、道三は散った。
「昔語りを終えた多治比さまは、あの人の最期と、帰蝶、あなたの今を聞いて、こう言いました」
自分もまた、初陣の頃から、家督を継いだあとも、そして数年前も、苦境に、危機に遭った。
だからこそ言うが、諦めずに「道」を探して欲しい。
困難な状況ではあるが、むしろそれを機だと思って――。
「機? それは……」
帰蝶が首をかしげると、隣にいた信長が「ホレ、アレだ」とある小唄の出だしを口ずさんだ。
するとおはるは驚いて、よく分かりましたねと言った。
「そうです、それです。多治比さまは、あの人から教えてもらったと言って、その小唄を唄ってくれました」
――死のふは一定 しのび草には何をしよぞ 一定かたりをこすのよ
「…………」
帰蝶が口ずさむとおはるは目を閉じて聞き入った。
まるでそこに、故・斎藤道三が唄っているかのように、目じりに涙を浮かべて。
それを見て、信長は深くうなずいた。
「……そうだな、歎いていても始まらん。むしろこれを名を残す、語り草を残す機と捉えねば」
そう思うと、全身に活力がみなぎる信長であった。
帰蝶も同様である。
「父上、ありがとうございます」
帰蝶は手を合わせた。おはるも信長も、そして宗易も手を合わせた。
*
「母上、また会いましょう」
「ええ。体に気をつけるのですよ、帰蝶」
今こうしている間にも、今川義元の策謀は動いている。
一刻も早く帰る必要があった。
それをおはるも知っているので、笑顔で別れを告げた。
それに、また会える。
また会えると約束した。
それは、この状況を必ず乗り越えるとの決意である。
「そういえば」
すでに馬上の人となった信長は、鞍に提げていた袋をつかみ、その中のものを取り出した。
「宗易どの」
「はい」
「礼だ」
信長がそれを無造作に放り投げると、宗易も何気なく両手で受け止めた。
ただし宗易は受け止めたあとで、驚倒した。
「こっ、これは……天目や無いですか? こ、こないなもんをそんな雑に……」
「でないと宗易どのは受け取らないであろう? だからだ」
そして信長はからからと笑うと、「行くぞ」と帰蝶に手を伸ばし、彼女を馬に乗せた。
「わが妻の母上の世話の礼……安くはない。それでも安いくらいよ……では御免!」
信長が手綱を振ると、馬はいななきを上げ、それを合図に織田家五百の将兵は前進を始めた。
こうなっては、宗易も黙って見送るしかなかった。
ただおはるだけが、いつまでも、いつまでも手を振っていた。
*
「……ふぅ、大した御仁や」
宗易は冷や汗を出しながら、手にした天目を改めて眺めた。
横からおはるが「そんなに値打ち物なんですか?」と聞いてくる。
「値打ちも何も……一国に値する名物やで」
「え、そんなに!?」
千宗易は、それだけの価値のある働きをしてくれたと、信長と帰蝶は認めたのだ。そして、並の方法では受け取らぬと、おそらく細川藤孝あたりに聞いていて。
「あないな……放り投げるゆう、無体な方法を採ったんや」
「まあまあ……」
感歎するおはる。
そして宗易は何を思ったか、笑い出した。
「面白い……面白いわ、織田の信長はんと帰蝶はん……これは……『買い』や」
「買い?」
「せや、こないな真似するゥお人、面白いわ……きっと、伸びるでェ」
しばし感心したようにうなずいていた宗易は「ほな」と言っておはると元来た道を戻った。
二人は一度京に戻り、そしてまた堺へ行くことになっていた。
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