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第七部 相剋の戦(いくさ)
40 渦巻く謀略の尾張
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織田信長が尾張に戻って、まずやったことは、岩倉織田家への焼き討ちである。
「やられたらやり返す、ということを示さねば、同じことを繰り返されるであろう」
とは、信長の台詞である。
これは単に、岩倉織田家への牽制ばかりを意味しているのではない。
ほかならぬ弟、織田信行に向けての警告を意味した。
「……そもそも、信行には、守護・斯波義銀さまの頼みで、那古野城を譲った」
正確には、信行側の家臣である林秀貞に、那古野城留守居役を命じた。
秀貞は、かつて信長の一番家老として(平手政秀は二番家老)、信長の後見を任されていた経緯がある。
実際は、奇行奇癖の多い信長に辟易して、政秀に丸投げしていたが。
とにかく、秀貞への那古野城留守居役任命は、信行陣営に対し「その代わり、岩倉織田家へ味方しないように。警戒するように」という意味を暗に含んでいたし、実際に秀貞にはそう言った。
信行は若くてこういう「取引」を嫌う性質があるので、「判っている」秀貞に持ちかけ、秀貞も「ある程度は」と含みを持たせた回答をしてきた。
「……それが、どうだ。たしかに味方しなかったが、もしや岩倉織田家の焼き討ちを、見のがしたやもしれぬ……わざと」
信長は湯漬けを食べながら考える。
この頃には帰蝶は傷心から立ち直り、信長と共に物事を考える役割を務めていた。
「……そういえば」
帰蝶は、信長が岩倉織田家に焼き討ちしている最中に、侍女の吉野から、あるうわさ話を聞いた。
それは。
「信行さまは最近、弾正忠を自称しておられるとか」
「何と」
弾正忠。
言わずと知れた織田弾正忠家の弾正忠である。
それを称するとはすなわち、今となっては信長と信行しかいない織田弾正忠家、その正嫡であることを意味した。
「信行め……」
歯噛みする信長だが、一方で冷徹に事を判断していた。
美濃の斎藤道三という最大の同盟相手、後ろ盾を無くした信長。
これなら、敵にしても怖くない。
そんなところであろう。
……だが、それだけではない。
「信行にしては、狙い過ぎる。誰か、知恵者が信行についているのでは」
同じ父親、同じ母親の兄弟として生まれ育っただけに、信長は、信行のことが分かっていた。
ゆえに、信行がこのような物の分かった対応をして来るとは、解せない。
「信行の家臣……しかし柴田勝家といい、林秀貞といい、兵を挙げるのなら判る。それがこのような気の利いた真似をするとは……」
そこで信長は信行の家臣で、津々木蔵人なる人物が加わっていたことを思い出した。
「津々木蔵人……」
かつて、信長と信行の弟である秀孝が、信長の叔父(つまり信行と秀孝の叔父)・織田信次と諍いを起こし、信次の家来である洲賀才蔵に射殺されてしまうという事件があった。
信長は秀孝にも非があるとして不問に付したが、信行は激怒した。
信行は柴田勝家と……そして津々木蔵人を一手の将として派して、信次の城・守山城の城下を焼き払ったことがある。
なおその際、織田信次は逃亡し、放浪の生活に入ったという。
帰蝶は蔵人について、ある情報を思い出した。
「百舌鳥狩の達人、信行さまに百舌鳥を献じたことから、仕えるようになったとか」
「…………」
信行は百舌鳥に目がない。
そこをつけ込んで来たのなら、何かある。
「しかし帰蝶」
「何ですか?」
「その話、誰に聞いた? われは知らぬぞ」
「……ああ、前田さまに聞きました。美濃から退く時に。しょげるな、おれの安食の戦いの手柄話でも聞いて、みんな奮え、とか言い出して」
「……あほうが」
だが信長は悪い気はしなかった。
美濃からの撤退は、皆、落ち込んでいた。
それでも士気を保とうとする利家の努力は、嘉するものである、と。
顔をほころばせる信長であるが、一方で帰蝶が真剣な表情をしているのに気がついた。
「いかがした?」
「そういえば……」
利家は安食の戦いについて語り終えたあと、最後にふと「信行さまは他国者でも積極的に召し抱えておるらしい。われらも励まねば」と洩らしていた。
「何だと? まさかその他国者とは……」
「おそらく……三河か遠江だと思う、とも言ってました」
信長は謀臣である簗田政綱を呼んだ。
「それとばれてもかまわぬ。信行が臣、津々木蔵人の動向を探れ」
「承知」
こうして信長は信行とその周辺にうごめく蔵人の様子を探らせた。
しかし、事態は思ったよりも急激に動いていく。
すなわち、信行による、信長の領地への侵攻である。
*
織田信行は虎視眈々と、兄・織田信長に隙が生じるのを待っていたのだろうか。
しかし、これまでの信長の戦いにおいて、少なくともその隙を突こうとはしていない。さらに、安食の戦いにおいては、援軍まで送っている。
だが、長良川の戦いのあたりから、それがおかしくなった。
「もはや信長さまに、お味方はおりませぬぞ、信行さま」
津々木蔵人がささやく。
信行はそうであるかとうなずくが、積極的に攻めようとは思っていなかった。
次第に次第に弾正忠家を手中にして、どこかに捨扶持、あるいは追放で。
……そう考えていた。
「甘うございますぞ、信行さま」
蔵人はまるで何かの呪文のように、織田信光さま、と唱えた。
織田信光。
織田弾正忠家の重鎮。信長と信行の叔父であり、信長の味方として、萱津合戦の頃から支え、村木砦の戦いや、安食の戦いを中心とする織田守護代家(大和守家)打倒の戦いにも参画した。
終いには、守護代・織田信友と守護又代・坂井大膳の誘降策(信友の養子として迎え入れる)を逆用して、信友の居城だった清洲城の乗っ取りに成功した。
しかし信光自身は清洲城をあっさりと信長に譲り渡し、代わりに那古野城の城主に収まった。
「……その信光さまの末路を覚えておいでですかな、信行さま」
蔵人の目が妖しく輝く。
そのようなこと、言われずとも知っていると抗弁したい信行の反抗心を封じてくる。
反抗心。
そういえば、いつの間にか蔵人のいうことに従うことが、当たり前と思うようになっていたのか。
主は信行だというのに。
「……そう、信光さまの北の方(夫人)と、坂井孫八郎が恐れ多くも手を組んで、信光さまを害しましたな」
織田信光は、北の方と通じていた坂井孫八郎によって暗殺されたと伝えられている。
だがここで、蔵人はとんでもないことを言い出した。
「ここだけの話ですが……信光さまのその哀れなる末路には、信長さまの指図という話が」
「何!?」
信行としては初耳である。
同じ弾正忠家、同じ兄弟として、さすがに「真相」を信長から聞かされていたが、さようなことは言っていなかった。
「だって、そうじゃないですか……信長さまとしては、信光さまは目の上のたんこぶではないですか。生きていれば、いつ寝首をかかれるか、いつ弾正忠家を乗っ取られるか、たまったものではないじゃないですか……」
「そうであろうか……」
信長と信光は仲が良かったと聞いているし、実際、親しげな様子を見て、うらやましく思った記憶もある。
「お甘い」
蔵人は、さる筋から、信長が信光暗殺の陰謀を使嗾したと聞いたという。
「たしかな話ですぞ、信行さま。そして、次に狙われるのは……」
貴方だ、と蔵人の目が語っていた。
しかし、と信行は抗弁した。
……またしても。
「しかし、さる筋とは何だ? いかに蔵人の言葉とはいえ、そう濁されると気になるし、そういう言い方を元に、兄上に抗するわけにはいかぬぞ」
そこで蔵人は初めてため息をついた。
もしかしたら、面倒くさい奴だな、と思っているのかもしれない。
だが説明はした。
「そこまでおっしゃられるのなら申し上げましょう……ずばり、今川義元さまです」
「い、今川!?」
弾正忠家の年来の仇ではないか、と信行は目を剥いた。
大したことではありませぬ、と蔵人は平たい目をした。
「敵の敵は味方と申しましょう……信長さまが今川さまと敵対するのならば、その今川さまと手を組むべきでしょう。要は、武略です」
嘘と裏切りではないか、と信行はうめいた。
それを気にせず蔵人は滔々と述べる。
「信行さまとしても、にわかに今川さまと……と思う気持ちも判ります。判りますがゆえに……拙者が単独で働きかけた次第……それに、今川さまとて、ただ『そうだ』と言ったわけではありません」
これを、と言って、蔵人は懐中から書状を差し出した。
信行が何も考えずにそれを手に取ると、それにはある名前が記されていた。
「こ、これは……」
「さよう。故・織田信光さまの北の方による書状でござる」
「…………」
むろん、今川義元による仕込みである。
蔵人の暗躍も含めて、全て……全て、今川義元が画策している。
そういう意味では、信光を殺したのは、義元と言えた。
だが、信行はそのようなことはつゆ知らず、義元の術中に嵌まり、信長への敵意を高めていくのだった。
「やられたらやり返す、ということを示さねば、同じことを繰り返されるであろう」
とは、信長の台詞である。
これは単に、岩倉織田家への牽制ばかりを意味しているのではない。
ほかならぬ弟、織田信行に向けての警告を意味した。
「……そもそも、信行には、守護・斯波義銀さまの頼みで、那古野城を譲った」
正確には、信行側の家臣である林秀貞に、那古野城留守居役を命じた。
秀貞は、かつて信長の一番家老として(平手政秀は二番家老)、信長の後見を任されていた経緯がある。
実際は、奇行奇癖の多い信長に辟易して、政秀に丸投げしていたが。
とにかく、秀貞への那古野城留守居役任命は、信行陣営に対し「その代わり、岩倉織田家へ味方しないように。警戒するように」という意味を暗に含んでいたし、実際に秀貞にはそう言った。
信行は若くてこういう「取引」を嫌う性質があるので、「判っている」秀貞に持ちかけ、秀貞も「ある程度は」と含みを持たせた回答をしてきた。
「……それが、どうだ。たしかに味方しなかったが、もしや岩倉織田家の焼き討ちを、見のがしたやもしれぬ……わざと」
信長は湯漬けを食べながら考える。
この頃には帰蝶は傷心から立ち直り、信長と共に物事を考える役割を務めていた。
「……そういえば」
帰蝶は、信長が岩倉織田家に焼き討ちしている最中に、侍女の吉野から、あるうわさ話を聞いた。
それは。
「信行さまは最近、弾正忠を自称しておられるとか」
「何と」
弾正忠。
言わずと知れた織田弾正忠家の弾正忠である。
それを称するとはすなわち、今となっては信長と信行しかいない織田弾正忠家、その正嫡であることを意味した。
「信行め……」
歯噛みする信長だが、一方で冷徹に事を判断していた。
美濃の斎藤道三という最大の同盟相手、後ろ盾を無くした信長。
これなら、敵にしても怖くない。
そんなところであろう。
……だが、それだけではない。
「信行にしては、狙い過ぎる。誰か、知恵者が信行についているのでは」
同じ父親、同じ母親の兄弟として生まれ育っただけに、信長は、信行のことが分かっていた。
ゆえに、信行がこのような物の分かった対応をして来るとは、解せない。
「信行の家臣……しかし柴田勝家といい、林秀貞といい、兵を挙げるのなら判る。それがこのような気の利いた真似をするとは……」
そこで信長は信行の家臣で、津々木蔵人なる人物が加わっていたことを思い出した。
「津々木蔵人……」
かつて、信長と信行の弟である秀孝が、信長の叔父(つまり信行と秀孝の叔父)・織田信次と諍いを起こし、信次の家来である洲賀才蔵に射殺されてしまうという事件があった。
信長は秀孝にも非があるとして不問に付したが、信行は激怒した。
信行は柴田勝家と……そして津々木蔵人を一手の将として派して、信次の城・守山城の城下を焼き払ったことがある。
なおその際、織田信次は逃亡し、放浪の生活に入ったという。
帰蝶は蔵人について、ある情報を思い出した。
「百舌鳥狩の達人、信行さまに百舌鳥を献じたことから、仕えるようになったとか」
「…………」
信行は百舌鳥に目がない。
そこをつけ込んで来たのなら、何かある。
「しかし帰蝶」
「何ですか?」
「その話、誰に聞いた? われは知らぬぞ」
「……ああ、前田さまに聞きました。美濃から退く時に。しょげるな、おれの安食の戦いの手柄話でも聞いて、みんな奮え、とか言い出して」
「……あほうが」
だが信長は悪い気はしなかった。
美濃からの撤退は、皆、落ち込んでいた。
それでも士気を保とうとする利家の努力は、嘉するものである、と。
顔をほころばせる信長であるが、一方で帰蝶が真剣な表情をしているのに気がついた。
「いかがした?」
「そういえば……」
利家は安食の戦いについて語り終えたあと、最後にふと「信行さまは他国者でも積極的に召し抱えておるらしい。われらも励まねば」と洩らしていた。
「何だと? まさかその他国者とは……」
「おそらく……三河か遠江だと思う、とも言ってました」
信長は謀臣である簗田政綱を呼んだ。
「それとばれてもかまわぬ。信行が臣、津々木蔵人の動向を探れ」
「承知」
こうして信長は信行とその周辺にうごめく蔵人の様子を探らせた。
しかし、事態は思ったよりも急激に動いていく。
すなわち、信行による、信長の領地への侵攻である。
*
織田信行は虎視眈々と、兄・織田信長に隙が生じるのを待っていたのだろうか。
しかし、これまでの信長の戦いにおいて、少なくともその隙を突こうとはしていない。さらに、安食の戦いにおいては、援軍まで送っている。
だが、長良川の戦いのあたりから、それがおかしくなった。
「もはや信長さまに、お味方はおりませぬぞ、信行さま」
津々木蔵人がささやく。
信行はそうであるかとうなずくが、積極的に攻めようとは思っていなかった。
次第に次第に弾正忠家を手中にして、どこかに捨扶持、あるいは追放で。
……そう考えていた。
「甘うございますぞ、信行さま」
蔵人はまるで何かの呪文のように、織田信光さま、と唱えた。
織田信光。
織田弾正忠家の重鎮。信長と信行の叔父であり、信長の味方として、萱津合戦の頃から支え、村木砦の戦いや、安食の戦いを中心とする織田守護代家(大和守家)打倒の戦いにも参画した。
終いには、守護代・織田信友と守護又代・坂井大膳の誘降策(信友の養子として迎え入れる)を逆用して、信友の居城だった清洲城の乗っ取りに成功した。
しかし信光自身は清洲城をあっさりと信長に譲り渡し、代わりに那古野城の城主に収まった。
「……その信光さまの末路を覚えておいでですかな、信行さま」
蔵人の目が妖しく輝く。
そのようなこと、言われずとも知っていると抗弁したい信行の反抗心を封じてくる。
反抗心。
そういえば、いつの間にか蔵人のいうことに従うことが、当たり前と思うようになっていたのか。
主は信行だというのに。
「……そう、信光さまの北の方(夫人)と、坂井孫八郎が恐れ多くも手を組んで、信光さまを害しましたな」
織田信光は、北の方と通じていた坂井孫八郎によって暗殺されたと伝えられている。
だがここで、蔵人はとんでもないことを言い出した。
「ここだけの話ですが……信光さまのその哀れなる末路には、信長さまの指図という話が」
「何!?」
信行としては初耳である。
同じ弾正忠家、同じ兄弟として、さすがに「真相」を信長から聞かされていたが、さようなことは言っていなかった。
「だって、そうじゃないですか……信長さまとしては、信光さまは目の上のたんこぶではないですか。生きていれば、いつ寝首をかかれるか、いつ弾正忠家を乗っ取られるか、たまったものではないじゃないですか……」
「そうであろうか……」
信長と信光は仲が良かったと聞いているし、実際、親しげな様子を見て、うらやましく思った記憶もある。
「お甘い」
蔵人は、さる筋から、信長が信光暗殺の陰謀を使嗾したと聞いたという。
「たしかな話ですぞ、信行さま。そして、次に狙われるのは……」
貴方だ、と蔵人の目が語っていた。
しかし、と信行は抗弁した。
……またしても。
「しかし、さる筋とは何だ? いかに蔵人の言葉とはいえ、そう濁されると気になるし、そういう言い方を元に、兄上に抗するわけにはいかぬぞ」
そこで蔵人は初めてため息をついた。
もしかしたら、面倒くさい奴だな、と思っているのかもしれない。
だが説明はした。
「そこまでおっしゃられるのなら申し上げましょう……ずばり、今川義元さまです」
「い、今川!?」
弾正忠家の年来の仇ではないか、と信行は目を剥いた。
大したことではありませぬ、と蔵人は平たい目をした。
「敵の敵は味方と申しましょう……信長さまが今川さまと敵対するのならば、その今川さまと手を組むべきでしょう。要は、武略です」
嘘と裏切りではないか、と信行はうめいた。
それを気にせず蔵人は滔々と述べる。
「信行さまとしても、にわかに今川さまと……と思う気持ちも判ります。判りますがゆえに……拙者が単独で働きかけた次第……それに、今川さまとて、ただ『そうだ』と言ったわけではありません」
これを、と言って、蔵人は懐中から書状を差し出した。
信行が何も考えずにそれを手に取ると、それにはある名前が記されていた。
「こ、これは……」
「さよう。故・織田信光さまの北の方による書状でござる」
「…………」
むろん、今川義元による仕込みである。
蔵人の暗躍も含めて、全て……全て、今川義元が画策している。
そういう意味では、信光を殺したのは、義元と言えた。
だが、信行はそのようなことはつゆ知らず、義元の術中に嵌まり、信長への敵意を高めていくのだった。
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