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第六部 梟雄の死
35 国譲り状
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語り終えた斎藤道三は、娘の帰蝶の肩を叩き、「すまんな」と言った。
帰蝶は「いえ」と言って、その手をぎゅっと握った。
「それより、父上」
「何だ」
「これから、一色義龍と一騎打ちに及ぶつもりでしょう」
道三は少し驚いた顔をした。だが、帰蝶の後ろに控える、明智十兵衛、木綿藤吉、森可成らの面々を見て、得心した顔をした。
「……お前たち、だけではない。信長どのが察したか。であれば仕方ないな。そのとおりだ」
「父上、ならばわたしも共に戦います」
「……何を言っているんだ、お前は」
お前の役割は、わしと信長どのの連絡だろう、今から書状を渡すゆえ、戻れと道三は言った。
「戻りませぬ。それは……信長さまの許しを得ております」
「何と」
「それに……今となっては、斎藤の跡継ぎはわたしです。一色義龍にも、認めさせました」
「……そうであったな」
痛快痛快と言って、道三は少し考えて、そして筆を取った。
さらさらと筆が走り、紙の上に「利治」と記された。
「わしの諱の利政と、おはるの名から名付けた。以後、武将として戦う時は、そう名乗れ」
「父上、では」
帰蝶が満面の笑みを浮かべ、道三に抱きつく。
道三は、「利治」と記された紙を帰蝶に渡しながら。
「あっ」
当て身。
帰蝶は失神した。
「ばかものめが。そんな甘いようでは、これからのいくさ、死中に活を求めるいくさには、連れて行けぬわ」
帰蝶の身を横たえると、道三は、立ち上がった可成らに詫びた。
「すまぬ……だがこの道三、娘の親として、やはりいくさには連れて行けぬ」
「…………」
可成らは何も言わなかったが、それでも道三の心情を認めたらしく、抗議することはなかった。
「それと、だ」
道三は太原雪斎と今川義元が美濃に出現したことを告げ、その裏に何か大いなる陰謀がある、と推測を述べた。
「……であれば、今川としては、当然、わしと義龍の揉めごとに介入するであろう信長どのについて、何らの策を施していないわけがない」
その時、判断を共にする帰蝶がいないと、具合が悪かろう。
道三はそう考えて、帰蝶を「強制的に」信長の許に戻すことにした。
「…………」
また、何をか思ったのか、先ほどの「利政」という紙に、何ごとか書きつけると、帰蝶の懐にしまった。
*
道三は蜂須賀小六に命じた。
「帰蝶を織田に。そこな織田の家臣と合力して、必ず届けよ」
「うけたまわって候」
小六が陣内の厩へ向かう。
道三が目線で促すと、可成が「御免」と言って、帰蝶を抱え上げた。木綿が馬を連れてくると、可成は帰蝶を抱え上げたまま、馬に乗った。
「そなた……土岐家の臣であった森どのとお見受けする。土岐家の仇であるわしの娘を助けるのは不本意かもしれぬ。すまぬ」
馬上失礼すると断ってから、可成は答えた。
「このお方は面白い。生きているだけで、周りに元気をくれる。そういうお方を生かすためであり、仇だの何だのは、関わりございませぬ」
「……ありがたし」
道三が可成に一礼すると、懐中から書状を出し、それを木綿に渡した。
「これを信長どのに」
「必ずお渡しいたします」
「頼んだぞ。美濃をくれてやると書いてあるゆえ、失くすなよ」
「えっ」
木綿の仰天した顔に、道三はしてやったりと笑った。
「ははは……同じことを、信長どのと帰蝶にしてやれ。わしの代わりに、な」
道三のうしろで、十兵衛が「冗談きついで」と言って、彼もまた一礼した。
「お別れや、お姫さまをよろしゅうな」
十兵衛はすでに、明智城に兵が向けられていることを聞かされていた。
それでも、帰蝶や木綿、可成たちとの別れを惜しみ、場に残っていたのだ。
「ほな、行きや。大殿は泣きそうやさかい、もう行ったれや」
「おい、十兵衛」
「では、御免!」
可成と木綿が改めて頭を下げ、馬首をめぐらす。
すでに馬上の人となっていた小六も頭を下げ、「こちらへ」と先導する。
その後ろ姿を、道三は涙でぼやける視界の中、見送った。
そして顔を拭きながら振り向く。
「十兵衛」
「何や」
十兵衛は愛馬に手仕草で合図して、呼び寄せている最中だった。
「わいのことなら、涙は不要。むしろ泣きたいのは、こっちや」
早《は》よ城に行かなアカンとぼやいて、そっぽを向く十兵衛。
そんな十兵衛に、道三は一通の書状を渡した。
「何や、その懐に一体いくつ書状を持っとるんや」
「軽口はそこまでにしてくれぬか、雰囲気が出ぬ」
そういう道三も悪い気はしていないらしいが、彼は真面目な顔でつづけた。
「それな、その書状をのう……このいくさが終わったら、京の山崎屋に届けてくれぬか」
「おはるはん、でっか」
「そうよ。老骨の恋文、見るでないぞ」
「誰が! 軽口はそこまで言うたは、そっちやろが!」
「はは……頼んだぞ、では」
道三は別れを告げ、「出陣!」と大音声で叫んで、将兵を起こして回った。
……あとに残された十兵衛は、ふと気づいた。
「……やられた」
書状を京に届けるということは。
このいくさ、死なずに生き残れということ。
道三一流の、十兵衛への願いであった。
*
「義父上……死ぬな。死ぬなよ」
織田信長はほぼ全軍で清州城を出立し、一路、北の美濃へと向かっていた。
途中、増水した木曽川、飛騨川に悩まされたものの、幸いにも舟を調達できて、どうにか大良の戸島・東蔵坊にまで到達した。
「兵らも限界のようです」
前田利家、土方彦三郎らがそう報告してくると、信長は自ら将兵、そして雑人や牛馬の様子も見て、休息を命じた。
「ではここにて陣を構える。休め!」
帰蝶が先行して鶴山に向かった。
あの斎藤道三のことだ、信長との挟み撃ちを狙うはずだ。
「だが、帰蝶が間に合ったかどうか……そもそも、いくさに間に合うかどうか……」
その保証はない。
それどころか、一色義龍(この頃には信長も義龍の情報をつかんでいた)に追われているかもしれない。
そして帰蝶が無事、道三の許にたどり着いたとしても。
「もしや義父上は、送り返してくるやもしれんな……親父殿や爺ならそうする」
信長の道三の心情への読みは正しかったのだが、惜しむらくはこの瞬間はそれのみを考えていたため、それ以上のことは考えられなかった。
「…………」
いずれにせよ、将兵とそれを支える雑人や牛馬も疲れ切っている。
ここは休息の一手だ。
「何かして、気を紛らすか」
信長は鉄砲の手入れをすることにした。
この時、信長は最新式の鉄砲を揃えており、それをこのいくさに持って来ていた。
それだけ、信長のこのいくさに懸ける本気が知れた。
先端に来るんだ布切れをつけた棒を手に取り、鉄砲の筒先から、筒の中へ。
だが、その棒がなかなか筒先から入ってくれない。
手が、手が震えているのだ。
「どうなされた、信長さま」
「……一巴か」
橋本一巴。
信長麾下の鉄砲隊を率いる将にして、信長の鉄砲の師である。
一巴の妹は平手政秀の妻であり、つまり一巴は政秀の義兄である。
「焦りは禁物ですぞ……と言いたいところですが、焦る自分のほかに、落ち着く自分も持ちなされ」
「落ち着く自分」
「さよう。焦る自分もまた自分であり、落ち着く自分もまた自分。さすれば……おのずと向かうべき道が見えて来ましょう」
「で、あるか……」
師である一巴の言葉に価値を認めるものの、いささか自信無さげな信長に、一巴は微笑んだ。
「大丈夫でござる。ほれ、村木砦のアレ、三段撃ち、アレは見事でござった。アレは村木の砦を早々に落とさんと焦る自分と、しかし確実に落とそうと落ち着く自分が……信長さまの裡にあった結果でしょう」
「……で、あるか」
一度、目を閉じる。
そうだ……。
落ち着く自分がささやく。
筒先だけではなく、その周りも、もっと見てみてはどうか。
目を開ける。
今度は、筒先に棒が入った。
「やった!」
「お見事」
まるで遠当てに成功したかのように喜ぶ信長と、それを真面目に褒め称える一巴。
気がつくと、周りに将兵ら、雑人、牛馬まで集まっていた。
「殿、やりましたな」
「筒っぽにスポンと!」
「牛っこや馬っこも、びっくらこいてらぁ」
単純なことだが、できると嬉しい。
皆、敵地であり、危地であることを知っている。
何よりも信長がそれを自覚していることを知っている。
それゆえに緊張感であり疲労であったが、今、この信長の笑顔で、それが吹き飛んだ瞬間であった。
「……いや待て」
筒先だけではなく、周りも。
美濃だけではなく……。
「尾張も……もしや」
信長は佐々孫介を呼び、南の方を見て参れと命じた。
帰蝶は「いえ」と言って、その手をぎゅっと握った。
「それより、父上」
「何だ」
「これから、一色義龍と一騎打ちに及ぶつもりでしょう」
道三は少し驚いた顔をした。だが、帰蝶の後ろに控える、明智十兵衛、木綿藤吉、森可成らの面々を見て、得心した顔をした。
「……お前たち、だけではない。信長どのが察したか。であれば仕方ないな。そのとおりだ」
「父上、ならばわたしも共に戦います」
「……何を言っているんだ、お前は」
お前の役割は、わしと信長どのの連絡だろう、今から書状を渡すゆえ、戻れと道三は言った。
「戻りませぬ。それは……信長さまの許しを得ております」
「何と」
「それに……今となっては、斎藤の跡継ぎはわたしです。一色義龍にも、認めさせました」
「……そうであったな」
痛快痛快と言って、道三は少し考えて、そして筆を取った。
さらさらと筆が走り、紙の上に「利治」と記された。
「わしの諱の利政と、おはるの名から名付けた。以後、武将として戦う時は、そう名乗れ」
「父上、では」
帰蝶が満面の笑みを浮かべ、道三に抱きつく。
道三は、「利治」と記された紙を帰蝶に渡しながら。
「あっ」
当て身。
帰蝶は失神した。
「ばかものめが。そんな甘いようでは、これからのいくさ、死中に活を求めるいくさには、連れて行けぬわ」
帰蝶の身を横たえると、道三は、立ち上がった可成らに詫びた。
「すまぬ……だがこの道三、娘の親として、やはりいくさには連れて行けぬ」
「…………」
可成らは何も言わなかったが、それでも道三の心情を認めたらしく、抗議することはなかった。
「それと、だ」
道三は太原雪斎と今川義元が美濃に出現したことを告げ、その裏に何か大いなる陰謀がある、と推測を述べた。
「……であれば、今川としては、当然、わしと義龍の揉めごとに介入するであろう信長どのについて、何らの策を施していないわけがない」
その時、判断を共にする帰蝶がいないと、具合が悪かろう。
道三はそう考えて、帰蝶を「強制的に」信長の許に戻すことにした。
「…………」
また、何をか思ったのか、先ほどの「利政」という紙に、何ごとか書きつけると、帰蝶の懐にしまった。
*
道三は蜂須賀小六に命じた。
「帰蝶を織田に。そこな織田の家臣と合力して、必ず届けよ」
「うけたまわって候」
小六が陣内の厩へ向かう。
道三が目線で促すと、可成が「御免」と言って、帰蝶を抱え上げた。木綿が馬を連れてくると、可成は帰蝶を抱え上げたまま、馬に乗った。
「そなた……土岐家の臣であった森どのとお見受けする。土岐家の仇であるわしの娘を助けるのは不本意かもしれぬ。すまぬ」
馬上失礼すると断ってから、可成は答えた。
「このお方は面白い。生きているだけで、周りに元気をくれる。そういうお方を生かすためであり、仇だの何だのは、関わりございませぬ」
「……ありがたし」
道三が可成に一礼すると、懐中から書状を出し、それを木綿に渡した。
「これを信長どのに」
「必ずお渡しいたします」
「頼んだぞ。美濃をくれてやると書いてあるゆえ、失くすなよ」
「えっ」
木綿の仰天した顔に、道三はしてやったりと笑った。
「ははは……同じことを、信長どのと帰蝶にしてやれ。わしの代わりに、な」
道三のうしろで、十兵衛が「冗談きついで」と言って、彼もまた一礼した。
「お別れや、お姫さまをよろしゅうな」
十兵衛はすでに、明智城に兵が向けられていることを聞かされていた。
それでも、帰蝶や木綿、可成たちとの別れを惜しみ、場に残っていたのだ。
「ほな、行きや。大殿は泣きそうやさかい、もう行ったれや」
「おい、十兵衛」
「では、御免!」
可成と木綿が改めて頭を下げ、馬首をめぐらす。
すでに馬上の人となっていた小六も頭を下げ、「こちらへ」と先導する。
その後ろ姿を、道三は涙でぼやける視界の中、見送った。
そして顔を拭きながら振り向く。
「十兵衛」
「何や」
十兵衛は愛馬に手仕草で合図して、呼び寄せている最中だった。
「わいのことなら、涙は不要。むしろ泣きたいのは、こっちや」
早《は》よ城に行かなアカンとぼやいて、そっぽを向く十兵衛。
そんな十兵衛に、道三は一通の書状を渡した。
「何や、その懐に一体いくつ書状を持っとるんや」
「軽口はそこまでにしてくれぬか、雰囲気が出ぬ」
そういう道三も悪い気はしていないらしいが、彼は真面目な顔でつづけた。
「それな、その書状をのう……このいくさが終わったら、京の山崎屋に届けてくれぬか」
「おはるはん、でっか」
「そうよ。老骨の恋文、見るでないぞ」
「誰が! 軽口はそこまで言うたは、そっちやろが!」
「はは……頼んだぞ、では」
道三は別れを告げ、「出陣!」と大音声で叫んで、将兵を起こして回った。
……あとに残された十兵衛は、ふと気づいた。
「……やられた」
書状を京に届けるということは。
このいくさ、死なずに生き残れということ。
道三一流の、十兵衛への願いであった。
*
「義父上……死ぬな。死ぬなよ」
織田信長はほぼ全軍で清州城を出立し、一路、北の美濃へと向かっていた。
途中、増水した木曽川、飛騨川に悩まされたものの、幸いにも舟を調達できて、どうにか大良の戸島・東蔵坊にまで到達した。
「兵らも限界のようです」
前田利家、土方彦三郎らがそう報告してくると、信長は自ら将兵、そして雑人や牛馬の様子も見て、休息を命じた。
「ではここにて陣を構える。休め!」
帰蝶が先行して鶴山に向かった。
あの斎藤道三のことだ、信長との挟み撃ちを狙うはずだ。
「だが、帰蝶が間に合ったかどうか……そもそも、いくさに間に合うかどうか……」
その保証はない。
それどころか、一色義龍(この頃には信長も義龍の情報をつかんでいた)に追われているかもしれない。
そして帰蝶が無事、道三の許にたどり着いたとしても。
「もしや義父上は、送り返してくるやもしれんな……親父殿や爺ならそうする」
信長の道三の心情への読みは正しかったのだが、惜しむらくはこの瞬間はそれのみを考えていたため、それ以上のことは考えられなかった。
「…………」
いずれにせよ、将兵とそれを支える雑人や牛馬も疲れ切っている。
ここは休息の一手だ。
「何かして、気を紛らすか」
信長は鉄砲の手入れをすることにした。
この時、信長は最新式の鉄砲を揃えており、それをこのいくさに持って来ていた。
それだけ、信長のこのいくさに懸ける本気が知れた。
先端に来るんだ布切れをつけた棒を手に取り、鉄砲の筒先から、筒の中へ。
だが、その棒がなかなか筒先から入ってくれない。
手が、手が震えているのだ。
「どうなされた、信長さま」
「……一巴か」
橋本一巴。
信長麾下の鉄砲隊を率いる将にして、信長の鉄砲の師である。
一巴の妹は平手政秀の妻であり、つまり一巴は政秀の義兄である。
「焦りは禁物ですぞ……と言いたいところですが、焦る自分のほかに、落ち着く自分も持ちなされ」
「落ち着く自分」
「さよう。焦る自分もまた自分であり、落ち着く自分もまた自分。さすれば……おのずと向かうべき道が見えて来ましょう」
「で、あるか……」
師である一巴の言葉に価値を認めるものの、いささか自信無さげな信長に、一巴は微笑んだ。
「大丈夫でござる。ほれ、村木砦のアレ、三段撃ち、アレは見事でござった。アレは村木の砦を早々に落とさんと焦る自分と、しかし確実に落とそうと落ち着く自分が……信長さまの裡にあった結果でしょう」
「……で、あるか」
一度、目を閉じる。
そうだ……。
落ち着く自分がささやく。
筒先だけではなく、その周りも、もっと見てみてはどうか。
目を開ける。
今度は、筒先に棒が入った。
「やった!」
「お見事」
まるで遠当てに成功したかのように喜ぶ信長と、それを真面目に褒め称える一巴。
気がつくと、周りに将兵ら、雑人、牛馬まで集まっていた。
「殿、やりましたな」
「筒っぽにスポンと!」
「牛っこや馬っこも、びっくらこいてらぁ」
単純なことだが、できると嬉しい。
皆、敵地であり、危地であることを知っている。
何よりも信長がそれを自覚していることを知っている。
それゆえに緊張感であり疲労であったが、今、この信長の笑顔で、それが吹き飛んだ瞬間であった。
「……いや待て」
筒先だけではなく、周りも。
美濃だけではなく……。
「尾張も……もしや」
信長は佐々孫介を呼び、南の方を見て参れと命じた。
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