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第四部 陰謀の嵐
22 安食(あじき)の戦い
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末森城の織田信行は、兄・信長の書状を見て、すぐに兵を出すことにした。
信長の読みどおり、尾張守護職・斯波家を守るためという大義名分があり、そして織田弾正忠家としての戦いと宣言されては、信行としては何もせずには済まされない。
「勝家、頼む」
「……うけたまわりました」
信行は重臣であり宿将である柴田勝家に命を下すと、最近お気に入りの若衆である津々木蔵人といちゃつきながら、得意の百舌鳥狩へと出かけてしまった。
百舌鳥狩とは、鷹狩の鷹の代わりに百舌鳥を使う狩りであり、信行はその名手だった。
蔵人は信行に百舌鳥を献じたことが縁となり、仕えるようになったという。
勝家はため息をひとつついた。
かつて、勝家が平手政秀の喪に服してのち、末森城に登城してみると、いつの間にかこの津々木蔵人なる若者が信行に取り入っていた。
殿様という生き物は、裡に寂しさを抱え、誰しもおべっかを使うものを重用したくなる。
そう思って勝家は己を納得させ、本来は聡明な信行のこと、蔵人との仲も冷めていくのではと事態の推移を見守っていた。
だが、そうはならなかった。
最近では、林秀貞、通具すらも、蔵人と結託して、末森城内に派閥めいたものを形成しているという。
「……出陣」
馬上、勝家は振り返った。
百舌鳥狩や派閥などにうつつを抜かす、織田信行と末森城。
ひとり柴田勝家のみは、織田信長に負けてはならじと、信長が備えているという長槍を調達し、兵らに持たせて訓練させているという有り様である。
その有り様はまるで、かつて織田信秀・信長の下で、ひとり主君のために奮闘をつづけていた、平手政秀のようでもあった。
「平手の親爺、おれは……」
「お久しゅうござる!」
目を見開くと、そこには信行への書状を持ってきた若者が、興奮で顔を赤らめていた。
見覚えがある。
たしか、その時、萱津合戦の時は元服前だったか。
守護代織田大和守家の家老・坂井甚助に一番槍を決めようとして、しくじって、小者に助けられていた……。
「前田、犬千代?」
「さよう。今は元服して、前田又左衛門利家でござる!」
又左と呼んで下されと言って、利家は勝家に馬を寄せて来た。
「馴れ馴れしいな。寄るな」
「そう言わずに。拙者、勝家どのに憧れて、利家と名乗ることにしたのでござる!」
どうやら、萱津合戦の時、利家を救うかたちで、勝家が坂井甚助を討ったことに感動したらしい。
だが勝家にとっては、迷惑そのものである。名前を変えろ、と言った。
「そんなこと、誰が許した」
「……平手さまでござるが?」
「何ッ」
ここで何故その名前が出るのか。
問われて利家は語り出す。
かつて政秀は、勝家に乞われていくさのやり方を教えた。
戦場においては鬼神の如き働きを示す政秀に、勝家がまるで恋に焦がれるように憧れ、口説き落として教えを乞うたのだ。
そして萱津合戦で利家(当時は犬千代)が、戦い方を教えてくれ、勝家のようになりたいと言ってきた時。
「平手どのは、自分はもう老いたから、柴田どのに学べと」
「そうか……」
うなずいてから、勝家はあることに気がついた。
「おい、名前のことは、平手の親爺は言ってないみたいだが?」
「……そこはそれ、教えを乞う以上は、という意味で、それがしが言外に平手どのの許しをくみ取った、と」
「あほうか!」
勝家は怒鳴った。
が、悪い気はしなかった。
そういえば、政秀も教えるは教えるが、結局は自分で何とかしろと言っていたではないか。
勝家はまたひとつ息を吐いた。
まあ、いい。
勝家に教われ、といったのは本当のようだ。
ならば。
「おれは平手の親爺みたいに教え上手ではないぞ。悪いが、見取りで、自分で見て聞いて、それで、学べ」
「……承知!」
「では、征くぞ!」
柴田勝家と前田利家。
のちに、共に北の大地における軍神との戦いにて、互いにその背中を預ける二人であった。
*
戦列に加えてみると、意外と前田利家は将兵らに溶け込んだ。
「長い槍じゃろう? じゃがやり方は普通の素槍と同じじゃ。#槍_・__#だけにな」
……くだらない放言もまた愛嬌として捉えられ、気がつくと利家は柴田勝家の軍に、みるみるうちに打ち解けていった。
そうこうするうちに三王口という土地で、守護代の一軍を率いる河尻左馬丞、織田三位と会敵した。
「……ッ! おそらく敵将・坂井大膳は清洲城にいて動いていない!」
勝家も利家も、今さらお飾りである織田信友など相手にしていない。飽くまでも敵将は、守護又代・坂井大膳である。
「……なれば清州を攻めているはずの信長さまに加勢するため、早うこやつらを打ち破りましょうぞ!」
つづけ、と勝手に利家は叫んで突撃を敢行する。
おい待て、と勝家は止めようとしたが、彼とて戦場に生きる男。
今この時、会敵の瞬間に先手を取ることがいくさの秘訣であることは弁えていた。
「利家に……前田又左衛門利家につづけい!」
「応!」
すでに利家は、長柄の槍をしごいて、河尻左馬丞へと躍りかかっていた。
「……小癪な!」
左馬丞の隣にいた織田三位は刀を抜くが、その三位の前に立ちふさがる者がいた。
その者は湯帷子を着ていた。
「斯波義統が小姓、由宇喜一なり!」
喜一は、主君・義統が討たれてからこれまでずっと、敵討ちをしようと潜んでいた。
義統を討ったという、織田三位のことを、虎視眈々と狙っていた。
義統が弑逆されてから今までそれこそ、着の身着のままで。
「織田三位、覚悟せい!」
「小童が、いきがるな!」
これは僥倖だなと勝家は思い、喜一をなるべく掩護するよう命じた。
そして自身は全体を俯瞰して、河尻左馬丞と織田三位の軍を押し潰すよう、指揮を執った。
左馬丞と三位が、利家と喜一を相手している以上、誰も敵の軍を指揮するものがいない。
……このような美味しい機会を逃す勝家ではなかった。
勝家は冷静に敵軍を押して行き、いつしか戦場は安食と呼ばれる土地に移り、やがて誓願寺、ついには町口大堀に至った。
……いくさが終わってみれば、終始槍で押しまくった利家が左馬丞の首を取り、主君の仇討に燃える由宇喜一が、見事織田三位を討ち果たした。
「槍の又左、ここにあり!」
何が「槍の又左」だ、と勝家は苦虫を噛み潰したような表情をした。
ともあれ、戦功の第一は利家で間違いないだろう。
教えることなど、何もいらないくらいの武者ぶりだった。
一方で、飲まず食わずだったらしい喜一は失神した。その喜一を背負って、勝家は勝鬨を上げた。
「清州こそ落ちていないが、これで守護代家の主だった将兵は討ち取った。われらの勝利だ!」
……勝家の言うとおり、織田大和守家(守護代家)はこれで、当主である織田信友と家老の坂井大膳以外、人がいなくなる。
信長の清州城への猛攻をしのぎ、かろうじて清洲の城は保ったものの、極めて劣勢に立たされた信友と大膳は、思い余ってとんでもない手に出る。
「織田弾正忠家も一枚岩ではあるまい」
兵を出した織田信行(柴田勝家)の末森城ではなく。
その触手は守山城、織田信光へと向いていた。
*
……一方で。
勝家は、利家がふと洩らした一言が気にかかっていた。
去る直前に利家は「そういえば」と言った。
「そういえば……信長さまの書状を受けてくれた津々木蔵人どのにも、いちおう、礼を言っておいた方が良いでしょうか」
まず蔵人が受け付けてくれたからこそ、こうして信行の出兵、つまり勝家の出兵と相成ったのだから……と利家はあごに手を当てて考えていた。
「必要あるまい」
勝家は一笑に付した。
そこまで気をつかわなくとも、この権六勝家がそれぐらいは話しておく、と。
「そうですか……それにしても、信行さまは、他国者まで登用されるとは、人を集めるのに熱心ですな」
「……何ッ」
勝家は驚いた。
他国者とは、誰のことだ。
まさか……。
今度は利家が笑った。
「え? だって蔵人どの、あれは三河か遠江、あるいは駿河の方でしょう? 微かですが……訛りが残ってござる」
きっと尾張の話し方にするため、相当努力したのでしょうなと感心する利家。
彼には、傾奇者として市井で暴れ回った過去がある。
その市井では、隣国である三河や遠江、そして駿河から流れて来た者とのやり取りも、当然あった。
彼自身も、駿府まで行ったことがある。
「…………」
勝家はそれ以上、蔵人については触れず、「息災でな」と言って、利家を見送った。
「他国者、か……」
勝家の心に、棘のように刺さったそれは、のちの大いなる尾張の争乱の予兆ではあったが、この時の彼にはそれを知る由もなかった。
信長の読みどおり、尾張守護職・斯波家を守るためという大義名分があり、そして織田弾正忠家としての戦いと宣言されては、信行としては何もせずには済まされない。
「勝家、頼む」
「……うけたまわりました」
信行は重臣であり宿将である柴田勝家に命を下すと、最近お気に入りの若衆である津々木蔵人といちゃつきながら、得意の百舌鳥狩へと出かけてしまった。
百舌鳥狩とは、鷹狩の鷹の代わりに百舌鳥を使う狩りであり、信行はその名手だった。
蔵人は信行に百舌鳥を献じたことが縁となり、仕えるようになったという。
勝家はため息をひとつついた。
かつて、勝家が平手政秀の喪に服してのち、末森城に登城してみると、いつの間にかこの津々木蔵人なる若者が信行に取り入っていた。
殿様という生き物は、裡に寂しさを抱え、誰しもおべっかを使うものを重用したくなる。
そう思って勝家は己を納得させ、本来は聡明な信行のこと、蔵人との仲も冷めていくのではと事態の推移を見守っていた。
だが、そうはならなかった。
最近では、林秀貞、通具すらも、蔵人と結託して、末森城内に派閥めいたものを形成しているという。
「……出陣」
馬上、勝家は振り返った。
百舌鳥狩や派閥などにうつつを抜かす、織田信行と末森城。
ひとり柴田勝家のみは、織田信長に負けてはならじと、信長が備えているという長槍を調達し、兵らに持たせて訓練させているという有り様である。
その有り様はまるで、かつて織田信秀・信長の下で、ひとり主君のために奮闘をつづけていた、平手政秀のようでもあった。
「平手の親爺、おれは……」
「お久しゅうござる!」
目を見開くと、そこには信行への書状を持ってきた若者が、興奮で顔を赤らめていた。
見覚えがある。
たしか、その時、萱津合戦の時は元服前だったか。
守護代織田大和守家の家老・坂井甚助に一番槍を決めようとして、しくじって、小者に助けられていた……。
「前田、犬千代?」
「さよう。今は元服して、前田又左衛門利家でござる!」
又左と呼んで下されと言って、利家は勝家に馬を寄せて来た。
「馴れ馴れしいな。寄るな」
「そう言わずに。拙者、勝家どのに憧れて、利家と名乗ることにしたのでござる!」
どうやら、萱津合戦の時、利家を救うかたちで、勝家が坂井甚助を討ったことに感動したらしい。
だが勝家にとっては、迷惑そのものである。名前を変えろ、と言った。
「そんなこと、誰が許した」
「……平手さまでござるが?」
「何ッ」
ここで何故その名前が出るのか。
問われて利家は語り出す。
かつて政秀は、勝家に乞われていくさのやり方を教えた。
戦場においては鬼神の如き働きを示す政秀に、勝家がまるで恋に焦がれるように憧れ、口説き落として教えを乞うたのだ。
そして萱津合戦で利家(当時は犬千代)が、戦い方を教えてくれ、勝家のようになりたいと言ってきた時。
「平手どのは、自分はもう老いたから、柴田どのに学べと」
「そうか……」
うなずいてから、勝家はあることに気がついた。
「おい、名前のことは、平手の親爺は言ってないみたいだが?」
「……そこはそれ、教えを乞う以上は、という意味で、それがしが言外に平手どのの許しをくみ取った、と」
「あほうか!」
勝家は怒鳴った。
が、悪い気はしなかった。
そういえば、政秀も教えるは教えるが、結局は自分で何とかしろと言っていたではないか。
勝家はまたひとつ息を吐いた。
まあ、いい。
勝家に教われ、といったのは本当のようだ。
ならば。
「おれは平手の親爺みたいに教え上手ではないぞ。悪いが、見取りで、自分で見て聞いて、それで、学べ」
「……承知!」
「では、征くぞ!」
柴田勝家と前田利家。
のちに、共に北の大地における軍神との戦いにて、互いにその背中を預ける二人であった。
*
戦列に加えてみると、意外と前田利家は将兵らに溶け込んだ。
「長い槍じゃろう? じゃがやり方は普通の素槍と同じじゃ。#槍_・__#だけにな」
……くだらない放言もまた愛嬌として捉えられ、気がつくと利家は柴田勝家の軍に、みるみるうちに打ち解けていった。
そうこうするうちに三王口という土地で、守護代の一軍を率いる河尻左馬丞、織田三位と会敵した。
「……ッ! おそらく敵将・坂井大膳は清洲城にいて動いていない!」
勝家も利家も、今さらお飾りである織田信友など相手にしていない。飽くまでも敵将は、守護又代・坂井大膳である。
「……なれば清州を攻めているはずの信長さまに加勢するため、早うこやつらを打ち破りましょうぞ!」
つづけ、と勝手に利家は叫んで突撃を敢行する。
おい待て、と勝家は止めようとしたが、彼とて戦場に生きる男。
今この時、会敵の瞬間に先手を取ることがいくさの秘訣であることは弁えていた。
「利家に……前田又左衛門利家につづけい!」
「応!」
すでに利家は、長柄の槍をしごいて、河尻左馬丞へと躍りかかっていた。
「……小癪な!」
左馬丞の隣にいた織田三位は刀を抜くが、その三位の前に立ちふさがる者がいた。
その者は湯帷子を着ていた。
「斯波義統が小姓、由宇喜一なり!」
喜一は、主君・義統が討たれてからこれまでずっと、敵討ちをしようと潜んでいた。
義統を討ったという、織田三位のことを、虎視眈々と狙っていた。
義統が弑逆されてから今までそれこそ、着の身着のままで。
「織田三位、覚悟せい!」
「小童が、いきがるな!」
これは僥倖だなと勝家は思い、喜一をなるべく掩護するよう命じた。
そして自身は全体を俯瞰して、河尻左馬丞と織田三位の軍を押し潰すよう、指揮を執った。
左馬丞と三位が、利家と喜一を相手している以上、誰も敵の軍を指揮するものがいない。
……このような美味しい機会を逃す勝家ではなかった。
勝家は冷静に敵軍を押して行き、いつしか戦場は安食と呼ばれる土地に移り、やがて誓願寺、ついには町口大堀に至った。
……いくさが終わってみれば、終始槍で押しまくった利家が左馬丞の首を取り、主君の仇討に燃える由宇喜一が、見事織田三位を討ち果たした。
「槍の又左、ここにあり!」
何が「槍の又左」だ、と勝家は苦虫を噛み潰したような表情をした。
ともあれ、戦功の第一は利家で間違いないだろう。
教えることなど、何もいらないくらいの武者ぶりだった。
一方で、飲まず食わずだったらしい喜一は失神した。その喜一を背負って、勝家は勝鬨を上げた。
「清州こそ落ちていないが、これで守護代家の主だった将兵は討ち取った。われらの勝利だ!」
……勝家の言うとおり、織田大和守家(守護代家)はこれで、当主である織田信友と家老の坂井大膳以外、人がいなくなる。
信長の清州城への猛攻をしのぎ、かろうじて清洲の城は保ったものの、極めて劣勢に立たされた信友と大膳は、思い余ってとんでもない手に出る。
「織田弾正忠家も一枚岩ではあるまい」
兵を出した織田信行(柴田勝家)の末森城ではなく。
その触手は守山城、織田信光へと向いていた。
*
……一方で。
勝家は、利家がふと洩らした一言が気にかかっていた。
去る直前に利家は「そういえば」と言った。
「そういえば……信長さまの書状を受けてくれた津々木蔵人どのにも、いちおう、礼を言っておいた方が良いでしょうか」
まず蔵人が受け付けてくれたからこそ、こうして信行の出兵、つまり勝家の出兵と相成ったのだから……と利家はあごに手を当てて考えていた。
「必要あるまい」
勝家は一笑に付した。
そこまで気をつかわなくとも、この権六勝家がそれぐらいは話しておく、と。
「そうですか……それにしても、信行さまは、他国者まで登用されるとは、人を集めるのに熱心ですな」
「……何ッ」
勝家は驚いた。
他国者とは、誰のことだ。
まさか……。
今度は利家が笑った。
「え? だって蔵人どの、あれは三河か遠江、あるいは駿河の方でしょう? 微かですが……訛りが残ってござる」
きっと尾張の話し方にするため、相当努力したのでしょうなと感心する利家。
彼には、傾奇者として市井で暴れ回った過去がある。
その市井では、隣国である三河や遠江、そして駿河から流れて来た者とのやり取りも、当然あった。
彼自身も、駿府まで行ったことがある。
「…………」
勝家はそれ以上、蔵人については触れず、「息災でな」と言って、利家を見送った。
「他国者、か……」
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