悪役令嬢に転生したら溺愛された。(なぜだろうか)

番外編

ハルとマックの出会い（２）

「貴女がハルさんですか、ようこそセナン商会へ」

　偉そうな人がなんか出てきた。
　小心者の平民には豪華な服装の人は刺激が強すぎる。ハデハデ！って感じじゃなくて執事服(もちろん上質)でかっこいい人が出てきた。

　この世界で初めて執事服を見てなんか感動！あと、この世界、顔面偏差値高すぎでしょ！私のお母さん超美人だもん。この人もそうだし。
　現在歩き中。服は自分が持っている一番綺麗なものを着てきたけど絶対に釣り合ってない。

「どうぞ、お入りください」

「えっと………失礼、しま～す。」

　言われたとおりに入ればベットと机と椅子と本しかない無機質な部屋が見えた。その他には何にもなくておもちゃも何にもなかった。
　漫画でよくある冷遇主人公とかかな。現実であったら虐待でちっとも笑えなかった。

「こんにちは。ここまで来てくれてありがとう」

　ほんわかと笑ったのは茶色の髪をした少年だった。この子が魔力持ちの男の子だよね。顔立ちが整っていてまたしてもイケメンだった。本当に高いな、顔面偏差値。

「僕はマック、仲良くしてほしいな。君は…ハルさんだよね」

「うん、ハルであってる。呼び捨てで良いよ」

「じゃあ僕も呼び捨てで良いよ」

「あ、うん」

　沈黙が痛い。魔力持ちだからってそこしか共通点ないんだから話す話題ないんだよ！そもそも有名な商会と普通の平民って違いすぎるでしょーが。しかもマックく…マックっておっとりしすぎじゃない？いつか誘拐されそう…
　てゆうか本当にこの部屋何もないな。話題、話題、話題……

「…マックってさ、窮屈じゃないの？」

　あ、ヤバい。話題の選択間違えた！相手キョトンってしてるよ。なんか失礼なこと言っちゃったよ。

「…窮屈だけどこの部屋は僕の為でもあるから…。魔力持ちが必ず通うことになる学校では勉強が大事になってくるから今のうちから勉強しておくんだ」

「早すぎじゃない?」

「僕は体が弱いからよく病気にかかるんだ。だからその時勉強がストップしちゃうから早めに…ね」

「一人で寂しくないの？」

　私だったら絶対に寂しい。病気のときは看護師さんがついてくれたけどいないときは寂しかったし、一人だとつまらなかった。
　気持ちがわかるからこそ放っておけない。

「寂しいけど……「だったら私とお友達になろう！勉強だって一緒にやろうよ。二人でやるほうが絶対に楽しいもん！風邪とかだって私、人生で一度しか引いたことないもん！」

「……うん。ありがとう」

　少し泣いたマックと私は直ぐに仲良くなって毎日遊んだり勉強したりして、一年後恋人になることを私はまだ知らない。
　

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　病弱少年は体が大きくなって体が強くなったお☆お父さんがハルに「息子と仲良くしてくれてありがとぉー( ；∀；)」って言って泣いてて欲しい。