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第五章 第二のヒロインが現れた!
いい加減にしろとアルがキレました
しおりを挟む「……いい加減にしろ」
と、いう低い声がクラスに響きました。クラスの誰もが驚いてこちらに注目します。
お相手は勿論…
「どうして…?アル様?」
ファーストネーム呼びが許されてないのに呼び続けている相手。
その名はミレーさん。
え?誰だかわからない?だって一回しか名前出ていないもん。わからなくて当然だよね。
電波ヒロインよ。
こんなことになったのには訳があった。
電波ヒロインことミレーさんがアルに対してストーカー行為をしている状態だったのだから。
私がアルと話していると怒鳴ってきて怒って帰っていく。ひたすらの観察行為にアルはうんざりしていた。
「なんなの…なんなのあいつ。キモい、気持ち悪い」
口調が乱れるほどアルにストレスを与えるなんてスゴすぎる。
確かに普段うるさい人にジーっと見られるとストレス溜まりそう。
しかも極稀に話しかけて来るのだ。いや、話しかけるというよりぶつかってきたり木の上からふってきたりと……ようするにイベントを起こしている。
シナリオを修正しようとしているのか謎だが確実にアルには恐怖しか与えていない。
しかも最近は、私にまで突っかかってくる。まぁ、イベントでは当然、悪役令嬢がヒロインにあたっていくのだが、私が一切する気がないのでヒロインから悪役令嬢に当たっていくスタイルになりましたー(棒)
「きゃっ!痛いっ!なんでいつも私にぶつかってくるの!いくら公爵令嬢でもこんなことしていい訳じゃない!」
私が回想に耽っていた中で、ヒロインはまたもや私にぶつかってきた。もう、お金もらってもいいかもしれない。
しかもここ、教室だよ!さすがに皆の迷惑!
迷惑料はらえやー!(ストレスで頭おかしくなってる)
「……いい加減にしろ」
アルの静かに言った言葉は存外この静かな教室に響いた。
「どうして…?アル様?」
いまだ分かっていないヒロインはきっと本物の馬鹿だ。
怒られている理由がわかってない。
そして、その様子にアルは多分ぶちギレた。
「迷惑。あんたは僕達にとって迷惑なの。ハッキリいうとクラスの全員お前のこと嫌ってる。クラスで騒ぐし、問題起こすし。それにクラスメートに冤罪かけてる奴好きになれないだろ。
しかもフィアには多くの迷惑がかかってたのわかる?なぜか知らない奴に冤罪かけられてその取り巻きみたいな奴らにひどい言葉かけられてさあ……ストレス確実だって」
スゴく早口で言ったアルの言葉にはスゴく迫力あってヒロインはボーッとしてた。
今までアルは紳士に対応していたから落差があるのだろう。怒らせたお前が悪い。(ストレスで頭が…以下略)
泣きながら教室を出ていったヒロインに皆、ざまぁ、みたいな顔してた。(皆もストレスで…以下略)
「僕はまだしもフィアを責めるのは許せなかった…」
ボソッと呟いたアルの言葉に不覚にもきゅんとした。
可愛い&格好いいーーー!!!
深夜テンション並みになってきている。ヤバイよ。
そんなことはこの時考えられなかった。
「アル、大好き」
耳元でボソッと言った私の言葉にはアルは真っ赤になりその後ニッコリと笑った。
この顔に酔いが覚めたような感覚でヤバイと本能が伝えてきた。
「もう、帰ろっか」
皆が同情的な目で見つめてくる。助けてはくれないのか!?
自業自得?それはそうだな!そんな私の気持ちをべつに無情にもアルが進み始めた。
翌日顔を真っ赤にしてる人とニッコリ笑顔の人、二人の姿がありましたとさ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
補足
聖属性は王族と同じぐらいの権力を持ちますがアルとフィアは聖属性をもっています。それを考えると余りヒロインの権力は発揮されません。
あと、あだ名で呼ぶのは普通に許可を取りましょう!というのが常識です。
あとあと、普通に学校に来るも来ないも自由です。ただテストで点が悪くなったり、重要な言葉を聞き逃さないために皆出席しています。
以上、補足でした。
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