悪役令嬢に転生したら溺愛された。(なぜだろうか)

どくりんご

文字の大きさ
上 下
44 / 61
第五章 第二のヒロインが現れた!

縦巻きロール系女子、更正したってよ

しおりを挟む


 ざわざわと騒がしい食堂に凛とした声が大きく響いた。

「こんな所で、何やってるんですの?」

 聞いた覚えがある声に、声の発生源に目を向けるとそこには女子の大群がいた。

 その、中央にいるのは金髪をしっかり縦巻きロールにしている女性だった。
 青色をした目はつり上がっていて冷たい印象を受ける。

 その中から二人出てきて左右に移動する。
 その場所が自分のポジションだとでも言うかのように。


「貴方、いくらそこの人達に迷惑かかってるかわからないかしら?」

 私達に視線を一瞬向けて、その後ヒロイン(電波の方)に向き合う。

「分からないわよ!しかも貴方だってさんざん平民、平民って馬鹿にして、生徒会の仕事増やしてたらしいじゃない!」

「……確かにわたくしは彼らに迷惑をかけていましたし、酷い言葉をかけました。だからこそ、貴方のような人を放ってはおけません!」

「ユカ様は今までの迷惑をかけたであろう人、全員に謝りにいったり、お詫びの品を送ったり、差別している貴族に注意をしたり色々償う為って言ってやったのよ!貴方とは違うわ!」

「そうよ、ユカ様は人の婚約者を奪って愉悦に浸ってる奴とは違うのよ!」

 そうだ、そうだと次々と皆が声をあげて言う。平民から貴族まで多くの人物がユカ様(?)を援護する。ずいぶん打ち明けているのか「可愛いのよ!」「愛らしいんだ!」等と男子と女子の声が重なる。

「皆…わたくしの事を許してくれるの…?」

「「「「「「「勿論!!!」」」」」」」

 食堂内の半分はそう返事をした。すごい数の人で大きい声だ…。

 (どうゆう展開ですか?これ?)

 私の心配などよそにユカ様(?)大好き生徒は口々に「好きー!」「結婚してくれー!!」などの言葉を言い、徐々にユカ様(確信)の顔が赤くなっていく。

「皆さんが、わ、わたくしの事を好きなんてもう知ってるんですからね!」

 真っ赤な顔を隠すように扇子で顔を隠しながら話すユカ様に会場(食堂)は絶叫。
 ツンデレ…恐るべし…!!
 もはや、ヒロインなんて皆の記憶に残ってないだろう。なんなのよ!と叫ぶ彼女には誰一人気づいてない。
 
「もう、良い!帰るわ!」

 怒りながら帰るヒロインの事は誰も止めない。どうでもいいのだろう。
 そうするとユカ様がこちらに視線を向け、頭を下げてきた。

「申し訳ありません。ソフィア様、アル様、そして生徒会のみなさま」

 あの、前にあったプライドが完全になくなっている彼女に驚きが隠せない。

わたくしは人の気持ちを考えず行動していました。今になって気づく愚かな娘です。貴方達に注意をされて、自分の行動を振り替えるとどれだけ自分が愚かな行動をしていたのかが良く分かりました」

 申し訳ありませんともう一度繰り返すと頭をまた、下げる。
 後ろから私達からもお詫び…という声が聞こえてくる。

 大勢の声が聞こえてくる。
 これだけ、彼女が慕われていることが分かる。

「別に良いよ、ユカ様。ね、アル」

「うん、もうこれからはやめてね?」

 返す言葉は決まってるじゃん。
 これだけ人に好かれるって一種の才能だよ。本当に。

 ふふ、と笑うアルと私を見てユカ様は花が綻ぶような笑みを見せた。



 食堂が絶叫に包まれるまであと一秒。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 お久しぶりです!どくりんごです!
 最近、遅れぎみな投稿、申し訳ございませんでした( ノ;_ _)ノ

 十八時をオーバーしてしまうことが少々…。頑張っていきたいです。
 最近、キャラに癒しがいない……そうだ!ツンデレっ子にしよう!と言う安直な考えで作られたキャラクターです!

 皆に慕われてて、ファンクラブもあるユカちゃんは可愛らしいです!
 美人だけど、ツンデレだけど笑顔がギャップなユカちゃんを応援してください(*´ω`*)
 どうか、いつまでもそのままでいてね……ユカちゃん!(´;ω;`)

 そして、四章の人物紹介、出し忘れてたことに気付いたためあげさせていただきました。すいませんm(__)m
 是非、見ていただけると嬉しいです!(*´∀`)
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました

宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。 しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。 断罪まであと一年と少し。 だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。 と意気込んだはいいけど あれ? 婚約者様の様子がおかしいのだけど… ※ 4/26 内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

【二部開始】所詮脇役の悪役令嬢は華麗に舞台から去るとしましょう

蓮実 アラタ
恋愛
アルメニア国王子の婚約者だった私は学園の創立記念パーティで突然王子から婚約破棄を告げられる。 王子の隣には銀髪の綺麗な女の子、周りには取り巻き。かのイベント、断罪シーン。 味方はおらず圧倒的不利、絶体絶命。 しかしそんな場面でも私は余裕の笑みで返す。 「承知しました殿下。その話、謹んでお受け致しますわ!」 あくまで笑みを崩さずにそのまま華麗に断罪の舞台から去る私に、唖然とする王子たち。 ここは前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界。その中で私は悪役令嬢。 だからなんだ!?婚約破棄?追放?喜んでお受け致しますとも!! 私は王妃なんていう狭苦しいだけの脇役、真っ平御免です! さっさとこんなやられ役の舞台退場して自分だけの快適な生活を送るんだ! って張り切って追放されたのに何故か前世の私の推しキャラがお供に着いてきて……!? ※本作は小説家になろうにも掲載しています 二部更新開始しました。不定期更新です

悪役令嬢に仕立て上げられたので領地に引きこもります(長編版)

下菊みこと
恋愛
ギフトを駆使して領地経営! 小説家になろう様でも投稿しています。

貴方誰ですか?〜婚約者が10年ぶりに帰ってきました〜

なーさ
恋愛
侯爵令嬢のアーニャ。だが彼女ももう23歳。結婚適齢期も過ぎた彼女だが婚約者がいた。その名も伯爵令息のナトリ。彼が16歳、アーニャが13歳のあの日。戦争に行ってから10年。戦争に行ったまま帰ってこない。毎月送ると言っていた手紙も旅立ってから送られてくることはないし相手の家からも、もう忘れていいと言われている。もう潮時だろうと婚約破棄し、各家族円満の婚約解消。そして王宮で働き出したアーニャ。一年後ナトリは英雄となり帰ってくる。しかしアーニャはナトリのことを忘れてしまっている…!

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

マルフィル嬢の日々

夏千冬
恋愛
 第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。  それも王命により屋敷に軟禁状態。肉襦袢を着込んだ肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!  改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットを始めた。そして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することをスタート目標に、更生計画を開始する! ※こちらはアルファポリス様、小説家になろう様で投稿させて頂きました「婚約破棄から〜2年後〜からのおめでとう」の連載版です。タイトルは仮決定です。

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。

なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。 本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!

処理中です...