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第二章 まさかの乙女ゲーム世界!
公爵令嬢とのお茶会 1
しおりを挟む今日は公爵令嬢とのお茶会がある。
公爵令嬢ーソフィア・スイートという少女は僕と同じように聖属性を持っていて三属性持ちという僕に似たような人だと思った。
不気味な程に静かな王宮の庭園に案内される。相変わらず『あの日』から誰も僕に話しかけない日々が続いていた。
初めてあったソフィア嬢の印象は綺麗な人、だった。
穂を思わせるような金色の髪がおろしてあり、何もかもを透かすような水色の瞳が僕を見ていた。
びっくりしたが表情に出さないように気を付けて挨拶をする。
「初めまして、ソフィア嬢。僕はアルベルト、これからよろしくね」
挨拶をしたら彼女はびっくりしたようにしたあと僕の顔をジーっとみた。ジーっと見られるようなことしたかなー、と首をかしげていることにも気づいていないのか混乱したような顔で僕を見ていた。
表情がコロコロと変わる子だなとおもった。
それと同時にどうゆう行動に出るかわからなくて予測不能なため情けなくもオロオロしてしまう。
彼女はようやく気づいたようで私に話しかけてくる。
「お茶会を始めましょうか」
開始のあいずを言う彼女にホッとしたがそれ以上に彼女の声にびっくりした。
鈴を転がしたような可愛いらしい声に容姿だけでなく声も可愛らしいんだなとおもった。
「改めて自己紹介するね、僕はアルベルト・サンライトこの国の第一王子として生まれたものだよ」
「先ほどからのご無礼、誠に申し訳ありませんでした。改めて自己紹介させていただきます、ソフィア・ス…!?」
彼女は言葉を止めて酷く混乱していた…ようにみえた。
彼女もびっくりしたような顔をしているが流石に僕も驚いたような顔を隠せなかった。
二人ともがお互いの驚愕したような顔をしてみつめあうという変な構図が出来上がった瞬間だった。
そのあと、彼女は我にかえり慌てて謝罪を繰り返す。「いいよ」という返事をすると僕の顔を見て、感動したような顔を向けてきた。
ソフィア嬢は少し変な令嬢といえるだろう。だけどソフィア嬢は僕を見てくれていた。聖属性じゃなくて僕を。久しぶりの感覚で浮かれていた。寂しさが紛れていくような感覚は気持ちが良かった。そんな僕に彼女はいった。
「皇太子殿下、悲しんでいますか?」
一瞬の動揺のち、素早く表情を取り繕う。どうしてそんなことをいうのだろう。
僕は悲しんでいない。だって…
「なんで?なにも悲しくなんてないよ、僕は幸福な人間だ」
そう僕は幸せなんだ。愛されていたんだから。だからやめてくれよ。僕の意思を透かすような瞳をやめてくれ。
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